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令和女子も揺れる“2人の王子様” 12年経ってもときめく“年下男子”の色気<ラスト・シンデレラ>

  • 2025.12.28
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2024年撮影、『恋愛戦略会議』制作発表に登場した藤木直人(C)SANKEI

疲れが溜まるこの季節、年下男子と年上女子の恋を描いた作品に癒される人も多いはず。

生粋のラブコメウォッチャーであり、さまざまなサブスクにて時代を問わずラブコメをウォッチし続けている筆者が今回紹介するのは、2013年4月期の木曜劇場枠で放送されたドラマ『ラスト♡シンデレラ』(フジテレビ系)だ。

篠原涼子と藤木直人という、かつて「おやじ女子」と「毒舌な理解者」として一世を風靡した最強のタッグが、『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日』で12年の時を経て再び相まみえる。新境地を切り拓く二人の現在地から、改めて私たちの心を掴んで離さない『ラストシンデレラ』を今、改めて紐解く。

応援したくなるキャラクターが続出!王道ラブストーリー

『ラスト♡シンデレラ』とは、2013年4月期の木曜22時に放送されたドラマ。

女性であることを忘れてしまうほど、なりふり構わず仕事に没頭する現代の女性たちの中でも、過労やホルモンバランスの崩れから髪の毛が薄くなったり、男性のような濃いヒゲが生えてきてしまうという“おやじ女子”・遠山桜を主人公に据えたストーリー。

物語は、美容室『HAPPY-GO-LUCKY』吉祥寺店の副店長を務める39歳の独身女性・桜(篠原涼子)が、合コンパーティーで15歳年下のBMXライダー・佐伯広斗(三浦春馬)という“王子様”に出会うといった物語だ。しかし、桜の側には吉祥寺店の新店長に就任した、同期入社の立花凛太郎(藤木直人)という、もう1人の“王子様”もおり……という内容。

物語だけを紹介すると、まさにラブストーリーの王道を突き詰めたシンデレラストーリー。しかし、そんな風に単純ではないのが、この物語の魅力である。

例えば、桜の親友で専業主婦の武内美樹(大塚寧々)は姑との関係と夫とのセックスレスに悩んでいたり、もう1人の親友で肉食女子・長谷川志麻(飯島直子)は基本的に明るいのだが彼女特有の陰を持っていたり、お嬢様役で凛太郎に恋をしている・大神千代子(菜々緒)も少し根深い事情があったり……。登場キャラクター全員に「頑張れ!」と思ってしまうのが、この物語の良さの1つだと感じている。

アラフォー、年上女子・桜への共感

このコラムを書くにあたって、改めてドラマを見返したが、アラサー以上の働く女性はおそらく桜への共感度が高いだろうとも思った。

例えば、スタイリストとしての腕は確かでも、本社社長の萩原寿男(風間トオル)に「立花の店長就任が納得いかない」と直談判した際には「不満があるなら辞めろ」と言われてしまうなど。何かと“働く女”の理不尽と戦っているシーンも多い。

仕事を頑張っているだなんて、本来褒められることなはずなのに、どうして女性であるというだけでそれを煙たがられたり、厄介払いされたりしなければなのだろうと改めて感じさせた。

それに、恋愛においても年上女子ゆえの葛藤を見せる。

本当は出会った序盤から広斗のことを気になっていたのにも関わらず「こんな私といるなんて」「親子に見られちゃう」と自分の恋心を押さえ込む。10年以上恋愛していないことで臆病になっている姿は、いじらしくも「わかる!」と共感してしまうはずだ。

とにかく“メロい”ヒロくんか、腐れ縁の立花か

そんな登場人物の中でもピックアップして良さを伝えたいのは、2人の王子様である。

まず、パーティーで偶然出会い、桜に猛アプローチする“ヒロくん”こと広斗がとにかくメロメロになる程魅力的だ(今で言う「メロい」)。20代ゆえの無鉄砲な肉食っぷり、それでいて夢に向かって邁進する姿…。実は桜との出会いは、とある事情があって、仕組まれたものなのだが、いつしか彼の恋心は本物になっていく。

その過程が見える第5話のあたりから、桜といる時間を本気で楽しむ姿がかわいらしい。さらには、個人的ラブコメ史に残る9話でのプロポーズシーンは、もう、本当にあのシチュエーションを考え、そして実現させた全ての関係者に花束を送りたいレベルで良い。

セクシーで、甘酸っぱさも兼ね備えていて、それでいて大型犬のようなかわいらしさもあって…。あんなにパーフェクトな王子様を前に「桜、よくも“歳の差が……”と理性を働かせていたな……」と何度見ても感心してしまう。

だからと言って、同期入社の立花も捨てがたい。やはり、大人になればなるほど、生涯を一緒に遂げる相手は気を使わない相手、なんでも言い合える人というのにプライオリティを置いてしまうもの。

そう考えると、立花は桜にとって申し分のない相手なのだ。実際、2人の恋心は前半には書かれていないものの、物語の終盤に加速していく一幕も。果たして、ラスト11話で桜が選ぶのは、どちらの王子様なのか。見守ってほしい。


ライター:於ありさ
ライター・インタビュアー。サンリオ・アイドル・恋愛コンテンツ・お笑いが好き。マイメロディに囲まれて暮らしている。
X(旧Twitter):@okiarichan27