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「傑作としか言いようがない」「全人類みて」放送から9年、NHK史に刻まれる『至高ドラマ』

  • 2026.1.6

NHKが制作するドラマは、その丁寧な作り込みと深いメッセージ性で多くの視聴者から高い評価を受けています。猫との優しい時間を通じて、人生の小さな希望を照らし出す物語もそのひとつです。今回は、そんな「最高傑作と称されるNHKドラマ」をご紹介します。本記事では、2017年放送のドラマ『ブランケット・キャッツ』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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映画『寝ても覚めても』初日舞台挨拶に出席した唐田えりか(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ブランケット・キャッツ』(NHK総合)
  • 放送期間:2017年6月23日~8月4日
  • 出演者:西島秀俊、吉瀬美智子、島崎遥香、唐田えりか、酒井美紀、美保純ほか

ドラマ『ブランケット・キャッツ』は、家具の修理を生業にする男が、亡き妻の残した猫たちの行き先を探すところから動き出す物語です。猫は店に「預けられる」のではなく、新しい飼い主になり得る人のもとへ、短い“お試しの同居”として迎え入れてもらう形で旅立っていきます。

そのたびに、猫には決まって一枚の毛布が添えられます。迎える側は、仕事や家族のすれ違い、喪失感、孤独など、それぞれの事情を抱えています。けれど、言葉で整理しきれない心の乱れが、猫の気ままな距離感や体温によって、少しずつほどけていきます。

また、猫を託す側の人物たちも、毎回の出会いと別れを通して、自分の痛みや後悔に向き合わざるを得なくなります。猫が誰かの家に滞在する数日間は短いのに、そこに生まれる変化は確かで、静かに次の一歩を後押ししてくれる、そんな連作のような温もりが積み重なっていく作品です。

西島秀俊さんと猫が紡ぐ、至福の映像美

本作が「最高傑作」と称される理由のひとつは、西島秀俊さんと猫たちが織りなす映像の完成度の高さにあります。無骨な家具職人を演じる西島さんが、7匹の猫たちと静かに触れ合うシーンは、視聴者の心を穏やかに満たしてくれました。

Xでは、「傑作としか言いようがない」「全人類みて」といった声が寄せられました。猫好きにはたまらない映像と、丁寧に描かれる人間ドラマが見事に調和し、毎週金曜夜の癒しの時間として多くの視聴者を魅了したのです。

原作者・重松清さんの傑作短編小説を、脚本家・江頭美智留さんが映像化に適した形へと丁寧にアレンジ。静かなトーンの中に、深い感動が込められた作品として仕上がりました。

唐田えりかさんの清廉な存在感が光る

本作のもうひとつの見どころは、さくら食堂の看板娘・佐伯さくら役を演じた唐田えりかさんの好演です。作品世界を支える存在として登場するさくら役は、母・奈緒子(美保純)が営む食堂で働く気配り上手な娘。登場人物が立ち寄る食堂のシーンに温かみを添える、重要な役どころでした。

唐田さんは当時19歳という若さながら、その透明感のある佇まいと自然体の演技で視聴者の印象に残りました。Xでは「唐田えりかちゃんが出てるからみた」「可愛すぎ」といった投稿も見られ、可愛らしさと清潔感を兼ね備えた彼女の魅力が多くの人々の心を掴んだことがうかがえます。

テレビCMを中心に認知を広めていた唐田さんにとって、本作は女優としてのキャリアを着実に築く重要なステップとなりました。さくら食堂という温かい場所で、優しく微笑む彼女の姿は、作品全体の柔らかな雰囲気を一層引き立てていたのです。

心にじんわりと響く優しさに満ちた名作

ドラマ『ブランケット・キャッツ』は、重松清さんの原作が持つ繊細な人間描写と、猫との触れ合いがもたらす癒しを見事に融合させた作品でした。西島秀俊さんの静かな存在感、吉瀬美智子さんの温かな演技、そして島崎遥香さんや唐田えりかさんら若手俳優陣の好演が、物語に深みを与えています。

全7話で、各話ごとに異なる事情を抱えた人々の物語が描かれます。それぞれ異なる人生の困難に向き合う人々を丁寧に映し出しました。猫を通じて見えてくる小さな希望、ほんの少しの勇気。派手な演出はないものの、心にじんわりと響く優しさに満ちた本作は、まさにNHKドラマの最高傑作と呼ぶにふさわしい一作です。矢野顕子さんの主題歌『Soft Landing』も、作品の余韻を美しく彩っています。視聴後には、きっと誰かに優しくしたくなる、そんな温かな気持ちに包まれることでしょう。


※記事は執筆時点の情報です