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「今こそ観るべきNHKの本気」「最低でも10回は観た」放送から11年、“神ドラマ”として評価され続ける『至高作』

  • 2026.1.18

民放ドラマの話題作が注目を集める一方で、静かに、しかし確かな完成度で視聴者の心を掴んできたのがNHKドラマです。派手な宣伝や視聴率競争とは距離を置き、時代や社会、人間の内面に丁寧に向き合った作品が数多く生み出されてきました。

なかには放送当時は大きな話題にならなかったものの、後年になって「実は名作だった」「今こそ観るべき」と再評価されている作品も少なくありません。脚本の緻密さ、役者の抑制された演技、余白を活かした演出──それらが重なり合い、観る者の心に静かな余韻を残します。

今回は、そんな“NHKの隠れた名作ドラマ”から、『美女と男子』(NHK総合)を紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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「第15回ベストマザー賞 2023」「芸能部門」を俳優・仲間由紀恵が受賞(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):『美女と男子』(NHK総合)
  • 放送期間:2015年4月14日~2015年8月25日

主人公・沢渡一子(仲間由紀恵)は、IT企業に勤めていたキャリアウーマン。しかし性格面に難があり、自己主張が強く反発も買っていました。一子はある日、小さな芸能事務所に出向を命じられます。そんな彼女が担当することになったのが、容姿だけが取り柄で、演技力もやる気もゼロの若手俳優・向坂遼(町田啓太)でした。

仕事に情熱はあるものの、現実は厳しく、一子は報われない日々を送っていました。

しかし最悪の出会いから始まった二人の関係は、衝突を繰り返しながらも、少しずつ変化していきます。一子はマネージャーとして、遼は俳優として、互いの人生を賭けるように芸能界の荒波へと身を投じていきます。成功と挫折、希望と現実が交錯する中で、二人は「夢を追うとはどういうことか」という問いに向き合うことになります。

芸能界ドラマなのに、驚くほど地に足がついている

『美女と男子』が特別なのは、芸能界を舞台にしながらキラキラと美化し過ぎずに、徹底して“現実”を描いている点です。

成功は一気に訪れるものではなく、地味で、報われない時間の積み重ねであることが、容赦なく描かれていきます。だからこそ、ほんの小さなチャンスや、一つの仕事が決まる喜びが、これ以上ないほど胸に響くのです。

その小さな感動の積み重ね、成長し、前に進んでいるという確かな実感が画面越しに視聴者にも勇気やあたたかな感動を与えてくれるもの。思わず視聴中に「やった!」と小さく声をあげてしまう場面がちりばめられているのです。

仲間由紀恵が体現した“等身大のヒロイン像”

本作を語る上で欠かせないのが、主人公・沢渡一子を演じた仲間由紀恵さんの存在です。

華やかなイメージの強い彼女が、本作では失敗ばかり、感情を爆発させる自己中心的ともとれる性格、しかし目標のためとあらば泥臭くみっともなく足掻いて進んでいく。そんな“理想から程遠い大人の女性”を、驚くほど自然に演じ切っています。

決して完璧ではない。それでも仕事に向き合い、他人の人生に責任を持とうとする姿は、多くの視聴者の共感を呼びました。

仲間由紀恵さんのキャリアの中でも、屈指の代表作として挙げる声が多いのも納得です。

“観た人だけが知っている”名作性

今なお、SNSでは本作について「隠れた名作ドラマ」「なんで話題にならないの?」「全人類観るべき」「超えるドラマがない」「何度見ても見飽きない名作」「最低でも10回は観た」「今こそ観るべきNHKの本気」「神ドラマ」といった声が寄せられています。

特に語り草になっているのが、最終回。積み重ねてきたすべての感情が、“最後の15分”に凝縮されています。

派手な演出ではなく、台詞と表情、そして時間の積み重ねで魅せる結末だからこそ、何度も見返したくなる。それは、このドラマが誠実に物語を紡いできた証でもあります。

夢を追う、泥臭く

『美女と男子』は、夢を追う物語でありながら、決して夢を美化しすぎないドラマです。

努力は必ず報われるわけではない。それでも、人は夢を見ることをやめられない。その現実を、温度のある目線で描き切りました。

このドラマをまだ観ていない人も、一度観たことがある人も、ぜひもう一度、沢渡一子と向坂遼の物語に触れてみてください。きっと、今の自分に違う言葉で響いてくるはずです。


※執筆時点の情報です