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作文・日記が苦手な子必見!子どもの表現力が開花したAI活用術

  • 2025.10.14

こんにちは。3人の息子を育てながら、生成AIを暮らしに取り入れている理系主婦のまりです。「子どもの日記、毎回“楽しかった”で終わる」「読書感想文、あらすじばかりで自分の考えが書けていない」そう感じたことはありませんか?いざ書かせようとしても「何を書けばいいかわからない」と鉛筆が止まってしまう。親としてはモヤモヤするけれど、無理に直させるのも違う気がする。多くの方が、一度は抱える悩みではないでしょうか。しかし、これは子どもの表現力が足りないせいではないのかも。心の中にある豊かな感情を、言葉に変換する方法をまだ知らないだけかもしれません。生成AIとの対話は、その変換し出力する力を驚くほど自然に引き出してくれる可能性を秘めています。今回は、毎回「楽しかった」で終わっていたわが子の日記が、生成AIとの対話を通じて自分自身の感情と向き合い、変化した実体験をご紹介します。

「楽しかったです」ばかりの日記から卒業する、新しい方法

「今日は公園で遊びました。楽しかったです。」子どもの日記に書かれているのは、それだけ。ノートの広い余白を残したまま、鉛筆が止まってしまう⋯⋯その背景には、いくつかの要因があります。

1. 「正解」を探してしまう思考の癖

学校教育の中で、子どもたちは「問いに正しく答える」訓練を多く積みます。これは物事を正確に理解する上で大切な力ですが、一方で自分の心の中にある「正解のない感情」をどう表現してよいかわからず、戸惑ってしまうことがあります。

2. 感情の解像度が低い

「楽しい」「悔しい」といった感情は認識できても、なぜそう感じたのか、どんな瞬間に心が動いたのかまでを言葉にする経験が、まだ足りません。

3. 文章を組み立てる方法がわからない

そもそも、「何から書き始め」「どのように話を展開すれば伝わるのか」という、文章を組み立てる具体的な手順を知らないため、考えがまとまらず筆が止まってしまいます。これらの要因が重なることで、せっかく豊かな体験をしても、アウトプットが「楽しかったです」という一文に集約されてしまうのです。

AIは「答え」ではなく「問い」をくれる伴走者

この壁を前に、私も親として子どもに様々な問いかけを試みましたが、「わかんない⋯⋯」「べつに⋯⋯」という返事に、会話が弾まないこともしばしばでした。そんなとき、試しに生成AIを「聞き役」としてそばに置いてみたのです。かくいう私も、最初は疑う気持ちの方が強かったんです。「AIに任せるなんて親の怠けでは?」と。けれど実際に使ってみると、印象はまったく違いました。AIは“正解”を教える存在ではありません。子どもの言葉を否定せずに受け止め、「それでどう思った?」「どんな場面が心に残ってる?」と中立的な立場から問いを返すことに徹します。もちろん、親でも同じように問いかけることはできます。しかし、私たち親は子どもを想うあまり、そこには「もっと良い文章を書いてほしい」「こう感じてほしかった」という期待や願いが、無意識ににじみ出てしまうことがあります。子どもはその期待を敏感に感じ取り、プレッシャーからかえって口を閉ざしてしまうケースも少なくありません。その点、AIには人間のような期待や評価がありません。余計な圧をかけず、ただただ相手の言葉を受け止め続ける。だからこそ、子どもにとって「安心して話せる存在」になり得るのだと感じました。

「悔しい」で止まっていた日記が変わった日

ある日、小学6年生の息子がバスケの試合後に日記を書きました。「今日は試合で負けました。悔しかったです。」これで終わり。けれど彼の中にはもっと強い感情があるとわかっていました。私はその時、AIに聞き役を任せてみました。

AIとの対話が引き出した“気づき”

子ども: 「今日の試合、負けて悔しかった」AI: 「そっか、残念だったね。特にどの場面が心に残ってる?」子ども: 「最後の1分で逆転されたことかな……」AI: 「そうだったんだ(略)……ひとつだけ聞いてもいいかな。今日の試合で、『これは頑張った!』って自分で自分を褒めてあげられることって、何かあった?」子ども: 「わからない。……あっ、でも、今までで一番大きな声を出せた。ピンチの時も、チームのみんなを励ます声をずっと出した」

感情を言葉にできた瞬間

その直後、彼が書き直した日記はこう変わりました。「今日は試合で最後の1分に逆転されて負けた。10点差を追いついて“勝った”と思ったのに、ひっくり返されて頭が真っ白になった。でも、今までで一番大きな声を出せた。仲間が下を向いた時も声を出し続けた。次はこの声を勝ちにつなげたい。」ただの一文がここまで豊かに変わったのです。もしAIを使わなければ、私が「もっと詳しく書いて」と口を出して終わっていたでしょう。彼が「声を出した自分」を誇れるようになったのは、AIが中立の聞き手になったからだと実感しました。自分の感情を深く見つめ、具体的なエピソードと結びつけて言葉にする力。これは日記だけでなく、あらゆる作文の土台となります。だからこそ、読書感想文や手紙を書くときにも、AIが思考を深める良きパートナーとなってくれるでしょう。

ご家庭でできる実践方法

特別なアプリや難しい設定は必要ありません。ご家庭のパソコンやスマホからアクセスできる対話型AI(例:ChatGPTなど)で十分です。親のアカウントを使い、隣に座って子どもの言葉を代わりに入力しながら見守ると安心してやりとりできます。ここで使うのは『プロンプト』という、AIへの指示文です。検索エンジンへの入力と似ていますが、情報ではなく会話が返ってきます。つまり、AIを「聞き役」として働かせるための設定だと考えてください。

【そのまま使えるプロンプト例】

あなたは小学生の良き聞き手です。これから私の子どもが話す内容を決して否定せず、評価もせず、優しく受け止めてください。そして、彼が自分の気持ちをより深く考えられるような、オープンで簡単な質問を一度に一つだけ投げかけてください。

親子のための、新しい「心構え」

とはいえ、新しい技術には不安や疑問がつきものです。読者の方も、こんな疑問を抱くかもしれません。

Q. やっぱり、親が話を聞けばいいのでは?

もちろんそれが理想です。ただ、子どもは親に対しては「こう言うとガッカリされるかも」「期待に応えなきゃ」と感じて、本音を言いにくいことがあります。AIは余計な評価をしないため、子どもが安心して気持ちを話しやすい場面があるのです。その違いは小さいようでいて、子どもにとっては大きな意味を持ちます。

Q. AIがないと書けない子にならない?

AIは正解を与えるのではなく、問いを返すだけです。続けていくと、子どもは「AIなら次に何を聞くだろう」と考えるようになり、自分で自分に問いを立てられるようになっていきます。AIは自転車の補助輪のような存在です。慣れてくれば、一人でも深く考えられるようになります。

Q. AIの言うことは、いつも本当に正しいの?

いいえ、時々見当違いなことや、おかしなことを言う場合もあります。でも、それを確かめ直す過程こそが学びになります。「その情報は正しい?」と確かめる力は、これからの時代に必要なスキルです。

AIは、子どもの思考を手助けする選択肢の一つ

生成AIは代わりに宿題をやってくれる道具ではありません。しかし、子どもの心に寄り添い、「問い」を通して思考をサポートしてくれる有効なツールになり得ると、私は考えています。「楽しかった」の奥にある、まだ名づけられていないワクワク。「悔しかった」の裏に潜んでいた、小さな誇り。それらを自分の言葉で紡ぎ出す力は、これからの人生のあらゆる場面で子どもを支えてくれるはずです。自分の心にあるワクワクや誇りと向き合い、言葉にする。この経験が、自分の体験を伝える作文や、登場人物の気持ちを考える読書感想文で、自分だけの言葉を見つけるための土台となっていくでしょう。 AIとの対話は、その土台を築くための「きっかけ」を与えてくれるもの。いずれAIに頼らずとも、自分自身に問いかけながら考えを深めていく力が育っていくのではないでしょうか。親が完璧な聞き役になる必要はありません。テクノロジーを上手に活用して、子どもが自分と向き合う時間を作る。これが新しい子育ての選択肢として広がりつつあります。みなさんは、暮らしや学びの中でAIをどんなふうに活用していますか? 小さな工夫や体験があれば、ぜひコメントで教えてください。

【Profile】まり(@m316jp2)

 (1651795)

男子3兄弟(12歳・10歳・3歳)を育てる、理系主婦。家事・育児の「めんどくさいな」をテクノロジー・生成AIの力でどうにかしたくて、日々家庭に新しい仕組みやアイデアを導入し続けています。AIによる家事・育児の効率化、ルーティン作業の自動化など何でも試してリアルな体験と発見を発信中。子どもが夢中になる学び・遊びの工夫まで、子育て・教育とAIのクロスオーバー事例も多数。理系の探究心と母親としての現場感覚を掛け合わせ、「暮らしはもっと楽に、もっと楽しくなる!」という視点を大切にしています。著書『理系ママ実践!おうち遊びアイデア帳』。

X:まり(@m316jp2)

note:まり丨めんどくさいをテクノロジーで解決したい子育て中の主婦

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