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「不倫以外の何物でもない」「納得いかない」“禁断の恋”に憤慨する視聴者も…だけど「中毒性半端ない…」心奪われる傑作ドラマ

  • 2025.11.16

恋愛ドラマの中でも、長く議論と熱を生み続けるジャンル――それが「不倫」をテーマにした作品です。誰もが日常の中で“してはいけない”とわかっている行為。けれど、画面越しに見る禁断の恋には、どこか切なく、現実よりも深く人間の本音を映す瞬間があります。

不倫ドラマが人気を集めるのは、愛と罪のあわいに揺れる人間の“弱さ”や“誠実さ”が描かれるからかもしれません。観る側も、登場人物たちの選択に共感したり、憤ったりしながら――“自分ならどうするか”を考えさせられる。そんな感情のゆらぎが、作品の余韻を長く残すのです。

そこで今回は「不倫をテーマにした作品part2」5選をセレクト。本記事では第3弾として、恋愛と倫理の狭間で揺れ動いた作品、ドラマ『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)をご紹介します。清潔感のある世界観と、美しい映像で描かれた“禁断の恋”は、多くの議論を呼びました。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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フォトセッションに臨む武井咲(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)
  • 放送期間:2016年7月12日〜9月20日
  • 出演者:武井咲さん、滝沢秀明さん、中村蒼さん、水沢エレナさん、トリンドル玲奈さんほか
  • 脚本:李正美さん、渡邉真子さん、井上聖司さん
  • 演出:石井康晴さん、池田克彦さん、岡本伸吾さん
  • 制作著作:TBSテレビ

ティファニーを舞台にしたファッション企業で働く栗原未亜(武井咲)は、仕事に誇りを持ちながらも、恋愛には不器用な女性。そんな彼女の前に現れたのが、上司の三好海里(滝沢秀明)。彼は誰よりも仕事に厳しく、どこか孤独を抱えていました。

未亜は次第に彼に惹かれますが、彼にはすでに妻がいることを知ります。それでも抑えられない気持ちに抗えず、ふたりは“許されない恋”へと進んでいくのです。

職場という現実と、恋という非現実の狭間で揺れるふたり。爽やかな広告のように映る恋の裏側で、視聴者は「これは純愛なのか」「ただの裏切りなのか」と問いを投げかけられます。“せいせいするほど”というタイトルに込められた清々しさとは裏腹に、心の奥に残るのは、恋の複雑さと苦さでした。

「不倫を美化するなんてありえない」――視聴者の抱いた違和感

SNSでは、放送当時から激しい議論が巻き起こり、「不倫を美化するなんてありえない」「不倫以外の何物でもない」といったコメントが寄せられました。

“純愛”として描かれた二人の関係に対し、視聴者は強い違和感を示しました。美しい音楽と光の中で展開される恋が、現実とはあまりに違って見えたのです。また、別の視聴者からは「納得いかない」といった声も見られました。

ドラマ『せいせいするほど、愛してる』は、恋愛の理想と現実を対比させる作品でもありました。視聴者が感じた“違和感”こそ、作品が投げかけた最大の問いだったのかもしれません。

そんな本作、一度観れば目が離せない中毒性があり、「中毒性半端ない…」「好きすぎる」「早く観たい」など虜になる視聴者が続出する作品となりました。

武井咲さんが体現した“まっすぐすぎる恋”

武井咲さんが演じた栗原未亜は、まっすぐで誠実で、どこまでも人を信じる女性でした。恋に落ちる瞬間の戸惑いも、愛を貫く勇気も、彼女の内側から自然に溢れるように描かれています。その透明感のある演技は、作品全体に清潔なトーンを与え、“背徳”という言葉とは対照的な“まっすぐな愛の形”を浮かび上がらせました。どんな状況でも他人を思いやろうとする未亜の姿は、武井さんの繊細な表情によって丁寧に描かれていました。

彼女が演じた未亜という女性は、“純愛”を信じたまま大人になったような存在。その一途さが、この作品に静かな説得力をもたらしています。

ドラマ『せいせいするほど、愛してる』は、恋と倫理の狭間で揺れる人間の本音を描いたドラマでした。「不倫を美化するなんてありえないというSNS上の声は、この作品が“綺麗な恋”だけでは括れないテーマを扱っていることを示す反応でもありました。

恋を美しく描くことと、現実を描くことは違う。それでも、誰かを好きになる気持ちは止められない。武井咲さんが演じた未亜の姿は、その矛盾と真実を静かに体現していました。不倫を題材にしながらも、“人はなぜ愛してしまうのか”という普遍的な問いを残す作品。見終えたあとに、視聴者の中に静かな余韻と議論を残したドラマでした。


※記事は執筆時点の情報です