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日本人男性の身長が伸びないのは「女のやせ願望」のせい!?「1キロも増やすなと怒鳴られた」「トマトだけ食べろと指導」SNSが紛糾!過去の厳しい“妊婦体重制限”の実態露わ

  • 2025.10.17

妊婦の「体重制限問題」がXで再燃

厳格指導 vs「やせ願望」論争の行方は
厳格指導 vs「やせ願望」論争の行方は

現在、X(旧Twitter)上で、妊娠中の女性の体重制限を巡る議論が再燃しています。発端は、2025年10月14日放送のNHK『未来予測反省会』。番組が指摘した日本人男性の平均身長の停滞と、低出生体重児の増加との関連が、「女性の痩せ願望」に起因するのか否か、SNSで注目を集めています。この議論は、単なる健康問題にとどまらず、ジェンダー、医療政策への批判へと広がり、X上では多様な意見が活発に交わされています。

厳しい体重指導と低出生体重児増加の関連

議論のきっかけとなったのは、NHKのX投稿(@NHK_PR)などで示された、「日本人男性の平均身長が1990年代以降、約171cmで停滞している」というデータです。これに対し、近年の女性の「やせ願望」が身長停滞の一因であるとの見解が示されたところ、多くの女性ユーザーから「それは違う」「痩せたいわけじゃない!」と反論が続出。妊娠中の過度な体重制限指導が主因だったと指摘する声が高まっています。

実際に妊娠中に、「産婦人科で体重が増えたら怒鳴られた」「あなたはトマトだけしか食べちゃダメ」「こんなに太っては母親失格だと言われた」といった、当時の妊婦が助産師や医師から受けた、精神的・肉体的プレッシャーを示す具体的な体験談がX上に溢れています。

厚生労働省のデータによると、低出生体重児の出生率は1970年の4%から2000年には9.6%と倍増しており、この背景に医療現場の厳しい指導があったとされています。

この関連性は研究でも裏付けられています。2021年に発表されたJECS研究(日本環境子供健康調査)では、1998年に明確化された旧ガイドラインが推奨する体重増加量で管理された妊婦は、国際基準に近い体重増加量だった妊婦と比較して、低出生体重児を出産するリスクが高いことが示唆されています。この結果から、SNSでは「女性のせいではなく、医療政策の結果だ」と、厳しい指導を強いられた女性への擁護の声が多数上がっています。

1998年のガイドライン改定と日本女性の「やせ」の現状

日本の妊婦体重管理を巡る議論の中心にあるのが、1998年に作成された『産婦人科診療ガイドライン』です。このガイドラインにより体重増加量の目安が明確化され、結果として一部で厳格な管理が行われたことが、低出生体重児増加の一因とされてきました。

しかし、低出生体重が子どもの長期的な成長に影響を与える可能性が指摘されたことなどを受け、日本産科婦人科学会は2021年にガイドラインを改定。推奨される体重増加量を国際基準に近づける方向で見直しました(やせ型で12-15kgなど)。この改定は、低出生体重児が栄養不足で成長阻害される可能性を反映したものですが、一部の現場では依然として厳格な指導が残る実態が報告されており、医療現場の意識改革が引き続き求められています。

一方で、日本女性が「やせ過ぎ」であるという客観的なデータも存在します。厚生労働省の「2023年国民健康・栄養調査」によると、BMIが18.5以下と定義される「やせの人」の割合は、男性が4.4%に対し、女性は12.0%。20~30代の女性に限れば20.2%と、突出して高くなっています。このことから、「やせ過ぎ」の現状と「厳しい体重管理」のどちらも、低出生体重児増加の一因となり得ていると言えるでしょう。

出産を巡るもう一つの議論:帝王切開への偏見

X上では同時期に「#ネイルサロン炎上」(2025年10月16日頃)という別の議論も注目されています。ネイルサロンでの「帝王切開だから産んでないよ」という発言が、帝王切開で出産した女性の苦痛を軽視する偏見として批判を浴びました。

この議論では、「手術の苦痛は一生残る」「回復に時間がかかる」といった体験が共有され、出産方法の多様性への理解を求める声が広がっています。体重制限問題とこの帝王切開を巡る議論は、どちらも女性の出産と体に対する社会的なプレッシャーに焦点を当てている点で共通しており、大きな関心を集めています。

X上では「医療政策を見直すべき」「女性への不当なプレッシャーをなくせ」といった声が高まっており、厚生労働省や日本産科婦人科学会への関心が高まっています。女性の出産を巡る社会・医療的な課題として、今後の政策進展に期待が寄せられています。

(足立むさし)

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