1. トップ
  2. 「不倫だったの?」賛否両論を呼んだ“まさかの展開”…「どハマりした」中毒性抜群の傑作ドラマ

「不倫だったの?」賛否両論を呼んだ“まさかの展開”…「どハマりした」中毒性抜群の傑作ドラマ

  • 2025.12.6

不倫という禁断のテーマを扱いながらも、純愛としての側面を持つ作品は、視聴者の心を複雑に揺さぶります。単純に善悪で割り切れない人間の感情や、年齢差を超えた恋愛の儚さと美しさが描かれると、私たちは登場人物に深く共感せずにはいられません。今回は、そんな“不倫描写が話題になった名作”をご紹介します。

本記事では、2020年放送のドラマ『僕だけが17歳の世界で』(ABEMA)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

undefined
映画の完成報告会見に登壇した飯豊まりえ(C)SANKEI
  • 作品名(配信):『僕だけが17歳の世界で』(ABEMA)
  • 放送期間:2020年2月20日〜4月2日 

高校3年生の17歳で、互いに気持ちを抱えながら想いを告げられずにいた航太と芽衣。しかし、思い合ったまま航太は突然この世を去ってしまいます。月日が流れ、24歳になった芽衣は、真冬に咲いたという不思議な桜の知らせを受けて故郷へ戻ることに。そこで彼女の前に現れたのは、亡くなったはずの“17歳のままの航太”でした。桜が咲いている間だけ存在できるという限られた奇跡の中、航太は残された時間で何を伝え、どんな真実に向き合うのか──彼の死の裏側に隠された秘密が少しずつ明らかになっていきます。

ヒロインの過去に衝撃…禁断の不倫が物語に影を落とす

『僕だけが17歳の世界で』は、『恋仲』や『好きな人がいること』など恋愛ドラマを手掛けた藤野良太さんがフジテレビ退社後初めて手掛けた連続ドラマで、脚本は相沢友子さんが担当しました。2020年9月には、第36回ATP賞テレビグランプリのドラマ部門で奨励賞を受賞しています。

本作の特徴は、純粋なファンタジーラブストーリーでありながら、ヒロインの芽衣が抱える“不倫”という重い過去が描かれていることです。

24歳になった芽衣は、都心の出版社で事務員として働いていましたが、職場の上司との不倫関係が発覚。上司の妻からビンタされ、会社をクビになるという衝撃的な展開から物語は始まります。17歳で時が止まったままの航太にとって、芽衣の不倫という事実は受け入れがたいものでした。「7年の空白」が2人の間に大きな壁として立ちはだかります。

航太が芽衣の不倫を知ったとき、彼は激しいショックを受けます。自分がいなかった7年間、芽衣がどんな人生を歩んできたのか。その事実を突きつけられた航太の苦悩は、視聴者にも深く響きました。YOSHIさん演じる神藤直輝が航太を諭す場面は、時間の残酷さを痛感させるシーンとなっています。

視聴者から賛否両論…不倫描写への反応

この不倫設定に対して、視聴者からはさまざまな反応がありました。SNSでは「不倫だったの?」「不倫する人が誰かを幸せになんかできない」という厳しい意見や、「罪深い」という声も寄せられました。

一方で、芽衣の不倫が単なる軽はずみな行為ではなく、航太を失った喪失感や孤独から生まれたものだという解釈も多く見られました。航太がいなくなった後、深く傷ついた芽衣が都会で依存先を求めた結果としての不倫。その背景には、17歳で止まってしまった恋の痛みがありました。

そんな本作にSNSでは「どハマりした」「一気見しちゃった」「面白すぎる」などの声が相次ぎ、中毒性抜群であることがうかがえます。

飯豊まりえさんの繊細な演技に称賛の声

このドラマで特に注目を集めたのが、飯豊まりえさんの演技力です。不倫という過ちを犯しながらも、航太への純粋な想いを抱き続ける芽衣という複雑な役柄を、飯豊さんは見事に演じ切りました。SNSでは「涙が溢れる」「演技うますぎ」「演技力に引きこまれた」といった称賛の声が多数寄せられました。

特に初回配信では、前半の明るい雰囲気から一転、後半で不倫が発覚し上司の妻にビンタされるシーンへの展開が視聴者を驚かせました。「まさかすぎる」「後半ずっと泣いていた」というコメントからも、飯豊さんの演技が視聴者の心を掴んだことがわかります。

罪を犯した女性としての後悔と、航太への変わらぬ愛情という相反する感情を、飯豊さんは繊細に表現しています。

2人の切ない恋物語

『僕だけが17歳の世界で』は、ファンタジーラブストーリーでありながら、不倫という重いテーマを描いた作品です。ヒロインの過去の過ちが物語に深みを与え、単なる純愛ものではない大人のドラマとして視聴者の心に残りました。

飯豊まりえさんの繊細な演技、佐野勇斗さんの純粋な17歳の青年としての存在感、そして藤野良太プロデューサーと相沢友子さんによる丁寧な脚本が、この作品を特別なものにしました。

季節外れの桜が咲く期間だけ現れる航太と、過去の過ちを背負いながらも真実の愛を取り戻そうとする芽衣。2人の切ない恋物語は、視聴者に「愛とは何か」「許しとは何か」を問いかけ続けました。ATP賞受賞という評価も含め、本作は2020年を代表する恋愛ドラマの一つとして記憶されることでしょう。


※執筆時点の情報です