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「全てがすばらしい」「超絶大傑作」“NHKが初の試み”で魅せた名ドラマ…朝ドラ女優の“並外れた演技力”に「ほんとに天才」

  • 2025.12.2

ドラマの中には、見るたびに心が動かされ、見終わったあとも長く印象に残る作品があります。今回は、そんな中から“感動を呼んだNHKドラマ”を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、ドラマ『拾われた男 Lost Man Found』(NHK BSプレミアムほか)をご紹介します。俳優を夢見て上京した青年が、人との“縁”に導かれながら成長し、絶縁した兄との絆を取り戻すまでを描いた感動作です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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アニメ映画【映画ざんねんないきもの事典』の初日舞台挨拶に出席した伊藤沙莉(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『拾われた男 Lost Man Found』(NHK BSプレミアムほか)
  • 放送期間:2022年6月26日 - 2022年8月28日
  • 出演: 仲野太賀(松戸諭 役)

高校時代、演劇を観た瞬間に「俳優になりたい」と強く心を動かされた松戸諭(仲野太賀)は、勢いのまま関西から上京。しかし、幼なじみが暮らす東京・表参道での生活は、思い描いていた理想とは程遠く、現実は厳しいものでした。

俳優としての道がなかなか見えずにいたある日、諭は自販機の下で偶然航空券を拾います。その持ち主が芸能事務所の社長(薬師丸ひろ子)だったことから、彼の人生が大きく動きはじめることに――。

社長に“拾われ”、事務所の看板女優・井川遥(本人役)の運転手として働くことになった諭は、夜はレンタルビデオショップでアルバイト。日々の出会いや経験の一つひとつが、少しずつ彼を俳優として成長させていきました。やがてテレビや映画への出演が増え、“よく見る顔”の俳優として知られるようになる諭――。

そしてついに全米公開の映画に出演し、海外からも注目を浴びる存在へ。しかし、順風満帆に見えたその矢先、アメリカから一本の電話がかかってきます。ハリウッドからのオファーと思いきや、それは絶縁していた兄・武志(草彅剛)に関する衝撃の知らせでした――。

NHK×ディズニーが初タッグ――俳優・松尾諭の実話をドラマ化

本作は、俳優・松尾諭さんの実体験をもとにしたエッセイ『拾われた男』(文藝春秋刊)を原作に、NHKとウォルト・ディズニー・ジャパンが共同制作したヒューマンドラマです。

NHKが長年培ってきたドラマ制作のノウハウと、ディズニーの潤沢な制作資金が融合した“初の試み”として誕生した本作。アメリカロケなどスケールの大きな撮影が行われ、国内ドラマの枠を超えたクオリティを生み出しています。

2022年6月にNHK BSプレミアムとディズニープラスで配信がスタートし、のちにNHK総合でも放送されました。

物語は、他人との“縁”に導かれながら俳優として成長していく前半と、絶縁していた兄を救うためにアメリカへ渡る後半の二部構成で描かれています。前半はコメディタッチの成功譚として描かれ、後半では家族の記憶と赦しをめぐる人間ドラマへとトーンが変化。軽やかさの中に、胸の奥に残る切なさをあわせ持つ構成が、本作の大きな魅力です。主人公が“拾われる側”から“拾う側”へと成長していく姿が、まるで人生の循環を映し出すように描かれています。

主人公・松戸諭を仲野太賀さん、兄・武志を草彅剛さん、妻・比嘉結を伊藤沙莉さんが演じ、それぞれが異なる“縁”の形を体現。とくに仲野さんと草彅さんがぶつかり合うシーンは、息をのむような緊張感と生身の感情がぶつかり合うリアリティが高く評価されました。

連続テレビ小説『虎に翼』でヒロインを務め、その快演が高く評価されたことでも知られる伊藤沙莉さんは、本作でも見事な演技をみせ、SNSでは「“普通の女性”の演技が上手」「伊藤沙莉ちゃんが良妻すぎて拾われたい」「仲野太賀とのコンビが最高!」「ほんとに天才」といった声が寄せられました。「可愛すぎる」「演技に惹きこまれた」「大好きな女優さん」といった称賛も多く、自然体の演技で作品に温かさと親近感を添えています。

監督は『あまちゃん』『いだてん』の井上剛さん、脚本は『百円の恋『ブギウギ』の足立紳さん。井上監督は、松尾諭さんの朝ドラデビュー作『てっぱん』でも演出を手がけており、11年ぶりの再タッグという点でも注目されました。

さらに、井川遥さんや柄本明さんが本人役で登場するなど、原作者と縁のある俳優たちの参加も作品の大きな魅力のひとつとなっています。

“拾い拾われる”人生の循環を描いた、笑いと涙のヒューマンドラマ

本作が描くのは、“人との縁”と“家族のつながり”です。他人の善意に支えられてきた主人公が、やがて誰かを救う立場へと変わっていく――その転換が、人生の“拾い拾われる”循環を象徴しています。良縁と血縁、どちらも人を形づくる大切な絆として描かれ、家族の不完全さをも受け入れる姿が物語の核となりました。

とくに物語の後半では、「記憶の反転」が大きな見どころとなっています。幼少期の誤解や兄へのわだかまりが新たな真実によって書き換えられ、過去の痛みが和解へと変わっていく展開は、深い感動をもたらしました。

「めちゃくちゃハマった」「全てがすばらしいドラマ」「ラストで号泣した」といった声も多く寄せられました。「名言が心に響いた」「感動的なヒューマンドラマ」「草彅剛の演技に感動した」といった意見のほか、「伊藤沙莉と仲野太賀の相性が最強すぎる」「隠れた名作」「超絶大傑作」と評するコメントも。

『拾われた男』は、人との“縁”と“家族のつながり”を通して、人生の温かさと痛みを丁寧に描き出した作品です。家族の不完全さを受け入れ、未来へと進む物語は、“感動を呼んだNHKドラマ”として、今後も長く愛され続けていくことでしょう。


※記事は執筆時点の情報です