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15年前、目を奪われた“美脚ダンス”の衝撃 異国のアイドルが日本で輝いたワケ

  • 2025.11.28

「15年前、あの衝撃の“脚のライン”、覚えてる?」

2010年。街ではガラケーの着信音が鳴り、渋谷のスクランブル交差点には最新トレンドを探す人々が行き交っていた。その空気を切り裂くように、ある日、眩いほどの勢いで“新しい風”が吹いた。テレビから流れたのは、完璧なシンクロ、揃いすぎたフォーメーション、そして“洗練されたスター性”だった。

少女時代『GENIE』(日本語詞:中村彼方・作曲:Nermin Harambasic、Robin Jenssen、Ronny Svendsen、Anne Judith Wik、Fridolin Nordso Schjoldan)――2010年9月8日発売

眩しくて、遠くて、それでいて“近い”存在としての登場

『GENIE』は少女時代の日本デビューシングル。すでに韓国では2009年にリリースされていた楽曲だが、日本での登場はまさに“満を持して”というタイミングだった。

圧倒的なシンクロダンス、美しいハーモニー、そしてメンバーそれぞれの個性が瞬時に伝わるビジュアル。そこに日本語詞が重なったことで、異国のスターという距離を保ちながらも、“新しい時代のポップグループが来た”というワクワク感を一気に高めた

視線が釘付けになった“美脚ダンス”の魔法

この曲の象徴となったのが、日本人振付師・仲宗根梨乃による振り付けだ。フォーメーション移動の美しさ、ラインの揃え方、そして脚の動きを強調した大胆な決めポーズ。

ダンスそのものが視覚的なショーになっていて、一度見たら忘れられないほどのインパクトがあった。特にサビでの“パーフェクトシンクロ”は当時の音楽番組でも「これが本場のK-POPのレベルなのか」と驚かれ、日本のガールズグループの表現方法にも大きな影響を与えていった。

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2010年、「第52回日本レコード大賞」に登場した少女時代(C)SANKEI

音の構造に潜む“世界基準”の華やかさ

『GENIE』の魅力の核心には、世界的なソングライターチームによるサウンドがある。

エレクトロを基調としながらも、どこか柔らかく、ポップで華のあるメロディ。無機質なダンスチューンのようでいて、実は細かい装飾が散りばめられており、“強さ”と“優しさ”が共存する絶妙なバランスが保たれている。

歌声もまた印象的だ。高音の抜け、低音の安定感、そしてユニゾンの厚み。日本語詞でありながら、語感を活かした滑らかな流れを持っており、音の気持ちよさが際立つ構成になっている。

デビューにして象徴となった“特別な1曲”

少女時代が日本でデビューするというニュースは、当時のエンタメ界にとって大きな出来事だった。

その最初の一歩に選ばれた『GENIE』は、ただのデビュー曲ではない。彼女たちの“グループとしての武器”がすべて詰め込まれた名刺代わりの一曲だった。

韓国でのリリースから1年以上の時間を経て日本に届いたにもかかわらず、古さを感じるどころか、むしろ「これからのポップシーンがどう変わるのか」という期待を抱かせるほどのフレッシュさを放っていた。

この頃から、次世代のK-POPが日本でも大きなジャンルとして確立していくが、その入口で光を放ち続けたのがこの楽曲だった。

あの瞬間の“風”を、今でも覚えている

『GENIE』を初めて見たときの、胸がソワッと浮き立つあの感覚。完璧なのに、どこか“人懐っこさ”すら感じるステージ。15年経った今でも、あのときの衝撃は色褪せない。

少女時代の登場が日本に残したのは、異国のスターが来たという感覚だけではない。「音楽はもっと自由で、もっと洗練されていていい」そんな気づきをそっと置いていった、特別なデビューだったのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。