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「国民的アニメなのに…」再放送もされず眠り続ける“封印回”が存在する傑作アニメ…子供も大人も魅了する一作

  • 2025.12.6

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“幻になってしまったアニメ作品”を5本セレクトしました。

本記事ではその第2弾として、アニメ『忍たま乱太郎』(NHK)をご紹介します。国民的アニメの本作ですが、“封印回”が存在するのです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『忍たま乱太郎』(NHK)
  • 放送期間:1993年4月10日~

時は戦国時代。先祖代々ヒラ忍者の家に生まれた乱太郎(CV:高山みなみ)は、一流の忍者になってほしいという両親の期待を胸に、忍術学園に入学します。そこには堺の豪商の息子・しんべヱ(CV:一龍斎貞友)や、戦で親を亡くしながらもたくましく生きるきり丸(CV:田中真弓)がいました。忍術学園の生徒は忍者のたまご、通称“忍たま”と呼ばれます。

忍術学園には、謎の天才忍者だった学園長(CV:浦山迅)をはじめ、ユニークな先生や上級生、すこし手ごわい“くの一教室”の女の子たちや忍犬・ヘムヘム(CV:島田敏)などがいて、とてもにぎやかです。乱太郎たち3人組は、授業も試験も失敗ばかりで、いつもなぜかロクでもないことになってしまいます。立派な忍者になるにはまだまだ遠い道のりですが、明るく楽しく愉快な忍たまの毎日が描かれていきます。

推しキャラが見つかる?疲れが吹き飛ぶドタバタコメディ

『忍たま乱太郎』の見どころは、ドタバタ忍者コメディとしての完成度の高さです。忍術学園を舞台に、乱太郎・きり丸・しんべヱの3人が次々に巻き起こすトラブルはユーモア満点で、日常のちょっとした疲れを吹き飛ばしてくれます。一方で、ただのギャグ作品にとどまらず、キャラクター同士の結束や思いやり、努力する姿が随所にちりばめられており、小さな成長物語としても楽しめます。

また、キャラクターの層がとにかく厚いのも特徴です。個性的な1年生から頼もしい上級生、さらには先生ドクタケ忍者隊まで、多彩なキャラクターが作品の世界観をにぎやかに彩ります。自分の役割を果たしながら生きているキャラクターたちの描かれ方がていねいで、何度観ても新しい発見があるのです。推しキャラが絶対に見つかると言っても過言ではありません。

アニメとしてのテンポもよく、1話あたりの尺がコンパクトなため、気軽に観られるのもうれしいポイント。短いなかにしっかりと笑いと小さな教訓が詰まっていて、子どもだけでなく大人が観てもクスッと笑ったり心が温かくなったりする作品となっています。

NHK最長寿アニメ『忍たま乱太郎』に存在する“封印回”

『忍たま乱太郎』には、再放送やDVDに収録されていない回が複数あります。たとえば、第1期の第28話“ただのドケチじゃないの段”です。このエピソードはファンからの人気が高く、エピソードランキングでは第18位にランクインしているにもかかわらず、現在に至るまで再放送もDVDに収録もされていません。その理由は、明らかになってはいません。

『忍たま乱太郎』についてSNSでは「封印回が結構ある」「未配信ノー円盤回が多数存在する」「国民的アニメなのに…」との声が。1993年に放送された第1期の第28話は、32年間も封印されていることになります。

本作は、長年続くシリーズならではの“積み重ね”が魅力となっています。キャラクター同士の関係性が少しずつ変化していく様子や、設定が深掘りされていく面白さが、長い間追ってきたご褒美のように感じられるのです。日常に寄り添ってくれるような、優しくてにぎやかな笑いが詰まった『忍たま乱太郎』は、観終わった後に前向きになれる作品といえるでしょう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari