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『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で“さらなる人気”を獲得した名優…26歳の頃に立ちはだかった壁

  • 2025.12.17

作品ごとにまったく異なる表情を見せ、見る人の心を一瞬でつかむ俳優がいます。今回は、そんな中から"破格の名演で魅せる演技派俳優"を5名セレクトしました。本記事ではその第3弾として、竹内涼真さんをご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

経歴

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テレ朝開局65周年記念ドラマキャスト発表イベントに出席した竹内涼真(C)SANKEI

竹内涼真さんは、東京都出身の俳優です。叔父の影響で幼少期からサッカーを始め、高校時代には『東京ヴェルディユース』に所属するほどの実力の持ち主でした。しかし、怪我や周囲との実力差という現実に直面し、プロへの道を断念。サッカーとは異なる「芸能界」という新たなフィールドで成功をつかみ取ろうと決意しました。そして2013年、オーディションで見事グランプリを獲得し、デビューを果たします。

翌2014年には『仮面ライダードライブ』の主演に抜擢され、一躍ブレイク。その後も『下町ロケット』や『陸王』といった日曜劇場作品を通して、“誠実な好青年”としての地位を確立します。

順風満帆に見えたキャリアですが、26歳の頃にはスランプに直面したといいます。そこで仕事への意識を変え、『君と世界が終わる日に』などの話題作で、これまでのイメージとは異なるタフな演技を披露。現在はドラマ、映画、ミュージカルと多岐にわたるジャンルで、日本を代表する俳優として活躍しています。

躍進を続ける現在地

竹内涼真さんは現在、これまでのイメージを覆す新たな挑戦を続け、目覚ましい躍進を見せています。2025年10月期放送のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)では、“亭主関白な化石男”という役どころでコミカルな演技を披露。TVerとTBS FREEでの初回総再生回数がTBS火曜ドラマの歴代1位を記録する大ヒットとなりました。

さらに、この冬、世界独占配信となるNetflix映画『10DANCE』では、ラテンダンスの日本チャンピオン役に挑戦 。年が明けた2026年1月からは、主演ドラマ『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)で、過去の秘密を抱える刑事役としてヒューマンラブミステリーという新境地に挑みます。

また、2026年4月には5年ぶりとなる主演ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』の上演も決定しており、詐欺師の伝道師役として、ブロードウェイの楽曲を歌い上げる予定です。映像から舞台まで、その勢いは止まることを知りません。

サッカーでの挫折、そして「26歳の壁」

今でこそ国民的俳優として輝く竹内涼真さんですが、その原点は「サッカーでの挫折」にありました。

高校時代、プロサッカー選手を目指してユースチームに所属していましたが、怪我や、先に昇格していく友人たちを見て「逃げる自分」がいたといいます。しかし、当時のキャプテンからチームにおける自身の存在価値を認められたことで前を向き、その悔しさをバネに芸能界という新たなフィールドへ飛び込みました 。

デビュー後は『仮面ライダードライブ』や『陸王』などでブレイクを果たしますが、26歳の時に再び大きな壁に直面します 。自身の演技に納得がいかず、基礎不足を痛感して、行き詰まってしまったのです 。

そこで竹内さんは、自分は何のために演じているのかを自問自答し、「いい作品を作りたい」という原点に立ち返りました。スタッフや共演者と密に対話を重ね、チーム一丸となって作品を作り上げるスタイルへと意識を変革 。こうした変化が、後の『君と世界が終わる日に』などで見せた、深みのある演技へと繋がっていきました 。かつてサッカーで味わった悔しさが、今や竹内さんを突き動かす大きな原動力となっているのです。

今観るべき出演作品

竹内涼真さんの魅力を語るうえで欠かせないのが、爽やかな好青年から泥臭いサバイバー、そしてコミカルなダメ男まで演じ分ける「振り幅」です。ここでは、彼の俳優としての進化を堪能できる“今観るべき代表作”を4本ご紹介します。

『仮面ライダードライブ(テレビ朝日系)』(2014年)
シリーズ初のバイクではなく「車に乗るライダー」として話題を呼んだ出世作 。熱血刑事・泊進ノ介を演じ、多くの特撮ファンに愛されました 。

『陸王(TBS系)』(2017年)
怪我に苦しみながらも再起をかける陸上選手・茂木裕人を熱演。自身のサッカー時代の挫折と重ね合わせたような役柄は、視聴者の涙を誘いました。挫折を知るからこその強さと、周囲への感謝を体現した、俳優・竹内涼真の成長を象徴する一作です。

『君と世界が終わる日に(日本テレビ系)』(2021年〜)
終末世界を生き抜くサバイバルドラマ。
竹内さん自身も思い入れを語る、渾身の代表作です。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ(TBS系)』(2025年)
これまでのイメージを覆す最新ヒット作。亭主関白な“化石男”が料理の厳しさに直面し、悪戦苦闘する姿が「可愛い」と話題に。コミカルな演技を通じ、価値観をアップデートして成長していく様を見事に表現しました。

「果てまでの景色」を目指して

デビューから10年以上を経て30代を迎えた今も、自身はまだスタートラインに立ったばかりだという謙虚な姿勢を崩さない竹内涼真さん。その根底には、かつてサッカーで掴めなかった夢を、俳優という道で必ず成し遂げようとするハングリー精神が息づいています。
日本国内のみならず、世界という新たなフィールドへ果敢に挑むその姿に、ますます期待が高まります!


※記事は執筆時点の情報です