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「NHKの神アニメ」「完成度があまりに高すぎる」放送終了から19年 “伝説作”と語り継がれる『至高の一作』

  • 2026.1.7

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“絶大な人気を誇る名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第5弾として、アニメ『電脳コイル』(NHK教育テレビジョン)をご紹介します。『葬送のフリーレン』『HUNTER×HUNTER』などを制作したマッドハウスが手がける名作です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局)アニメ『電脳コイル』(NHK教育テレビジョン)
  • 放送期間:2007年5月12日~2007年12月1日

時は202X年、今よりもちょっと未来。子どもたちの間で、“電脳メガネ”が大流行していました。電脳メガネは、街のどこからでもネットに接続し様々な情報を表示する機能を備えた、子どもたちになくてはならないアイテムです。現代の携帯電話のように普及し、ほぼ全ての子どもが持っています。そして、由緒ある神社仏閣が建ち並ぶ古都でありながら、最新の電脳インフラを擁する地方都市・大黒市を舞台に、物語が展開していきます。

主人公・小此木優子(CV:折笠富美子)は、小学校最後の夏休みを目前に、父の仕事の都合で大黒市に引っ越すことになります。そこで出会ったのは、もうひとりのユウコ・天沢勇子(CV:桑島法子)でした。同じ名前で同じ歳ですが、全くタイプの違う2人。新しい学校で個性豊かな子どもたちと出会い、電脳空間で次々に巻き起こるフシギな出来事を体験していくことに……。

楽しさのなかに浮かび上がる哲学的なテーマ

『電脳コイル』の最大の見どころは、近未来SFと子どもの日常が驚くほど自然に溶け合っている点にあります。電脳メガネが当たり前に普及した街を舞台に、仮想空間と現実が重なり合う世界で子どもたちは放課後に集まり、電脳ペットを追いかけ、禁止エリアに忍び込み、ちょっとした冒険を繰り返します。そのワクワク感は、まるで秘密基地で遊んでいるかのようです。

物語が進むにつれ、電脳ガジェットの楽しさだけでなく、存在するとはどういうことかといった哲学的なテーマが浮かび上がってくるのも本作の魅力です。消えてしまった存在を巡るエピソードは、ホラーやミステリーの趣をじんわりとまとっています。

キャラクターの描き方も特筆すべき点。明るく行動的なヤサコ(優子)、クールで影を抱えたイサコ(勇子)をはじめ、子どもたちは皆、未熟さを抱えながら成長していきます。友情や対立といった感情もリアルに描かれ、大人の視聴者にも深い共感をもたらすのです。

2007年放送ながらも未来を見越す“先見性”

『電脳コイル』についてSNSでは「NHKの神アニメ」「完成度があまりに高すぎる」「伝説作」との声があがりました。本作は、2007年放送とは思えないほど未来を見越した設定が目を引きます。AR技術や情報社会の危うさを先取りした描写は、現代の私たちが観ることで、より一層リアリティを帯びて響いてくるのです。この先見性が、NHKの最高傑作と称される完成度を作り上げています。

また、本作を手がけているのはアニメーション制作会社・マッドハウスです。マッドハウスは『チ。―地球の運動について―』『葬送のフリーレン』『DEATH NOTE』『HUNTER×HUNTER』など、数々の高い評価を得ているアニメ作品を制作しています。そして『電脳コイル』からも、他作品に通ずるマッドハウスの確かな手腕が感じられるのです。そのため、リピーターも相次いでいます。

笑って、すこし怖がって、最後には優しい余韻に包まれる『電脳コイル』。ゆっくり腰を据えて観るほど、その真価がじんわりと伝わってくるでしょう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari