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「なんでこんなクズと…」「とんでもないわ」あまりにも生々しい“男女関係”に騒然…リアリティを追求した『至高映画』

  • 2026.1.14

ドラマや映画の中には、登場人物が抱える“心の闇”や痛みが観る者の胸に、強烈なインパクトを残す作品があります。今回は、そんな中から"極端な人間ドラマ作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、映画『伊藤くん A to E』(ショウゲート)をご紹介します。5人の女性を翻弄する無神経な男と、その痛すぎる恋愛を新作のネタにしようと目論む崖っぷちの脚本家。欲望と見栄が渦巻く中で、彼女たちが辿り着く結末とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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業務改善クラウドサービス「キントーン」の新CM発表会に出席した女優、木村文乃(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『伊藤くん A to E』(ショウゲート)
  • 上映日:2018年1月12日
  • 出演: 岡田将生(伊藤誠二郎 役)/ 木村文乃(矢崎莉桜 【E】役)

20代半ばで手がけた大ヒットドラマで、一躍注目を集めた脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)。しかし、ある出来事をきっかけに筆が止まり、新作を書けないままスランプに陥ってしまいます。

そんな莉桜に、プロデューサーの田村(田中圭)がある提案を持ちかけました。「講演会に来ていた4人の女性の恋愛相談を、脚本のネタにしてみてはどうか」と――。

集まった4人【A】〜【D】の女性が悩まされている相手は、なぜか全員“伊藤”という名前の男性。莉桜は「どうしてそんな男に惹かれるのか…」と思いながらも取材を続け、彼女たちの“痛い恋”を新作の題材にしようと決めます。

しかし、話を聞くうちにある違和感が…。4人が語る“伊藤”は、もしかすると同一人物ではないか――、と疑いを抱き始める莉桜。

そんな折、田村から思いもよらない知らせが届きます。莉桜が講師を務めるシナリオスクールの生徒・伊藤誠二郎(岡田将生)が、4人の女性を題材にしたドラマ企画を持ち込んできたというのです。

28歳のフリーターで、容姿端麗。自意識過剰で口先ばかり達者なわりに、脚本を一度も書き上げたことがない人物でした。まさに、モンスター級の“痛い男”。

そう、4人の女性を翻弄していた“伊藤”の正体は、莉桜が最も軽蔑していた自分の生徒だったのです。しかも、莉桜が再起をかけて書こうとしていたネタまで奪おうとしていました。

さらに、莉桜の知らない5人目の女、【E】の存在が浮かび上がります。しかも“伊藤”の中では、莉桜自身がその【E】の女になっていました。

彼の狙いは一体何なのか…。すべてを狂わせていく“伊藤”という男に、莉桜は次第に追い詰められていくのでした――。

木村文乃×岡田将生――“痛い恋愛”を原作にした映像化プロジェクト

本作、映画『伊藤くん A to E』は、『ナイルパーチの女子会』『BUTTER』などで知られ、数々の作品で女性のリアルな心理を描き出してきた作家・柚木麻子さんの同名小説が原作です。監督は、映画『母性』『月の満ち欠け』『恋に至る病』や配信ドラマ『人間標本』で知られる廣木隆一さんがつとめました。

本作の大きな特徴は、テレビドラマと映画が連動する"ハイブリッド型"のプロジェクトである点です。2017年に放送されたドラマ版では、木村文乃さん演じる脚本家・莉桜の視点を通して、伊藤に振り回される4人の女性たちの日常や恋の行方が丁寧に描かれました。

一方、映画版では岡田将生さん演じる"伊藤"の視点に立ち、同じ出来事をまったく異なる角度から追っていきます。視点が反転することで、それまで見えなかった感情や思惑が浮かび上がりました。

キャスト陣も豪華です。ダブル主演の岡田将生さんと木村文乃さんをはじめ、伊藤に翻弄される女性役として佐々木希さん、志田未来さん、池田エライザさん、夏帆さんが集結。さらに、田中圭さんや中村倫也さんといった実力派俳優が脇を固め、毒のある人間関係を際立たせています。

なかでも、W主演を務めた木村文乃さんには、「麗しい」「木村文乃目当てで観た」「可愛すぎる」「クールで最高にかっこよかった」といった声が多く寄せられました。

また、作り込まれた芝居を削ぎ落とし、俳優の感情をむき出しにする廣木監督の演出も印象的です。嫉妬や見栄といった人間の生々しさを正面から映し出し、本作を単なる原作の映像化では終わらせない一作に仕上げています。

なぜ?クズ男に惹かれてしまう女性たち

本作を唯一無二の“極端な人間ドラマ”にしている最大の要因は、岡田将生さんが演じた伊藤誠二郎という前代未聞のキャラクターです。自意識過剰で無神経、関わる女性たちを次々と不幸にしていく“モンスター級の痛男”として描かれ、その振る舞いは観る者の神経を逆撫でします。

一方で、その異常さこそが強く印象に残ったという声も多く、「なんでこんなクズと…」「生々しいなぁ」「とんでもないわ」「無神経すぎる」「クズ男というよりサイコパス」「こんな人とは関わりたくない」といった感想も寄せられました。

伊藤を取り巻く女性たちもまた、それぞれが根深い「痛み」を抱えています 。池田エライザさんが演じた相田聡子が愛を求めるあまり親友を裏切ってしまう姿や、夏帆さん演じる神保実希の自己中心的な危うさは、現代を生きる私たちが心に秘めるエゴイズムを鋭く映し出しているかのようです 。彼女たちは単なる被害者ではなく、自らの弱さによって伊藤に振り回され、自分自身と向き合うことに。

実際に演じたキャスト陣たちからも、この作品の濃密さが伝わってきます。

作品を観た視聴者からは、「岡田将生さんの圧倒的なサイコパス演技に震えた」「何度も惹きこまれた「これだけ生々しさを映し出している作品はない」「内容がリアルすぎて胸に刺さった」「女の子たちが痛みから立ち上がっていく姿に、人生のヒントをもらった」など、称賛の声が相次ぎました。

モンスター級の痛男と、彼に翻弄される女性たちが織りなす剥き出しの感情——。その極端なまでの生々しさが、観る者に「自分はどうか」と問いかける映画『伊藤くん A to E』。まさに“極端な人間ドラマ作品”と呼ぶにふさわしい、心に深く突き刺さる一作です。


※記事は執筆時点の情報です