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国立大学の授業料〝安い〟時代はもう終わり⁉ 10万円超の値上げに批判や懸念の声 背景に厳しい経営事情

  • 2025.12.11
国立大学の授業料が、じわじわと上がっています。
国立大学の授業料が、じわじわと上がっています。

国立大学の授業料が、じわじわと上がっています。

名古屋工業大学、埼玉大学、山口大学、電気通信大学の国立4大学は、2026年度の新入生から授業料を引き上げることを決めました。

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現在の年間53万5800円から、なんと64万2960円へ。

10万円以上の値上げです。

なぜ値上げ?限度額いっぱいまで引き上げ

国立大学の授業料は文部科学省令で定められています。53万5800円を標準額として、20%まで増額することが認められており、今回の4大学は限度額いっぱいまで引き上げた形です。

山口大学の谷沢幸生学長は「電気代の高騰や賃上げといった社会情勢の変化が重くのしかかっている」と背景を説明しています。

大学も経営が厳しいという現実が見えてきます。

値上げラッシュ、今後も続くの?

実は、値上げに踏み切った大学は今回が初めてではありません。元年度(2019年度)以降、東京大や一橋大などがすでに値上げを実施。現在、全国85の国立大学のうち10校が標準額を上回っています。

学生団体などの反発を招かないよう、水面下で検討している大学も複数あるとのこと。今後も値上げの動きは広がるとみられています。

文科省も動き出す

文部科学省は、大学への交付金増額を目指すと同時に、授業料の抜本的な見直しも急いでいます。平成19年度(2007年度)に現在の仕組みになって以降、20年近く据え置かれたままになっているためです。

今年度中に検討会を設置し、令和10年度(2028年度)からの実施を目指して、適正な授業料について議論を深める方針です。

留学生の授業料はさらに高額に

ちなみに、留学生の授業料については別の動きがあります。受け入れの際の生活支援など、さまざまな費用が発生するため、上限を設けずに設定できるようになりました。東北大は令和9年度(2027年度)から年間90万円に引き上げることを決めたほか、複数の大学が値上げを検討しています。

国立大学の授業料が「安い」という時代は、変わりつつあるのかもしれません。

SNS上の反応

emogram編集部では、この話題に対するSNS上の反応を分析しました。

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コメントは政府批判、教育格差への心配、財源再配分の提案という3つの傾向に分かれました。

いちばん多かったのは政府・財務省への批判です。予算が足りないことを指摘する声も目立ちました。

印象的だったのが親世代との比較です。50~60代が学生だった頃は私立大学でも授業料は親の年収の5%以内だったという指摘があり、平均年収が下がる中での値上げへの批判が相次ぎました。

次に多かったのが教育格差への心配で、経済的な理由で進学をあきらめる若者が増えることや、教育へのアクセスが難しくなることを心配する声が寄せられています。

提案としては、留学生の学費を上げることや、私立大学への補助金を減らして国立大学に回すべきでは…という意見が目立ちました。また、氷河期世代からは在籍当時と比べて倍以上になっているという世代の差を実感する声も見られました。

ライターコメント

日本は教育費が本当に高いですよね。我が家には小学生の子供が2人いますが、学費のことを考えると頭が痛くなります。国立大学の学費、私立に比べればまだ安い方だと思いますが、国立は難関。受験対策に結局お金がかかりそうな気がしてなりません。国には、もう少し子育て世帯の負担を軽くする施策を期待したいところです。

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