1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【まさか】「またなの?」ミス連発の後輩にイラッ。でも異常に震える後輩に違和感──実は驚きの理由があって

【まさか】「またなの?」ミス連発の後輩にイラッ。でも異常に震える後輩に違和感──実は驚きの理由があって

  • 2025.12.19

「……また?」半年間の不可解なミス。イライラしていた友人B子に、後輩が涙で明かした「隠された真実」とは。働く私たちに必要な「想像力と一歩踏み出す勇気」を学べるエピソードです。

画像: 【まさか】「またなの?」ミス連発の後輩にイラッ。でも異常に震える後輩に違和感──実は驚きの理由があって

「すみません」が響く、憂鬱な朝

「本当に申し訳ありません……」 消え入りそうな声で謝る後輩を見下ろしながら、私は深くため息をつきました。
「これで今週3回目だよ。提出する前に確認した?」

入社3年目の後輩。
以前はそこそこ仕事をこなしていたはずなのに、ここ半年ほどはまるで別人のよう。
請求書の桁間違い、メールの誤送信、会議時間の失念。
初歩的なミスのリカバリーに追われるB子の残業時間は増えるばかり。
「いい加減にしてよ」と喉まで出かかる言葉を、私は毎朝必死で飲み込んでいました。

単なる「スランプ」にしては、何かがおかしい?

しかし、理由が何であれ、ミスが続く状況で私自身も気持ちに余裕をなくしていたのは事実です。
怒りたい気持ちの一方で、どうしても拭えない違和感がありました。
注意をするたび、異常なほど怯える後輩。
顔面は蒼白になり、キーボードを打つ指先は小刻みに震えている。
視線も合わない時が増えていました。

「やる気がないわけじゃなさそうだけど……」 単なる能力不足やたるみではない、もっと切迫した何か。私のイライラは、次第に薄気味悪い不安へと変わっていきました。

忘年会の帰り道、ついに明かされた「震える理由」

転機が訪れたのは、会社の忘年会の帰り道。たまたま方向が一緒になった私と後輩。
冬の夜風が酔いを覚ます中、意を決して切り出しました。
「ねえ、最近何かあったのかな。責めてるんじゃなくて心配で」

単刀直入に聞きすぎたかな、と思いました。
長い沈黙の後、彼女は堰を切ったように泣き出し、衝撃の事実を口にしたのです。
「実は……最近外部コンサルとして来ている〇〇さん。私の前の会社の上司なんです」

話を聞くと、その〇〇氏は前職で彼女に対し、人格否定や怒号などの壮絶なパワハラを行っていた張本人だと言うのです。
「あの人の声が聞こえるだけで、体が竦んでしまって、また怒鳴られるんじゃないかって」

衝撃の事実に、私は息を呑みました。
後輩は、トラウマの元凶であるかつてのパワハラ上司と、偶然にも今の職場で再会してしまった。
社内で彼の姿や声を感じるたび、当時の恐怖がフラッシュバックし、頭が真っ白になって手が動かなくなっていた──それが、ミス連発の正体だったのです。

取り戻した「本来の姿」

「それは無理もないよ! よく耐えてたね」
すべての謎が解けた私は、翌日すぐに後輩の同意を得て、信頼できる上司に相談を持ちかけました。

会社の対応は迅速でした。
事情を知った上層部は、即座にそのコンサルタントの担当部署を変更し、後輩と接触しないよう動線を完全に分けたのです。

「あの人がいない」とわかった途端、重荷が下ろされたかのように後輩のミスは激減。
震えていた指先は自信を取り戻し、本来の丁寧な仕事ぶりが戻ってきたのです。

誰かの不調にイラッとした時、一呼吸おいて「もしかして?」と背景を想像してみる。
それが、働く私たちを救う一番の余裕なのかもしれません。
幸いにも私の職場では迅速な対応がありましたが、すべてのケースで同様の解決が望めるとは限りません。もし現在お困りの方は、社内の窓口や外部の専門機関への相談をご検討いただくのが良いかと思います。

【体験者:30代・女性・会社員、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

元記事で読む
の記事をもっとみる