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「床に崩れ落ちた」「嗚咽…」“至高の脚本”に視聴者感涙…「間違いなく傑作」語り継がれるNHKドラマ

  • 2025.12.5

ドラマの中には、見るたびに心が動かされ、見終わったあとも長く印象に残る作品があります。今回は、そんな中から"感動を呼んだNHKドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第3弾として、ドラマ『四十九日のレシピ』(NHK総合)をご紹介します。大切な家族を亡くした父と娘、そして生前に縁があった2人の若者――血の繋がりも背景も異なる4人が、四十九日という限られた時間の中で、少しずつ心を通わせていくヒューマンドラマです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画の初日舞台あいさつに出席した徳永えり(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『四十九日のレシピ』(NHK総合)
  • 放送期間:2011年2月15日~3月8日

母の乙美(風吹ジュン)が亡くなって2週間後、娘の百合子(和久井映見)が実家に戻ってきます。父・良平(伊東四朗)を心配しての帰省でしたが、それは表向きの理由であり、実際には夫との関係が破綻し、離婚を決意した末の帰郷でした。

そこに、派手な格好をした若い女性・イモト(徳永えり)と、日系ブラジル人の青年ハルミ(渡部豪太)が突然現れ、生前の乙美に世話になったと語ります。

こうして、父・良平、娘・百合子、そして謎の訪問者であるイモトとハルミという、血の繋がりも背景も異なる4人による、四十九日までの期限付き共同生活が幕を開けるのでした――。

人気脚本家・大島里美が描く「別れと再生」の物語

NHKドラマ『四十九日のレシピ』は、作家・伊吹有喜さんの同名小説を原作とした全4回の連続ドラマです。原作者の伊吹有喜さんは、2008年に小説『風待ちのひと』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、本作が2作目の長編小説。物語は、大切な人を亡くした家族が、それぞれの喪失を乗り越え、再生へと向かうまでを描いた人間ドラマです。

脚本を手がけたのは大島里美さんで、『凪のお暇』『おカネの切れ目が恋のはじまり』『妻、小学生になる。』『私の夫と結婚して』など数々のヒット作を生み出した人気脚本家です。音楽は田村洋さんが担当し、主題歌にはなゆたさんによる『宇宙のレシピ』が起用されました。放送は2011年2月から3月にかけてNHK総合・デジタル総合の「ドラマ10」枠で行われ、全4話で構成されています。

キャスト陣には実力派俳優が揃い、和久井映見さんが主人公の百合子を、伊東四朗さんが父・熱田良平を演じました。母・乙美役には風吹ジュンさん、乙美に縁をもつ若い女性イモト役に徳永えりさん、日系ブラジル人の青年ハルミ役に渡部豪太さんが出演しています。そのほか、故・吉行和子さん、水谷八重子さん、野波麻帆さんらが脇を固め、温かくも切実な物語を支えました。

なかでも、イモト役の徳永えりさんには、「イモト役がハマってる」「演技が上手」「可愛い」「徳永えりのお芝居が大好き」との声が多く寄せられ、その自然体の演技が高く評価されました。

放送後の2012年には映画化が決定。監督は『ふがいない僕は空を見た』で知られるタナダユキさんが務め、主演の永作博美さんが百合子役を演じました。共演には石橋蓮司さん(良平役)、岡田将生さん(ハル役)、二階堂ふみさん(イモ役)、原田泰造さん(浩之役)らが名を連ねています。

『四十九日のレシピ』は、NHKドラマ版・映画版ともに、“別れの先にある再生”を描いた物語として、今なお多くの視聴者に愛され続けている作品です。

SNSで広がった「嗚咽…」の声――不器用な愛情のかたち

本作の見どころは、和久井映見と伊東四朗が演じる親子の繊細な関係です。妻を亡くし、生きる気力を失った父と、夫との関係が破綻して実家へ戻った娘という設定のもと、不器用ながらも少しずつ心を通わせていく姿が描かれています。SNSでは「不器用な親子関係がじんわりくる」との声が多く、沈黙や視線の演技から伝わる心の動きに引き込まれた人も多かったようです。

和久井映見の柔らかな笑顔には「和久井映見の笑顔が素敵」というコメントも寄せられ、優しさと儚さを兼ね備えた存在感が物語を支えました。一方で、「全4話は短すぎる」との声もあり、余韻を惜しむ視聴者の多さが、この作品への関心の高さを物語っています。

10年間にわたり不妊治療を続けてきた38歳の百合子の心には、「生」と「死」という相反するものが共に存在しています。母を失った悲しみと、命を授かることへの葛藤が重なり合い、その中で彼女は生きる意味を静かに見つめ直していきます。生と死が交錯する物語の構成によって、登場人物たちの心の変化や再生への歩みが、より鮮明に描き出されました。

SNSでは、視聴者から多くの感想が寄せられています。「床に崩れ落ちた」「嗚咽…」と涙した人が多く、「重い内容だけど心に沁みる」「キャスティングが神」「キャストも演出も音楽も最高!「間違いなく傑作」と称賛する声も相次ぎました。家族を想う気持ちに心を動かされ、「親孝行したいと思った」との感想も。

大切な人を失った悲しみを描きながらも、残された者たちの再生を丁寧に映し出した『四十九日のレシピ』――まさに“感動を呼んだNHKドラマ”と呼ぶにふさわしい名作です。


※記事は執筆時点の情報です