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「宝物のようなドラマ」「唯一観てた」12年前 “圧巻の作品力”で日本の朝を彩った『NHKの名作』

  • 2025.12.31

美しい言葉や理想だけでは割り切れない、人の心の奥底に渦巻く嫉妬、欲望、そして孤独。人間の清濁を併せ呑むような本質や、一筋縄ではいかない複雑な関係性を生々しく描き出し、観る者に深い問いを投げかける作品の数々。今回は、そんな“綺麗事では終わらない人間模様を描いた作品”5選をセレクトしました。

本記事では第4弾として、2013年放送のドラマ『ごちそうさん』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“綺麗事では終わらない人間模様を描いた作品”ドラマ『ごちそうさん』

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国連WFP親善大使就任発表会に出席した女優、杏(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):連続テレビ小説『ごちそうさん』(NHK総合)
  • 放送期間:2013年9月30日~2014年3月29日

あらすじ

東京出身で食いしん坊な女性・卯野め以子(杏)は、偏屈な性格をした大阪男の西門悠太郎(東出昌大)と出会い、恋に落ちます。やがて彼と夫婦となっため以子は、大阪へと移り住むことになります。

大正から昭和という激動の時代を背景に、愛する夫である悠太郎への想いと料理への情熱を貫き通し、「ご飯の力」で周囲の人々を元気づけていくヒロインの姿を描いた物語―。

ドラマ『ごちそうさん』の見どころ ※ネタバレあり

NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』は、食いしん坊のヒロイン・め以子が、東京から大阪の婚家に嫁ぎ、食を通じて激動の時代をたくましく生き抜く姿を描いた物語です。特に視聴者の間で大きな注目を集めたのが、キムラ緑子さん演じる小姑・和枝による凄まじい“嫁いびり”でした。SNSでは「最強に怖かった」「一発目から嫁姑問題が勃発」といった声が上がっているように、執拗な嫌がらせや冷徹な言動の数々は、朝ドラの枠を超えた緊張感を作品に与えました。しかし、この過酷な環境にめ以子が「食」の知恵と根性で立ち向かっていく姿が、物語に強い推進力をもたらしました。

また、本作は半年間にわたる長期放送でありながら、全編を通して高いクオリティを維持し続けた点も高く評価されています。SNSでは「一番中だるみが無くて楽しい」「宝物のようなドラマだった」「唯一観てた」と評される通り、関東と関西の文化の対比や、戦争という困難な時代における食の大切さを描いた脚本の妙が光る作品。単なる料理ドラマに留まらず、家族の愛や絆、命を繋ぐことの尊さを丁寧に描き切ったストーリーは、放送終了後も多くのファンの心に深く残り続ける、まさに名作と呼ぶにふさわしい一作です。

杏が体現した食と愛に生きるヒロインの真髄

食をテーマに激動の明治・大正・昭和を駆け抜ける物語『ごちそうさん』において、食いしん坊なヒロイン・卯野め以子を演じたのが杏さんです。杏さんが本作で挑んだのは、東京の洋食屋の娘として生まれ、大阪の格式高い旧家に嫁ぎながら、持ち前の「食」への情熱で家族の絆を繋いでいくという難役。女学生時代の瑞々しさから、戦火の中で家族を守り抜く母親としての力強さまでを繊細に演じ分け、そのひたむきな姿は視聴者の心に深い感銘を与えました。

そんな情熱溢れるキャラクターを演じきった杏さんの演技は、放送当時から現在に至るまで高く評価されています。SNSでは「ごちそうさんで開花した」といった声が上がっているほか、時には頑固で食欲に忠実な人間味溢れる姿に対し、「健気過ぎない演技が良かった」といった声が寄せられるなど、杏さんの持つ豊かな表現力が本作の魅力となりました。

ドラマ『ごちそうさん』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“究極の食と愛の物語”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です