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「諦めてたのに」「夢じゃないよね…?」25年の時を経て“アニメ化された”傑作漫画…“異例の道”を歩んだ伝説的存在

  • 2026.1.28

2024年にNetflixにて独占配信されたアニメ『ライジングインパクト』。本作は鈴木央先生による熱血ゴルフ漫画を原作としており、25年の時を経てついにアニメ化された。二度の連載終了という異色の経歴を持つ原作から生まれた『ライジングインパクト』とは、いったいどんな作品なのだろうか。

ファンの反響により復活した原作

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

アニメ『ライジングインパクト』は、Netflixにて2024年6月22日よりシーズン1、2024年8月6日よりシーズン2が独占配信された。原作を手がけたのは、『七つの大罪』『黙示録の四騎士』などで知られる鈴木央先生だ。鈴木先生にとって、本作が初連載作品となる。

福島の山間部で祖父と暮らす少年・七海ガウェイン(CV:久野美咲)は、偶然出会った女子プロゴルファー・西野霧亜(CV:大地葉)に才能を見出され、ゴルフの世界へ足を踏み入れる。天性の飛距離と勝負勘を武器に、名門ジュニア育成機関であるキャメロット学院へ入学するガウェイン。そこには、ランスロット・ノーマン(CV:花守ゆみり)をはじめ、個性も実力も突出したライバルたちが集っていた。強豪たちと競い合いながら世界一を目指す、ガウェインの成長物語だ。

本作は、“ゴルフ”という題材を王道バトル漫画の熱量で、少年が成長していく物語へと落とし込んでいる。キャメロット学院にてガウェインは、才能だけでは勝てない壁に何度もぶつかる。そのたびに、くやしさをバネにして一歩ずつ強くなっていく彼の姿が、まっすぐに胸を打つのだ。同年代の選手たちも魅力的で、一打一打にそのキャラクターらしさや想いが表れている。

『ライジングインパクト』の原作は、連載開始から3か月余りの1999年3月に終了。しかしその後、ファンの反響が大きかったこともあり、なんと3か月後の6月に連載が再開される。2002年まで連載が続いたが、またしても連載終了が決定。本作が連載された『週刊少年ジャンプ』(集英社)のなかでもめったにないイレギュラーな事態となった。

鈴木央先生がゴルフ作品を手がけたきっかけ

25年の時を経てアニメ化された『ライジングインパクト』についてSNSでは「諦めてたのに」「夢じゃないよね…?」「信じられない…!」「叫んだ」と、喜びと驚きの声があがった。集英社スポーツ総合情報・ニュースサイト“web Sportiva”によるインタビューにて、原作者である鈴木先生は、ゴルフを題材にした作品を手がけたきっかけについて以下のように語っている。

たまたまゴルフ雑誌を手に取って読んでいたら、ゴルフの起源の説のひとつである、スコットランドの綺麗な景色が広がるコースに心惹かれて。さらにゴルフには、大きく分けてドライバー、アイアン、パターと3種類のクラブがあることを思い出したんです。
その瞬間、“少年誌脳”が働いたといいますか、僕の中でこれらのクラブを「3つの武器」みたいな形で表現できたら面白いんじゃないかと。
出典:『四半世紀の時を超えアニメ化 伝説のゴルフ漫画『ライジングインパクト』を鈴木央と久野美咲が語りつくす「僕の“厨二病心”が詰まった作品なので…」』web Sportiva 2024年7月5日

3種類のクラブから着想を得て、ドライバーが得意なガウェイン、パターが得意なランスロットといったテーマを思いついたという鈴木先生。これまでずっとファンタジーを描きたかったという鈴木先生にとって、ゴルフ作品を手がけたのは大きな転換点だ。彼が偶然ゴルフ雑誌を手に取っていなければ、本作は生まれていなかったかもしれない。

必殺技のようなショットの表現で試合を派手に見せつつ、駆け引きや状況判断といった“スポーツの面白さ”もしっかりと描く『ライジングインパクト』。このバランス感覚が、本作を最後まで見たくなる理由なのではないだろうか。王道で少年漫画らしい高揚感を持った『ライジングインパクト』は、今も色あせない魅力を放ち続けている。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari