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21世紀初め、5人の個性が重なった“希望のノイズ” 派手ではないのに存在感があるワケ

  • 2025.12.28

「24年前の朝って、どんな空気だったか覚えてる?」

世紀が変わったばかりの2001年。まだ夜明け前の寒さが残る街には、新世紀を迎えたばかりの興奮と、不思議と混じり合う期待と不安が漂っていた。インターネットが急速に広がり、人々は“昨日とは違う未来”を実感し始めていた頃だ。そんな時代の温度を、そのまま音にしたような1曲がある。

SOPHIA『進化論 〜GOOD MORNING! -HELLO! 21st-CENTURY〜』(作詞・作曲:松岡充)――2001年1月17日発売

日付が象徴するように、この曲は“21世紀の入口”にそっと置かれた合図のようだった。

朝焼けの向こうにある“希望のノイズ”

『進化論〜GOOD MORNING! -HELLO! 21st-CENTURY〜』は、SOPHIAにとって14枚目のシングル。

リリース当時、バンドはドラマ主題歌や大規模ツアーなどを経験し、確かな存在感を掴みつつあった。そのタイミングで放たれたこの曲は、どこか肩の力を抜いたポップさと、ロックバンドとしての骨格の強さが同居していた。

軽やかに跳ねるギター。透明感のあるリズムの隙間を縫うように浮かぶメロディ。そして松岡充のボーカルが、朝の冷たい空気にまっすぐ響く。

大げさに煽らず、でも確かに前へ押し出してくる“初速の力”。その感触こそが、この曲を特別なものにしている。

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SOPHIAのボーカル・松岡充-2006年撮影(C)SANKEI

“SOPHIAにしか描けない”新世紀の入口

この曲の魅力の核心にあるのは、音の運び方の巧さだ。サビへ向かう階段のようなフレーズが自然と気持ちを引き上げ、聴き終わる頃には、まるで自分もどこかへ歩き出せるような気がしてくる。そこには、松岡充が作り続けてきた“人の背中をそっと押すメロディライン”の真価が宿っている。

歌詞のセンテンスの並びや語感だけでも、彼らが当時抱いていた“変わる世界へのワクワクと戸惑い”が確かに感じられるようだ。

SOPHIAのメンバー5人それぞれが持つ感性が、丁寧に混ざり合ったサウンドは、派手ではないのに存在感がある。厚みを出しすぎず、不要なものは削ぎ落としながら、“軽やかさの中に熱をにじませる”構築美が際立つ。

2001年という年に溶け込んだ、時代の匂い

この曲が放たれた2001年は、音楽シーンが大きく動いた年だった。ハードなロック、デジタルサウンド、アニメ主題歌の台頭など、多様なジャンルが入り混じり、J-POPが再び速度を増し始めていたタイミングだ。

そんな中で『進化論〜GOOD MORNING! -HELLO! 21st-CENTURY〜』は、過剰に時代を追わず、かといって懐古的にもならず、“SOPHIAの自然体”で21世紀を迎える姿を提示した楽曲だった。

それは同時に、ファンにとっての“バンドと一緒に歩く未来”を感じさせるメッセージでもあった。

24年経っても、朝の光を連れてくる

時代が変わり、音楽の聴き方もまったく様変わりした。だが、この曲が再生された瞬間にふっと胸の奥が明るくなる感覚は、今も変わらない。

『進化論〜GOOD MORNING! -HELLO! 21st-CENTURY〜』は、21世紀の入口でSOPHIAが置いていった一輪の花のような曲だ。色褪せないまま、聴くたびにそっと朝を連れてくる。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。