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「紛れもなくNHK史に残る傑作」放送から8年 “今こそ観たい”至高ドラマ…「最高傑作」と称される“完成度”

  • 2026.1.31

ドラマや映画の中には、物語に深く心を打たれ、人生の指針になるような作品があります。今回は、そんな中から"今こそ観たい名作ドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、ドラマ『西郷どん』(NHK総合)をご紹介します。激動の時代に、人を信じ、民のために生き抜いた男、西郷隆盛。その不器用で真っ直ぐな人生が、今の時代に問いかけるものとは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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第35回東京国際映画祭 鈴木亮平(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)
  • 放送期間:2018年1月07日 - 2018年12月16日
  • 出演:鈴木亮平(西郷吉之助 / 隆盛 役)

薩摩の貧しい下級武士の家に育った西郷隆盛(鈴木亮平)は、家計を支えるため役人の補佐として働いていました。けれど、困っている人を見ると放っておけず、自分の給金も弁当も全部与えてしまうような人物です。

そんな西郷に目を留めたのが、当時のカリスマ・薩摩藩主の島津斉彬(渡辺謙)でした。「民の幸せこそが国を富ませ強くする」と語る斉彬に、西郷は心酔します。やがて、斉彬の密命を受け、江戸と京都を行き来しながら奔走する中で、西郷は薩摩を動かす重要な存在へと成長していきました。

篤姫(北川景子)との淡い恋、二度にわたる島流しなど、試練に満ちた人生…。それでも信念を失うことなく、西郷は次第に揺るぎない革命家へと覚醒していきます。そして激動の時代の先頭に立ち、明治維新という大きな歴史の転換を成し遂げていくのでした――。

愛と勇気を軸に再構築された幕末史――西郷どんの素顔

幕末から明治へ――日本の歴史が大きな転換点を迎えた時代を舞台に描かれたのが、大河ドラマ『西郷どん』です。本作は、史実をなぞるだけではなく、西郷隆盛という一人の男が貫いた「愛」と「勇気」に光を当て、その生き方を壮大なスケールで描き出しています。

物語を支えるのは、日本を代表するクリエイターたち。原作は林真理子さんの同名小説、脚本を手がけたのは、NHKの連続テレビ小説『花子とアン』やドラマ『ハケンの品格』で知られる中園ミホさんです。女性ならではの感性によって、これまで語られることの少なかった西郷の素顔や、男女を問わず人々を惹きつけた人間的な魅力が丁寧に描かれています。

キャスト陣も、大河ドラマにふさわしい豪華な顔ぶれが揃いました。主演の鈴木亮平さんをはじめ、大久保利通役を瑛太(現・永山瑛太)さん、ヒロインの岩山糸役を黒木華さんが熱演。さらに、島津斉彬役の渡辺謙さん、坂本龍馬役の小栗旬さんなど、主演級の俳優たちが名を連ね、時代を動かした人物たちを魅力的に演じています。

“敬天愛人”に貫かれた生涯

本作の見どころは、西郷隆盛が「革命家」へと目覚めていく過程を、生々しく描いている点にあります。

物語は、薩摩の貧しい下級武士として生きる若き日の西郷から始まりますが、なかでも強く印象に残るのが、二度の島流しを経験する「島編」です。奄美大島や沖永良部島での過酷な暮らし、そして愛加那(二階堂ふみ)との出会い。

この島での歳月を経て、西郷は一介の武士から、国全体を見渡す視野を持つ人物へと変わっていきます。
鈴木亮平さんは撮影にあたり、実際に鹿児島や奄美大島、沖永良部島などのゆかりの地を訪れました。西郷隆盛が実際に過ごした土地の特別な空気感や、島に満ちる不思議な力を肌で感じることで、自然と当時の心情に深く寄り添い、血の通った人物像を作り上げたといいます。

また、本作を語る上で欠かせないのが、幼なじみである大久保利通との「友情と対立」です。ともに新しい日本を夢見て歩んできた二人が、やがて政治への向き合い方の違いから袂を分かち、最大の敵となっていく展開は、あまりにも切なく、胸に迫るものがあります。

全編を通して描かれるテーマは、西郷が生涯大切にした「敬天愛人(天を敬い、人を愛する)」という精神です。どれほど苦しい状況に置かれても人を信じ、民のために命を懸ける――。その揺るぎない生き方は、視聴者の心に深い感動を残しました。

西郷どんを演じた鈴木亮平の現在地

本作で主演を務めた鈴木亮平さんの役作りは、まさに“異次元”と言えるものでした。

西郷隆盛の体格に近づけるために大幅な増量を行い、島津斉彬役の渡辺謙さんとの相撲シーンでは、ろっ骨にひびが入った可能性がありながらも、そのまま撮影を続けたというエピソードも残っています。

ただ、鈴木さんがこだわったのは肉体だけではありません。西郷の「心」を生きることでした。

1年3カ月に及ぶ撮影を終え、2018年10月29日に都内で行われたクランクアップ報告会では、「ひとことで言うなら、西郷を生ききった」「悔いない人生で生をまっとうした西郷と同化した気持ち」と語っています。それほどまでに、西郷隆盛という人物の人生に深く没入していたことがうかがえます。

そんな鈴木さんの最新の活躍が、2026年1月18日スタートの日曜劇場『リブート』(TBS系)です。本作で彼は、愛する家族を守るために別人になりすますという、善と悪の顔を併せ持つ難役に挑戦。 『西郷どん』で見せた、周囲を包み込むような「陽」のエネルギーと、『リブート』で見せている冷徹さと葛藤が入り混じる「陰」の演技。その振り幅の大きさこそが、鈴木亮平さんを唯一無二の俳優たらしめている魅力でしょう。

今の時代に問いかける、西郷どんのリーダー像

今あらためて『西郷どん』を観ると、この物語が描いていたものが、今の時代に重なって見えてきます。

混迷を極める社会のなかで、私利私欲を捨て、「よかよか」とすべてを受け止めながらも、不正には決して屈しなかった西郷隆盛。その姿に、理想のリーダー像を重ねる人も多いでしょう。

西南戦争へと向かっていく終盤の描写は、美しさと痛みを併せ持ちながら、自分の命を何のために使い、どう生きるのかを静かに問いかけてきます。

SNSには、今も「神演技」「迫真の演技に圧倒された」「役者としての凄みを感じる」「大河ドラマの最高傑作」「今の時代こそ観て欲しい」「さすがはNHK」「紛れもなくNHK史に残る傑作」といった声が多く寄せられています。

まだ観たことがない方はもちろん、すでに一度観た方も、鈴木亮平さんの現在の活躍と重ね合わせながら、あらためて視聴してみてはいかがでしょうか。時代が変わっても色褪せることのない、真っ直ぐな魂の輝きを映す"今こそ観たい名作ドラマ"です。


※記事は執筆時点の情報です