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アウトドアで“防災力”を鍛える! 秋キャンプで学ぶ、生き抜く力

  • 2025.11.12

秋のキャンプは、自然と触れ合いながら「遊び」と「学び」を両立できる貴重な機会です。テントの設営や焚き火、野外での食事など、普段の生活と異なる経験を体験する中で、災害時にいかせる生活力や判断力を自然に身につけることができます。

この記事では、キャンプを楽しみながら防災力を高めるための具体的な方法や、用意しておくと便利なアウトドア兼用防災グッズをご紹介します。

なぜ「アウトドア×防災」なのか?

災害は予期せぬタイミングでやってきます。地震や豪雨、停電、断水など、日常生活が一変する状況を想定して備えておくことは、いざというときに落ち着いて行動するために重要です。

非日常の環境で生活するキャンプは、防災にいかせるスキルが身につきます。限られた水や電力を工夫して使い、火を起こして調理する体験は、災害時に役立つトレーニングになります。

キャンプで鍛えられる“防災スキル”とは?

キャンプは、普段と異なる環境での生活を体験できる絶好の機会です。限られた資源を工夫して使う力や、安全に火を扱い食事を作る力、衛生面の対策や暗闇での行動、寒さへの対応など、災害時に必要な力を身につけられます。

複数人でのキャンプの場合、家族や仲間と協力しながら取り組むことで、判断力や協力する姿勢を養い、特にお子さんの場合は「自分も役立てる」という自信を得られるでしょう。キャンプを楽しみながら「遊び」を「学び」として習慣化できます。

普段と異なる環境で生活する工夫

普段の暮らしとは異なり、限られた状況で快適に過ごすためには工夫が大切です。

例えば、モバイルバッテリーやソーラー充電器を活用してスマートフォンやランタンの電源を確保するなど、状況に合わせて行動する力が身につきます。

キャンプを通じて、どのようなスキルが身につくかをみていきましょう。

飲料水の確保、たき火での調理

キャンプでは、安全な飲み水を確保し、屋外で火を使って食事を作る体験ができます。携帯浄水器による水分の確保や保存方法を体験しておくと、災害時の対応に役立ちます。

焚き火やバーナーでの調理は、火の扱い方や料理の順序を学ぶ良い機会です。また、薪の組み方や火力の維持方法、調理器具の使い方を試すことで、限られた環境で食事を作る工夫が自然に身につきます。

また、食材や調味料の管理も学べるため、ローリングストックや非常食の活用法を体験的に学ぶ場としても役立ちます。

なお、食べ物の匂いで動物を引き寄せないように、食料は密閉・吊り下げ保管するなどの
対策が必要です。

衛生管理

キャンプでは、限られた水で清潔を保つ工夫が必要です。手洗いが難しい場合はアルコールスプレーやウェットティッシュを活用したり、紙皿などを使って食器の使い回しを避けたりと、衛生を維持する意識が自然に高まります。

食中毒防止やけがの予防などの経験は、災害時の避難生活に応用できます。また、ゴミの分別や廃棄方法も学ぶことで、衛生管理の習慣が身につくでしょう。

暗闇での行動

夜間の避難や停電を想定することで、暗闇で「どう行動するか」を学べます。

夜のキャンプ場は予想以上に暗く、安全に行動するために照明が欠かせません。LEDランタンやヘッドライトなどで足元やテント内を明るくすることが大切です。

光源の使い方や電池残量の管理、明かりを共有する方法など、限られた資源で安全に過ごす工夫が身につきます。

防寒対策

秋や冬のキャンプは昼夜の寒暖差が大きく、重ね着や寝袋の選び方、カイロやアルミブランケットの使い方を学ぶことで、防寒スキルを高められます。夜間の防寒を工夫することで、安心して睡眠をとることも可能です。

災害時には暖房が使えない状況も想定されるため、体温を逃がさず、風や湿気を防ぐ工夫を事前に学ぶことが大切です。寒さを体験しながら調整することで、体調管理に役立ちます。

実際に揃えておくとよいアウトドア×防災グッズ

キャンプで使うアウトドア用品は、防災グッズとしても活用できます。モバイルバッテリーやLEDランタン、手回しラジオなど、日常的に操作や使い方に慣れておくと、いざというときにも落ち着いて対応できるでしょう。

キャンプと兼用できるアイテム

キャンプと防災の両方で活用できるアイテムは、日常的に使い慣れておくことで非常時にも慌てず対応できます。

▼ポータブル電源
バッテリーは容量500w~1000w程度のものを選ぶとよいでしょう。スマホやランタンを充電できます。また、ソーラー充電器も有用です。

▼LEDランタン・ヘッドライト
長時間点灯可能で、明るさの調整ができるタイプが便利です。テント内や夜間移動時に安全な明かりを確保できます。

▼手回しラジオ
ラジオは情報収集に役立ちます。ライト機能がついていると、災害時にも役立つでしょう。キャンプで使いながら操作方法を覚えておくと安心です。

▼防水バッグ・ケース
雨や水からスマホや貴重品を守ります。川遊びや雨天時に役立ちます。

ローリングストックと相性のいいキャンプ用食品

アルファ米やフリーズドライ食品などの保存食品は、キャンプでも災害時でも活用できます。

▼アルファ米
お湯や水で簡単に戻せるため、停電時にも調理しやすいです。

▼レトルト食品
温めるだけで食べられるため、調理器具が限られていても安心です。

▼フリーズドライ食品
軽量で荷物の負担にならないことが利点です。

ローリングストックとして日常的に入れ替えることで、賞味期限切れを防ぎつつ備蓄を維持できます。

野生動物対策グッズ

秋は野生動物の活動が活発になる季節です。最近世間を騒がせているクマやイノシシなどの野生動物に遭遇するリスクに備えましょう。

▼熊鈴
歩くたびに音が鳴り、動物に人間の存在を知らせます。ホイッスルも熊よけに役立ちます。

▼携帯ホイッスル・ライト
暗闇で音や光を使い安全を確保。キャンプで使用方法を練習しておくと災害時にも役立ちます。

▼熊よけスプレー
緊急時に安全な距離を保つために必須のアイテムです。使用方法を事前に確認しましょう。

その他あると便利なアウトドア兼防災グッズ

▼アルミブランケット
軽量でコンパクト。緊急時の体温維持やテント内防寒に便利です。

▼給水容器
折りたたみ水タンクなど、キャンプの水運搬に使えるほか、災害時の水の確保にも役立ちます。

▼簡易トイレ・ポータブルトイレ
キャンプでの利便性と災害時の備えを兼ねます。事前に使用方法を確認しておきましょう。

▼ロープ・カラビナ・小型工具セット
テント設営や荷物整理に使用するグッズは、災害時にも役立ちます。

▼救急セット
ばんそうこう、消毒液、包帯など基本的医療用品。キャンプ中や災害時の応急処置に対応可能です。

防災は“楽しみながら”が長続きのコツ

キャンプを通じて、テント設営や火起こし、限られた資源での生活を体験することで、災害時に必要な生活力や判断力を自然に身につけられます。遊びながら学ぶことで、防災への意識が高まり、協力して対応する力も育まれるでしょう。

まずは、週末のキャンプから始めるなど、小さな体験を重ねていくことをおすすめします。アウトドアで学んだ知識や工夫は、防災のほか日常生活でも応用可能です。楽しみながら備えることで、防災力を高めていきましょう。

〈執筆者プロフィル〉
波戸つばさ
ライター
東北で生まれ育つ。3.11の震災を経て、防災はより身近な存在となりました。防災の大切さを自分なりに伝えられたらと思います。

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