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こどもは風の子!保育園で「こもって発熱」を防ぐための服装とは

  • 2025.12.23

冬になると、登園時につい「寒いから」と裏起毛やヒートテック、トレーナーにダウンと手袋……と、防寒を万全にしがち。登降園時など戸外に出るときは問題ないのですが、実は、「熱がこもって発熱してしまい、お迎えに来てもらったら元気だった」なんてケース、保育園では珍しくないのです。今回は、現役保育士の視点から、冬の保育園で気をつけたい服装の選び方についてお伝えします。

裏起毛の服って本当にダメなの?

裏起毛のトレーナーやズボンは、ふわふわで暖かく、見た目にも冬らしいですよね。でも、保育園の室内は暖房が効いており、一日中裏起毛で過ごすと暑くなりすぎてしまうことがあります。SNSなどで「裏起毛がよくない!」と言われているのはこの理由がほとんど。子どもは大人より代謝が高く、ちょっと遊んだだけでもすぐに汗をかきます。その結果、・顔が赤くなる・体が熱くなる・発熱と間違えて呼び出される保育園で発熱が見られたあと様子を見る時間はあるものの、冬場は他の感染症も流行りやすくあまり長く様子を見られない、熱を出したら帰宅のルールを変えられない……というのも現実。私も「これ服脱いだら下がるのでは?」というお子さんを何人も見てきましたが、引き出しにあるお着替えもすべて裏起毛……と葛藤することがありました。

裏起毛が推奨されることも

裏起毛はよくない!買わない方がいい!と言われることもありますが、裏起毛がすべて悪いというわけではなく、「着る場面」と「使い方」によって向き不向きがあります。園での活動と家庭での生活とでは、気温や運動量も大きく異なるため、適した使い方を知っておくことが大切。例えば冬の早朝や夕方など、外気温が低くなる時間帯は、子どもの体温も下がりやすく、防寒が必要なタイミングです。登園時に寒風の中を徒歩や自転車、ベビーカーで通う場合には、裏起毛のアウターやボトムスは効果的。・自転車移動で風を受けやすい・徒歩で時間がかかる・朝の気温が特に低い地域や日陰が多いこうした場合には、着脱しやすい裏起毛アイテムをアウター感覚で使っても。また、小学校は授業中に動くことがあまりないので裏起毛の方が良いというお子さんもいらっしゃいます。

0歳児にレッグウォーマーは危険

見た目もかわいく人気のレッグウォーマー。こちらも「足元が冷えるかな?」と、0歳児のお子さんにレッグウォーマーを履かせるご家庭もあります。ですが、園内でずれたり絡まったりして、転倒につながるハイハイや歩行の妨げになる自分で取ろうとして指をひっかけるといった危険も。特に寝返りやつかまり立ちの時期の子には不向きです。保育園内は暖房もあり、特に0歳、1歳児クラスはハイハイのお子さんも多いことから床暖房を採用している園が多いです。採用していない園でもカーペットを敷いて対策をとっているところが多いでしょう。園内では冷たい床に直接触れることも少ないため、基本的には裸足で過ごしています。靴下もあまり履かせてはいません。もし冷えが心配な方は、保育士に「足が冷たくなっていないか見てもらえますか?」と気軽に相談してみてくださいね。

機能性インナーはやめてほしい!

保育園で子どもと関わる中で、裏起毛よりも控えてほしいと感じているのが機能性インナーです。吸湿発熱機能で暖かく過ごせることで人気ですが、保育園では裏起毛同様不向き。・吸湿発熱機能が、汗をかいたあとに熱がこもる原因に・薄い素材なので摩擦に弱く、すぐ穴が開く・着替えた時に静電気で不快になる・ぴったりしたデザインが多く着脱がしにくいまた、お昼寝の時間にも着用し続けると汗をかいて冷える→風邪をひいたというケースもあります。ついつい子どものことを思って暖かいものを着せてあげたくなるのはわかりますが、保育士としては、綿素材のインナー+着脱しやすい上着が一番理想的。汗を吸って、体温調節もしやすいため安心です。わが家の子どもたちも1年中タンクトップか半そでの下着を着用していて、肌着の衣替えはしたことがありません。

長そでの肌着は園による

園によって対応が異なることが多いのが「長そでの肌着」。園というより地域による部分も多いですが、私が今まで勤めてきた園では長そでの肌着は控えて下さいという園ばかりでした。理由としては、・子どもが着脱するのが大変・体温調整がしにくい・上着を着るときに袖が丸まって嫌がる特に長そでの肌着は暖かさを求めるためにキルト地だったり厚手だったりすることが多く、裏起毛同様暑くなりやすいです。遠足やおでかけで一日寒い戸外に出る……というのであればわが家も使うことはありますが、園内での活動であればそこまで寒くはないですし、散歩に行く時間帯は日が出て暖かいため、正直長そでの肌着を必要に感じたことはありません。ただ、園によってこの考えはちがうため、保育園に着用していいのかを確認しておくと良いですね。

「着替えさせてくれない園」どう伝えたらいい?

「裏起毛は暑くなりすぎると聞いたけど、うちの園はお着替えをほとんどしてくれないんです」「冬場は汗をかかないからお着替えをしないみたい……」園によっては、保育士の人数やタイミングの関係で「汗をかいていてもすぐに着替えさせられない」という事情があるかもしれませんし、小学生になると着替えの機会がグンと減るため、そもそも年長の冬は着替えないという園もあります。とはいえ、着替えることも生活の一部ですし、冬とはいえ活動で動いたり外から帰ってきたときは着替えてほしいという思いもありますよね。

お願いベースで伝える

希望を伝える際は、「こうしてください」と強く言うのではなく、「もし可能であれば」「ご負担にならない範囲で」といったクッション言葉を添えることで、保育士側も受け入れやすくなりますし、園長に提案もしやすいです。また、文章だと細かなニュアンスが伝わらないことがあるので、お迎えの際に直接担任に声をかけてもらえるのが一番。「最近、帰ってくると背中が汗で濡れていることが多くて……。肌も少しかぶれ気味で、もし汗をかいていたら着替えをお願いできると助かります」「皮膚科の先生からも汗をかいたらすぐに着替えるように言われていまして。ご負担がなければ、汗の状態に応じてお願いできるとありがたいです」など具体例を出すのもいいと思います。冬になると、あたたかそうな裏起毛の服やモコモコで可愛い服を見て、「寒いしこれで安心」と思って着せているご家庭も多いと思います。それが保育園で「裏起毛は避けてください」と言われることもあり、「え?どうして?」と戸惑ってしまうかもしれません。裏起毛や機能性インナーがすべて悪いというわけではなく、「着る場面」と「使い方」によって向き不向きがあります。園での活動と家庭での生活とでは、気温や運動量も大きく異なるため、どちらにも適した使い方を知って楽しく冬を過ごしたいですね。

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Blog:保育士ママのリアルな毎日

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