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「絶対やめてほしい…」人気漫画の実写化にファン騒然→だけど「傑作確定」公開前から反応を一変させるファンが相次いだワケ

  • 2025.12.31

物語に深く心を打たれ、生涯忘れられない作品があります。今回は、そんな中から"称賛の声が止まない名作"を5本セレクトしました。

本記事ではその第1弾として、漫画『ルックバック』(集英社)をご紹介します。藤野と京本――漫画に人生を賭けたふたりの少女の物語が世界中のクリエイターを唸らせた理由とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名:漫画『ルックバック』(集英社)
  • 公開日:2021年7月19日

小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画の枠を担当していました。ところがある日、先生の頼みで不登校の生徒・京本にその一枠を譲ることになります。

しかし、掲載された京本の作品を見た藤野は、その圧倒的な画力に衝撃を受けました。クラスメイトたちからも絶賛の声が上がります。自分より絵がうまい同級生がいることが悔しく、必死に絵を勉強する藤野。しかし、京本の才能のすごさを痛感し、卒業が近づくころには、すっかり漫画を描かなくなっていました。

そんなある日、先生から不登校の京本の家に卒業証書を届けてほしいと頼まれます。

そこで京本に漫画を褒められ、京本が自分の4コマ漫画のファンだと知った藤野。漫画を描かなくなった理由を聞かれた彼女は、とっさに「賞に出すため」と嘘をついてしまいます。京本に「できたら見せる」と約束した藤野は再び漫画を描くことに。

やがて2人は「藤野キョウ」というペンネームで作品を投稿し、一緒に漫画を描きはじめるのですが――。
ある事件が2人の運命を狂わせるのでした…。

“歴史的読切漫画”――公開初日に300万ビューを記録

漫画『ルックバック』は、2021年7月19日、『チェンソーマン』で知られる藤本タツキさんが漫画配信サイト「少年ジャンプ+」で発表した143ページの読切漫画です。公開されるやいなや、初日に閲覧数250万超、2日目には400万を突破するという異例の反響を呼びました。

漫画家や映画監督など、第一線で活躍するクリエイターたちがこぞって絶賛し、業界全体に激震が走った本作。その圧倒的な完成度から、“このマンガがすごい!2022”オトコ編で第1位を獲得し、“マンガ大賞2022”でも第2位を受賞するなど高い評価を受けました。

その後、2024年に公開された劇場アニメ版(押山清高監督)もまた、伝説を更新します。わずか119館という小規模公開ながら、口コミで熱狂が広がり、興行収入は20.4億円に達する大ヒットを記録。 原作の構成を尊重し、あえて58分という短尺で物語を描き切った制作陣の姿勢には、潔さと誠実さが感じられます。

作品は第48回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞を受賞、2024年にフランスで開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭の新設部門で上映され、その後世界33の国と地域でも劇場公開されるなど、国内外で高い評価を受けました。

不安の声から一転――実写化映画に喜びの声…そのワケとは?

発表から約5年の時を経て、漫画『ルックバック』の実写映画が2026年に公開されることが決まりました。

監督・脚本・編集を務めるのは、『万引き家族』で第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した是枝裕和さんです。

公開された特報映像では藤野と京本を演じる俳優の後ろ姿や横顔が映し出されていますが、現時点(2025年12月)でキャスト名は“未発表”。

撮影は2025年2月から11月にかけて、冬・春・夏・秋と長期にわたって行われました。すでにクランクアップを迎えていますが、誰がこの2人を演じているのかは明かされていないため、現段階で公開されているのは、漫画を描く手元や、藤野と京本の背中を映した映像のみです。

当初、ファンの間では「原作の世界観を壊さないでほしい」「実写化は無理」「絶対やめてほしい…」といった不安の声が多く寄せられていました。ところが、監督・脚本・編集を是枝さんが務めることが発表されると、状況は一変。世界的な巨匠の参戦に、SNSでは「是枝監督なら期待できる」「絶対成功する」「傑作確定」といった、熱い期待が一気に広がりました。

この反応こそが、本作がどれほどファンに大切にされ、そして是枝裕和さんというクリエイターがどれほど信頼されているかを物語っています。

藤野と京本という、正反対ながらも漫画で繋がった2人の絆。そのあまりにも純粋でパワフルな物語は、メディアの垣根を越えて、多くの原作ファンに愛されています。

創作の喜び、葛藤、そして深い喪失――。藤本タツキさんの渾身の物語が、是枝裕和さんという最高の監督を通して実写化される本作。「傑作になるべくしてなる」――そんな予感を抱かせる『ルックバック』の公開に期待が高まります!


※記事は執筆時点の情報です