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「最高に過激」「しばらく動けなかった…」現役アイドルが挑んだ至高映画…“最後の最後”まで釘付けになる名作

  • 2025.12.7

人は誰しも、言葉にできない不安や孤独を抱えながら、それでも日々を続けています。順風満帆に見える人も、夜になれば誰かに言えない弱さを抱えている――。
今回は「人の弱さと再生を描く物語」5選の第2弾として、青春・恋愛・犯罪が複雑に絡み合う『真夜中乙女戦争』をご紹介します。まぶしい青春ではなく、どこか歪で、目をそらせないほど鮮烈な“若さの夜”を描いた一本です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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映画『真夜中乙女戦争』の公開記念イベントに出席した池田エライザ(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『真夜中乙女戦争』(KADOKAWA)
  • 公開日:2022年1月21日
  • 出演:永瀬廉、池田エライザ、柄本佑 ほか

東京で一人暮らしを始めた大学生の“私”(永瀬廉)。友人もなく、講義も退屈で、夜になっても眠れない――そんな無気力な毎日を送っていました。ある日、サークルで出会った“先輩”(池田エライザ)と、図書館で声をかけてきた謎の男“黒服”(柄本佑)によって、その日常は大きく変わっていきます。2人との出会いをきっかけに、“私”は知らぬ間に悪戯、破壊工作、さらには東京破壊計画へとつながる危険な世界へ足を踏み入れてしまうのです。

孤独と虚無を抱えた若者の心が、ゆっくりと壊れていく。そして、先輩との距離が縮まるほどに、避けがたい“最悪の夜”が訪れます。
邦画史上でも稀に見る衝撃のラスト――その瞬間、観客の時間が止まるような余韻が広がる作品です。

「最高に過激」――SNSから聞こえた“揺さぶられた”声

本作は、Fさんによる小説『真夜中乙女戦争』(KADOKAWA刊)を原作とした実写化作品です。10、20代を中心に支持を集め、SNSでも度々話題となりました。

映画が公開された当時も、SNSでは熱い議論が巻き起こりました。「ラストシーン衝撃すぎる」「最高に過激」「しばらく動けなかった…」こうした声の背景には、物語が“青春映画”の枠を超え、若者の孤独・虚無・暴走を容赦なく描き切っていることが挙げられます。

色々な感想が飛び交い、“わかりやすい正解”を提示しない作品だからこそ、観る人によっては “救い” にも “絶望” にも見える――そんな二面性が、視聴者を“最後の最後”まで釘付けにしている魅力でもあります。

若さの危うさを透かし取る――池田エライザという光と影

読めない展開と衝撃のラストで観客の心を掴んだ本作。物語の鍵を握る“先輩”を演じた池田エライザさんの演技に注目が集まりました。静かで聡明、芯がありながらどこかアンニュイな佇まい――その独特の存在感が作品全体の色を決めています。さらに、劇中では、情感豊かに歌い上げるシーンも。ジャズシンガーの母を持つ池田さんならではの“音楽が身体に染み込んだ表現”がまた話題になりました。“先輩”という名の曖昧で危うい存在を、成熟と未熟の境目で揺れる等身大の女性として立ち上げた彼女の演技は、作品の核そのものです。

映画『真夜中乙女戦争』は、孤独・焦燥・憧れ・破壊欲――若さの中にある“不安定な影”を見つめた物語です。希望とは言えない未来へ歩いていく姿も、だれにも言えない弱さが暴走していく過程も、どこか他人事ではなく胸に迫ってくる。観終わったあと、「自分の弱さとどう向き合うか」「いま、生きるってどういうことか」そんな問いだけが静かに残る――。人の弱さと再生を描く物語シリーズの第2弾にふさわしい、強烈な余韻を持つ一本です。ぜひご覧ください!


※記事は執筆時点の情報です。