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【フジ】超豪華俳優陣なのに “散々な視聴率”… 酷評された秋ドラマが、2話目で急に面白くなったワケ 30年前の名作と「共通点」?

  • 2025.10.13

視聴率は…初回5.4%、第2話4.4%

フジテレビの水曜22時ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の第1話完成披露試写会に登壇した菅田将暉さん(2025年9月21日、時事通信フォト)
フジテレビの水曜22時ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の第1話完成披露試写会に登壇した菅田将暉さん(2025年9月21日、時事通信フォト)

菅田将暉さんが主演を務め、三谷幸喜さんが脚本を手掛けるドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(通称:もしがく)」(フジテレビ系)が、賛否両論を集めています。この作品は、三谷さんが25年ぶりに民放GP帯の連ドラで脚本を務める作品として放送前から話題を集めていました。菅田さんの他に、二階堂ふみさん、神木隆之介さん、浜辺美波さんと豪華な俳優陣が出演。1984(昭和59)年の渋谷を舞台に、三谷さんの青春時代の思い出を題材にした群像劇となっています。

秋ドラマでも最注目の作品でしたが、10月1日(水)放送の第1話は平均視聴率が世帯5.4%、個人3.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)を記録。さらに第2話は、世帯4.4%、個人2.3%とかなり厳しい数字です。

第1話の見逃し配信数は200万再生を突破するなど一定の評価を得ていますが、メディアでは酷評を受けています。第2話で視聴率が悪化しているところを見ると、初回放送で“離脱”した視聴者が多いのでしょう。ただ、「もしがく」は最終回に向けて尻上がりに面白さを増すドラマになりそうです。なぜなら、第2話でストーリーが一気に盛り上がっているからです。

まず、初回放送がなぜ酷評されたのか簡単に説明します。初回放送は、菅田さん演じる久部三成をはじめ、4人のキャストの紹介がメインの構成となりました。

久部は劇団を辞め、二階堂さん演じる倖田リカは不思議な魅力をもったダンサーであることを紹介。さらに、神木さんが担当する蓬莱省吾は売れない放送作家、浜辺さん演じる江頭樹里はドラマの舞台となるストリップ劇場を毛嫌いする神社の巫女(みこ)であることを、第1話で説明しました。その他にも、「WS劇場」を中心に多くの登場人物の紹介が行われ、ストーリーの進展があまりなく序章的な放送となり構成は退屈なものでした。結果、ドラマのテンポもあまり良くなく、メディアで酷評を受けた次第です。

ただ、第2話では、退屈だった構成が一気に様変わりしました。まず、自身の劇団を辞めた久部はWS劇場の専属となり、規制が厳しいストリップの代わりに「小劇場ブーム」に乗ってシェイクスピア劇を演じることを提案。久部が、詐欺師のように演劇をやるべきだとスタッフを前に熱弁するシーンは、菅田さんの本領発揮ともいえるパッションを感じさせる演技でした。

紆余曲折(うよきょくせつ)あり、劇場にあがっていたダンサーや芸人と一緒に、寄せ集めの劇団を作り再起を目指すことを第2話では提示。蓬莱も劇団に参加が決定し、テンポ良くワクワクするストーリーの幕開けがこの放送で描かれました。

崖っぷちの劇場を立て直すため起死回生の策に打って出るさまは、三谷さんが手掛けた30年前の名作ドラマ「王様のレストラン」(1995年、フジテレビ系)に通じるものがあります。同作は、赤字続きのレストランを再建するストーリーで、個性豊かな登場人物たちが力を合わせて躍動するドラマとして人気です。この名作と「もしがく」はかなり似た雰囲気があり、「王様のレストラン」のように名作と呼ばれる可能性を秘めています。

また、三谷さんの名作と呼ばれる作品は、どれも「敗者」が葛藤を抱えながらもがき続けるところを鮮烈に描いて支持を集めてきました。「もしがく」でも。売れないストリッパー、職をなくした演出家、仕事のない放送作家と人生の敗者が多く登場。いわゆる王道な三谷さんの名作となるドラマの要素が多く、期待せずにはいられない構成です。

そんな名作の予感がぷんぷんとするドラマを、第1話だけで判断して離脱するのは損だと断言します。

今後、老若男女総勢25人超の豪華な出演者を巻き込み、ドラマが展開していく「もしがく」。第1話で離脱した人も含め、同作は見逃し厳禁なドラマだとおすすめします。

(ゆるま小林)

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