次に迎えたい定番品、ヴァレンティノの新作「パンテア」バッグ

どことなく漂うヴィンテージらしさとリッチな雰囲気が魅力的なヴァレンティノ（VALENTINO）の新作「パンテア」バッグが、早くもイットバッグ化と定番化の兆しを見せている。

彫刻的なディテールとアンティークゴールド仕上げのハードウェアが目を引く「パンテア」の特徴は、フロントパネルやサイドにあしらわれた、2匹のパンサーを象ったクリスタル付きのディテール。チェーンハンドルの留め具でもあるこのエナメル加工のパンサーは、メゾンの歴史に深く根ざしたもので、1967-68年秋冬オートクチュールコレクションでミカドシルクのチュニックドレスのプリントとして初めて展開された。以来、シルクスカーフやベルトバックル、ミナディエールやビジューなどのアクセサリーに姿を変えて登場している。

現クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが「Le Méta-Théâtre Des Intimités」と題された2025-26年秋冬コレクションで発表した「パンテア」バッグは、2026年クルーズコレクションでも大いに存在感を放った。ブルジョワとアンダーグラウンドの精神を融合させたデザインはコントラストが美しく、ランウェイでもフォーマルとカジュアルといった相反するテイストを掛け合わせた、意外性に満ちたスタイリングが披露された。

サイズはスモールとミディアムの2種展開で、ブラック、ツンドラ、ベージュの3色はマットとワックス加工がされたふたつのナッパレザーを使用。スエードとパイソンを組み合わせたモデルもあり、どれも洗練されたシェブロンパターンが微妙に異なるレザーの色合いやテクスチャーのコントラストを引き立てている。取り外し可能なレザーのショルダーストラップの表面にはアイレットが施されており、それがバッグ全体に現代的な雰囲気をプラス。シーンもコーデも選ばない、万能なデザインとなっている。

ローンチされるや否や「パンテア」は各国で人気を集め、ファッショニスタやベラ・ハディッドをはじめとするセレブたちが、早くもストリートやオフデューティスタイルに取り入れている。クラシックなリボン付きシャツとテーラードパンツルックを披露したアルバ・ロルヴァケル、ビビッドなボイラースーツを颯爽と着こなしたアン・ハサウェイ、レディライクなアイテムで固めたラナ・デル・レイに、モードなストリート系のコーデを組んだリアーナ。その全員が「パンテア」を提げており、それぞれのバラエティ豊かなファッションが「パンテア」の多面的な魅力を物語っている。

Text: Laura Tortora Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.IT

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