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「1話観ただけで離脱」“一部の原作ファン”から厳しい声も…だけど「文句なしの神コンテンツ」“圧倒的な完成度”で魅せた名ドラマ

  • 2025.11.16

ドラマや映画の中には、最初は苦手でも、気づけばその世界にどっぷり浸かってしまう作品があります。今回は、そんな中から"回を重ねるごとに虜になる名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『賭ケグルイ』(MBS/TBS系)をご紹介します。ギャンブルで序列が決まる学園で、美しきギャンブラーが挑む究極の駆け引きとは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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第36回東京国際映画祭 レッドカーペット 浜辺美波(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『賭ケグルイ』(MBS/TBS系)
  • 放送期間:2018年1月15日~3月19日
  • 出演:浜辺美波(蛇喰夢子 役)

創立122年を誇る名門・私立百花王学園では、成績や家柄よりも「ギャンブルの強さ」がすべてを決める基準となっています。勝者は地位と名誉を手にしますが、敗者は財産や尊厳を失い、悲惨な目に…。男子は「ポチ」、女子は「ミケ」と呼ばれて家畜のように扱われてしまうのです。そんな異様な学園に転校してきたのが、一人の少女――蛇喰夢子(浜辺美波)でした。

お淑やかで美しい夢子は、転校してすぐにクラス中の注目を集めます。浮き立つ男子たちをよそに、華組随一のギャンブラーとして名を馳せる早乙女芽亜里(森川葵)が、夢子に勝負を挑みました。夢子の案内役を任された鈴井涼太(高杉真宙)は、かつて芽亜里との対決に敗れ「ポチ」となった辛い過去を抱えていました。そんな涼太は、芽亜里の誘いに乗らないよう夢子を止めようとします。

しかし夢子は、涼太の忠告を聞き入れず、楽しげな笑みを浮かべて勝負を受けてしまいます。対決の内容は、「投票ジャンケン」と呼ばれる学園独自のオリジナルゲーム。チップ1枚が1万円という高額レートで、一度の勝負で数百万円単位のお金が動くという、常軌を逸したギャンブルです。序盤は芽亜里が優勢にゲームを進め、周囲の誰もが夢子の敗北を予想します。

ところが、夢子には誰も知らないもう一つの顔がありました。彼女は、危険を伴う賭けに快感を覚える、“賭ケグルイ”だったのです――。

“学園×ギャンブル”で描く異色の青春劇

『賭ケグルイ』は、河本ほむらさん原作・尚村透さん作画による同名漫画を実写化した作品です。シリーズ累計発行部数・600万部を突破した人気作で(2020年9月当時)、月刊「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス)で現在も連載が続いています。

2018年放送のドラマ版『賭ケグルイ season1』は、「ギャンブルで階級が決まる」という原作の世界観を、実写ならではの緊張感と迫力で再現しました。

主演は、NHKの朝ドラ『らんまん』や映画『君の膵臓をたべたい』『六人の嘘つきな大学生』に出演した浜辺美波さん。可愛さと狂気をあわせ持つ難役・蛇喰夢子を体当たりで演じています。夢子に翻弄されるクラスメイト・鈴井涼太役には高杉真宙さん、華組随一のギャンブラー・早乙女芽亜里役には森川葵さんが抜擢されました。監督は『ヒロイン失格』や『あさひなぐ』などを手がけた英勉さんがつとめています。

作品はその後、シリーズ化され、翌年には『賭ケグルイ season2』と劇場版が制作されました。さらに2021年には続編となる『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』が公開され、シリーズの人気を不動のものに。

その後、スピンオフドラマ賭ケグルイ双(ツイン)』も制作され、森川葵さん演じる早乙女芽亜里を主人公に、夢子が転校してくる前年の百花王学園を描いています。芽亜里がどのようにギャンブルの世界でのし上がっていったのかを描く前日譚として、シリーズの新たな一面を掘り下げた作品となりました。

さらに、アニメ版舞台版も制作され、“賭け狂う”世界観はさまざまなメディアへと広がっています。2025年5月にはカナダで制作された北米版『賭ケグルイ Bet』がNetflixで独占配信。原作の構成を北米の学園社会に置き換えたリメイク作品として、注目を集めました。

多くの視聴者を魅力し「完成度が高い」と称された至高作

『賭ケグルイ』の魅力は、蛇喰夢子が見せる“可愛さと狂気”のギャップにあります。普段はお淑やかで上品な少女が、ギャンブルになると豹変――勝負にのめり込む姿は圧巻です。回を重ねるごとにそのエキセントリックな魅力が際立ちます。

また、緊張と駆け引きの中で描かれる人間模様も、本作の見どころの一つです。

一方で、「1話観ただけで離脱」という声や「実写だとしっくりこない」といった意見も見られました。原作の誇張された表情やテンションを忠実に再現した演出が、“やりすぎ”に感じられたのかもしれません。しかし、その振り切った表現こそが本作の魅力ともいえるでしょう。

実際、SNSでは「再現度が高い」「キャスト全員がハマり役」「ハラハラドキドキの展開に引き込まれた」「大好きすぎて何回もリピした」「完成度が高い」「文句なしの神コンテンツ」「浜辺美波の代表作」といった称賛が相次ぎました。浜辺さんの迫真の演技は多くの視聴者を魅了し、「Season3を作って」という声もあがっています。

登場人物たちの心理戦を見届けるうちに、狂気のギャンブラー・夢子の世界に引き込まれてしまう――まさに“回を重ねるごとに虜になる名作”です。


※記事は執筆時点の情報です