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「覚悟して観て」「かなり生々しい」“異常なまでの没入感”に騒然…「こんな映画が観たかった」心震える至高の一作

  • 2025.12.9

人生には、ときどき“そっと背中を押してくれる作品”があります。大きな事件が起きるわけでもないのに、登場人物のひと言、ため息、沈黙に自分の姿が重なって、気づけば心の奥で何かが静かに動き出す——。

今回はそんな、“人生を変える名作”シリーズ第5弾として、静かな余韻で深く心を揺さぶる現在公開中の映画 『平場の月』(東宝)を紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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撮影に応じる井川遥(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『平場の月』(東宝)
  • 公開:2025年11月14日

妻との離婚後、地元の印刷会社で働きながら穏やかな日々を送る青砥健将(堺雅人)。ある日、彼は中学生時代に思いを寄せていた須藤葉子(井川遥)と 35年ぶりに再会します。葉子は夫と死別し、今はパートで生計を支える日々。お互い独り身になり、さまざまな経験を積んできたふたりは自然と意気投合し、やがて、離れていた時間を少しずつ埋め合わせるように一緒に過ごすようになります。

慎ましく、丁寧に——けれど確かに惹かれ合っていく。大人だからこそ胸に沁みる、小さく静かな恋愛の物語です。

「かなり生々しい」——SNSの声を深掘り

公開直後、SNSには「かなり生々しい」などの言葉が並びました。映画『平場の月』に寄せられる “生々しい” は、刺激的という意味ではありません。生活そのもののリアルさを指しています。

青砥と葉子が交わす会話は、丁寧すぎず、うまく飾れず、どこかぎこちない。でも、誰もが経験したことのある “会話の温度” がそのまま息をしている。気まずさや遠慮、すれ違い、照れくささ——その全部が、本当に隣の部屋から聞こえてきそうな生々しさで、観客の胸に長く残るのです。その異常なまでの没入感にSNSでは「こんな映画が観たかった」「覚悟して観て」という声が見受けられ、心の深くまで浸透するような、そんな映画であることを裏付けています。

“ドラマチックな恋”ではなく、“生活の中でふと芽生える恋”。その温度をここまで丁寧に描いた映画は珍しい、という声が多かったのも納得です。

井川遥さんが体現した“静かな強さと儚さ”

井川遥さん演じる須藤葉子は、辛い過去を抱えながらも、慎ましく日々を生きる芯の強さを持つ女性です。同時に、寄り掛かることをよしとしない儚さも垣間見えます。井川さん自身は公式サイトのインタビューで以下のように語っています。

私自身、この年齢になったからこそわかる気持ちが原作の中に溢れていて、温かさや切なさも同時にあるこの本を愛おしく感じました。今回、私が演じる須藤は自分の弱さを見せまい、寄り掛かることをよしとしない覚悟を持って生きている人です。須藤の芯の強さ、意地らしさ、今ささやかな幸せを噛みしめている感じ、それら彼女の持っているものを大切に演じたいと思いました。
出典:『映画『平場の月』公式サイト

その言葉の通り、井川さんの演じる葉子は“静かに揺れ動く心” を繊細に映し出し、誰もが「この人の幸せを願いたくなる」存在へと変わっていきます。土井監督への信頼のもと、弱さも強さもひっそり宿した“大人の女性像”が立ち上がる姿には、胸がぎゅっとなります。

映画『平場の月』は、感情の輪郭がそっと浮かび上がるような作品です。年齢を重ね、酸いも甘いも噛み分けてきたはずなのに、いくつになっても恋愛は驚くほどもどかしいもの。それでも、日々のささやかな幸せと寄り添いながら、ゆっくりと関係を編んでいくふたりには、どこか愛おしさを感じずにはいられません。観終わったあとに静かに胸が満たされる名作です。

2025年12月9日現在も上映中の映画館がありますので、上映スケジュールを確認し、足を運んでみてはいかがでしょうか?


※記事は執筆時点の情報です。