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【ファッション・アワード 2025】「パンドラ」が彩る夢のような一夜を潜入リポート

  • 2025.12.15
Hearst Owned

ファッション・アワードとは?

会場となった、ロイヤル・アルバート・ホール。 Shane Anthony Sinclair / Getty Images

現地時間2025年12月1日にロンドンで開催された「ファッション・アワード 2025」は、この1年間、ファッション業界で高い功績を残したクリエイターをたたえる表彰式。今年はアノック・ヤイが「モデル・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、ジョナサン・アンダーソンは「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を史上初の3年連続で獲得した。

「ディオール」のクリエイティブディレクター、ジョナサン・アンダーソンのスピーチ。 John Phillips / Getty Images
カーペットに登場したアノック・ヤイ。 Dave Benett / Getty Images

冠スポンサーを務める「パンドラ」が選ぶ「スタイル・モーメント・オブ・ザ・イヤー」は、モデル兼俳優のイマンがプレゼンターとして登壇し、BLACKPINKジェニーやドーチのスタイリストとして知られるサム・ウールフに授与された。

プレゼンターを務めたイマンとスピーチをするサム・ウールフ。 Shane Anthony Sinclair / Getty Images

1989年にスタートした本アワードは、「英国ファッション評議会(British Fashion Council:以下BFC)」が主催し、イベントで得た収益は奨学金や育成プログラムなど次世代のクリエイターの支援に還元される。近年は多様性、サステナビリティ、テクノロジーなど現代の価値観に沿った選定に注力しており、受賞者だけでなく彼らがどんなスピーチを行うかにも注目が集まっている。

「カルチャーイノベーション・オブ・ザ・イヤー」を受賞したリトル・シムズ。手に持っているのが「パンドラ」がアーティストと制作したトロフィー。 John Phillips / Getty Images

「パンドラ」は2023年にBFCとパートナーシップを締結して以降、年間を通じて技術支援を行うことでファッション業界の次世代育成のイニシアチブをとっている。

セレモニーでは、100%リサイクルシルバーを使用してアーティストと制作した、「パンドラ」によるトロフィーが用意された。才能の開花の瞬間を思わせる躍動的なフォルムには、自由・変化・感情の開放を象徴するような力強いメッセージが込められている。

豪華セレブや来場者のスタイリングをチェック

セレブリティの豪華絢爛(けんらん)なスタイリングも、ファッション・アワード の大きな見どころ。レッドカーペットには、ケイト・ブランシェットやシエナ・ミラー、パフォーマンスを披露したレイらが来場し、会場を華やかに彩った。

来場セレブの顔まわりや手元には、「パンドラ」のきらびやかなジュエリーが主役級の存在感を発揮。まばゆく光るラボグロウンダイヤモンドのイヤリングや、重ねづけしてボリュームを出したリングが、セレブレーションムードを加速させた。

「パンドラ」のバングルや、ラボグロウンダイヤモンドのジュエリーを着用したアレクサ・チャン。 Courtesy of Pandora
「パンドラ」のリングやブレスレット、バングルなどを着用したジョージア・メイ・ジャガー。 Courtesy of Pandora

イベントに招待されたプレスやインフルエンサーたちも、スタイリストのケイト・フォーリーとアレクサンドラ・コローナのアドバイスのもと、ドレスコードに合わせた「パンドラ」のジュエリーを選び、それぞれのスタイルを楽しんだ。

「ジュエリースイート」と名付けられた、プレスやインフルエンサーが「パンドラ」のジュエリーをセレクトするイベントの会場。 Courtesy of Pandora

スーパーモデル、イマンにインタビュー

「パンドラ」の“BE LOVE”キャンペーンモデルであり、「スタイル・モーメント・オブ・ザ・イヤー」のプレゼンターを務めたイマンに「エル」がスペシャルインタビュー。イマンが考えるファッションの未来やジュエリーの魅力を聞いた。

アワード前日に行われたランチョンイベントの際のイマン。 Courtesy of Pandora

――あなたにとって “スタイル” とは?
「真のスタイルとは、その人の感情やアイデンティティ、カルチャーが反映されたものだと思います。ファッションは、自分がどうありたいかを表現できるツール。大事なのは服そのものだけではなく、そこに込められた意図なんです」

――「ファッション・アワード」は若い世代のクリエイター支援にも力を入れています。次世代の活躍を見て、どんな可能性を感じますか?
「彼・彼女たちの可能性は無限です。この世代は恐れを知らず、ファッションをアクティビズムやテクノロジー、コミュニティと結びつけています。市場の流行ではなく、自分たちのリアルな経験や価値観から生まれたデザインは、トレンドではなくタイムレスになっていくんです」

アワードに登場したイマンは、「ハリス・リード」のドレスを着用。デザイナー本人もともに登場した。 Mike Marsland / Getty Images

――「パンドラ」は自己表現や個の物語を大切にしていますが、あなたにとって“自分を語るジュエリー”とは?
「ジュエリーは、記憶を形にしたもの。人生の節目に寄り添う存在です。愛した人たち、訪れた場所、学んだこと——そのすべてが刻まれています。『パンドラ』は、人生の物語を手にできるものだと思います」

――今日のアクセサリー選びにも、何か個人的な意味がありますか?
「毎日のアクセサリー選びに意味があります。故郷のソマリアに敬意を表すピースや、亡き夫のデイヴィッド・ボウイを思い出させてくれるものを身につけることが多いです。ジュエリーは過去と現在をつなぐ橋のような存在」

――ファッションの発展とサステナビリティの両立についてどう考えますか?
「ファッションは人の手によって作られていることを、私たちは忘れてはいけません。つくり手の尊厳が守られなければ、サステナビリティは成り立たない。ファッションの未来は、地球だけでなく、この産業に携わるコミュニティを尊重できるかどうかにかかっています」

世界的スターが指名するスタイリスト、サム・ウールフとは?

「スタイル・モーメント・オブ・ザ・イヤー」受賞者のサム・ウールフにも直撃取材! BLACKPINKジェニーやドーチなど、ファッション界の革新者たちのスタイリングを手がけてきた彼に、自身のスタイルやアーティストの衣装に込める意図を聞いた。

アワード前日に行われたランチョンイベントの際のサム。 Courtesy of Pandora

――今回の受賞について、率直な感想を聞かせてください。
「この賞を受賞できたことは本当にうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。正直、シドニー出身の“ごく普通の私”が世界的な舞台で大きな賞をいただけるなんて信じられず、夢のようでした。『パンドラ』やBFCのような業界をけん引する存在に評価してもらえたことは特別な経験です。新しい才能を支え続けてきたアワードで評価されたことは、私にとってとても大きな意味があります」

――「パンドラ」は“自己表現”と“個の物語”を重視していますが、アーティストの個性を引き出す際に特に意識していることは?
「アーティストが心地よさを感じつつもいかに自信を持てるかを理解することが大切だと思います。個性を強調するために奇抜なルックを探すというより、コラボ相手と私たちが語ろうとしているストーリーに合わせて、スタイリングを仕立てていくのが好きです」

「ファッション・アワード」でのサム。レザージャケットの下に仕込んだ「パンドラ」のカスタムブローチが輝きを放つ。 Gareth Cattermole / Getty Images

――アワードでのご自身のジュエリースタイリングのポイントを教えてください。
「ダイヤモンドのブローチをプラスすることで、クラシックでエッジの効いたルックを意識しました。さりげなくリュクス感を加えられたと思います」

――今後挑戦していきたいと考えていることは?
「最近はジェニーとコラボレートする機会が増えていて、彼女とより多くの仕事ができることを楽しみにしています。アジアのカルチャーについてもっと学んで、その領域に深く入り込んでいきたいと思っています」

ファッション・アワードの役割

サウスケンジントンにある「The Lavery」で開催。『パンドラ』のアイコニックなコレクションである“タリスマン”をテーマにした料理がふるまわれた。 Courtesy of Pandora

「ファッション・アワード 2025」前日には、「スタイル・モーメント・オブ・ザ・イヤー」をたたえるランチョンイベントが開催された。受賞者のサムとプレゼンターのイマンや、「パンドラ」のデザイナーであるクリエイティブデュオ、そして世界中のメディアが参加した。

2026年3月より新CEOとなるベルタ・デ・パブロバルビエ。 Courtesy of Pandora

乾杯のあいさつで「パンドラ」の新CEOとなるベルタ・デ・パブロバルビエは、「ファッションやジュエリーは単なる装飾ではなく、文化の一部として自分らしさや新たなアイデンティティ、個性を社会に向けて伝えるための言語になり得る」と、ジュエリーの役割について語った。

さらに、今回のファッション・アワードでの取り組みについて次のように続けた。「『パンドラ』の使命は、愛と情熱の伝え方や自己表現の方法をすべての人が自由に選べるように、サステナビリティを大切にしながら無限のクリエイティブな選択肢を生み出すことです。私たちの活動の原動力は創造性です。それをたたえるBFCとの協働を誇りに思い、スタイリストに光を当てる『スタイル・モーメント・オブ・ザ・イヤー』を新設しました」

Shane Anthony Sinclair / Getty Images

「パンドラ」は、ファッションを用いた自己表現の方法を私たちに提供している。その「パンドラ」がサポートする「ファッション・アワード 2025」では、熱気あふれるレッドカーペットや受賞者の顔ぶれ、そして賞に携わる人々の言葉から、時代が求める価値観と、混沌(こんとん)とした社会を照らすファッションのポジティブな役割を再認識できる。2025年に活躍したクリエイターが今後どのような創造性を生み出すのか、楽しみに見守りたい。

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