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「地上波ギリギリ」「ここまでやるか」“攻めた脚本”に視聴者騒然…「実写の中でも群を抜いてる」原作ファンも唸った名ドラマ

  • 2025.11.30

ドラマの中には、賛否両論を巻き起こしながらも強烈な印象を残す作品があります。今回は、そんな中から"尖った描写に絶賛が集まったドラマ"を5本セレクトしました。

本記事ではその第1弾として、ドラマ『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系)をご紹介します。法で裁けない悪に制裁を加える刑事と、彼を操る謎の上司――警察組織の闇に切り込んだダーク・サスペンスの魅力とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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「第7回 ウーマン オブ ザ イヤー」を受賞した土屋太鳳(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系)
  • 放送期間:2023年7月7日~9月1日
  • 出演:生田斗真(台場陣 役)

警視庁捜査一課のエース・台場陣(生田斗真)は、鍛え上げられた体格と剛腕、そして人一倍強い正義感から“ダイマジン”と呼ばれる男です。

そんな台場には、誰にも明かせない大きな秘密がありました。それは、法では裁けなかった犯人を、自らの手で葬ったこと――。

ところが、その秘密を特命捜査対策班の室長・平安才門(向井理)に知られてしまいます。平安は「罪を見逃す代わりに、自分の部下になれ!」と台場に命じ、彼を捜査一課から特命班へと異動させます。

以後、平安の指示で“法では裁けない犯人”を秘密裏に始末する任務を担うことになり、警察組織の深い闇に足を踏み入れることになるのでした――。

生田斗真×三池崇史監督が挑んだ"ピカレスク・サスペンス"

ドラマ『警部補ダイマジン』は、リチャード・ウーさん原作、コウノコウジさん作画の人気漫画を実写化した作品で、2023年7月からテレビ朝日系・金曜ナイトドラマ枠で放送されました。

ジャンルは“ピカレスク・サスペンス”。ピカレスクとは、〈正義の側ではない主人公〉を通して社会の矛盾を描く物語のことです。法で裁けない相手に制裁を下す台場陣は、まさにダークヒーロー。従来の刑事ドラマとは一線を画す構成となっています。

主演の生田斗真さんは、強い正義感と危うさをあわせ持つ台場陣を熱演。台場の秘密を握る特命捜査対策班の室長・平安才門を向井理さん、台場陣に疑念を抱く刑事・七夕夕夏を土屋太鳳さんが演じました。

ほかにも、小澤征悦さん、シシド・カフカさん、浜野謙太さん、成海璃子さん、桐山漣さん、松平健さん、片岡鶴太郎さん、高橋克典さんら豪華キャストが出演し、多彩な人間模様が交錯する見応えがある作品です。

なかでも土屋太鳳さんには、「可愛い」「自然体の演技が良かった」「アクションがかっこいい」といった声や、「このドラマでファンになった」という感想が多く寄せられました。

監督はエッジの効いたエンタメに定評のある三池崇史さんと倉橋龍介さん、脚本は日本アカデミー賞を受賞した経験を持つ徳永友一さんで、原作の持つ緊迫感とダークな世界観を見事に表現。

台場陣の矛盾を抱えた正義を軸に、特命班・公安、そして秘密結社「44」の思惑、警察組織の闇と人間の葛藤を深く掘り下げました。

生田斗真さんと三池崇史監督は、映画『土竜の唄』シリーズでもタッグを組んだ間柄。その信頼関係が本作でも随所に活かされています。

主題歌はSUPER EIGHT(当時:関ジャニ∞)の『オオカミと彗星』(INFINITY RECORDS)、オープニングテーマは新しい学校のリーダーズの『マ人間』です。音楽・脚本・演出・キャストが一体となり、多くの話題を集めました。

"地上波の限界"に挑んだ攻めの意欲作

本作の見どころは、地上波の限界に挑んだ“ギリギリ”の攻めた描写です。法で裁けない相手に対し、台場陣が“悪をもって悪を制す”姿勢を貫く展開は緊張感に満ちており、三池崇史監督の演出がその危うさをさらに際立たせています。

台場が平安才門率いる特命捜査対策班に異動し、半ば強制的に彼の「奴隷」として警察組織や国家の闇へ踏み込んでいく展開は、従来の刑事ドラマにはない斬新さで、視聴者を惹きつけました。

また、土屋さん演じる七夕夕夏が台場を疑いながらも、その信念を理解しようと歩み寄る姿が、物語に温かみと人間らしさを加えています。

一方で、「ラストの急展開が残念」「モヤっとする終わり方だった」といった厳しい声も…。それだけ本作への期待が大きかったのかもしれません。

とはいえ、「地上波ギリギリ」「ここまでやるか」「三池監督らしい攻めた演出」といった声も多く、「実写の中でも群を抜いている」「実力派キャスト揃いで見応えがあった」と高く評価されています。

本作のテーマは、"正義とは何か"――。台場の行動は一線を越えながらも、彼なりの正義に根ざしており、その是非を視聴者に委ねる構成になっています。警察組織や国家の中に潜む矛盾を描き、それに翻弄される人々の葛藤が表現されています。

挑戦的な題材を真正面から描き切った本作は、まさに“尖った描写に絶賛が集まったドラマ”と呼ぶにふさわしい一作です。


※記事は執筆時点の情報です