「子供がやったんで」と謝らない親→店長が防犯カメラの映像を見せると、二度と来なくなったワケ【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

私の職場は、繊細なガラス細工や輸入雑貨を扱う小さなお店です。

ある平日の昼下がり、5歳くらいの男の子を連れた女性が来店されました。男の子は店内で騒ぎ回り、商品を触ろうとしていますが、母親はスマホに夢中で注意する様子もありません。

嫌な予感は的中しました。「ガシャン！」という激しい音が店内に響き渡り、駆け寄ると、数万円するアンティークの花瓶が倒れ、無残な姿になっていました。その横には怯える男の子と、仁王立ちする母親。

「お怪我はありませんか？」と声をかけようとした私を遮り、彼女は眉間に皺を寄せて言い放ちました。

「ちょっと、こんな高いものを子供の手の届く場所に置くなんて非常識じゃない？子供がやったんで、弁償なんて言わないわよね？これは店側の安全管理ミスでしょう？」

謝罪どころか、子供を盾にした逆ギレでした。あまりの言い分に私が言葉を失っていると、騒ぎを聞きつけた店長が現れ、冷静に対応しました。

「お客様、まずは状況を正確に把握する必要があります。今の瞬間の防犯カメラ映像を一緒に確認しましょう」

「見ても無駄よ、子供がぶつかっただけなんだから」と悪態をつく彼女を、店長は穏やかにモニターの前へ促しました。しかし、映し出された真実は彼女の主張とは真逆でした。

映像の中で、男の子は棚から離れた場所にいたのです。商品を派手に落としたのは、スマホを見ながら急に振り返った母親の大きなトートバッグだったのです。

さらに、彼女が割れた花瓶を見て、咄嗟に自分の子の背中を押し、罪をなすりつける瞬間まではっきりと映っていました。

「…お客様？ぶつかったのはお子様ではなく、あなたのバッグのようですね」

店長が冷ややかに告げると、彼女の顔はみるみる赤くなりました。

彼女は何も言い返せず、逃げるように代金をカウンターに置いて去っていきました。

その後、彼女を見ることはもうありませんでした。

自分の過ちを子供になすりつける親。防犯カメラは、そんな彼女の本性まで全て見ていたのです。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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