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「顔と体形のせいで書類すら通らない」… 女子向けブランド炎上が暴いた、アパレル業界の “採用ジレンマ” … 重要なのは 《見た目》 か 《人間性》 か?

  • 2025.10.2

SNSで再燃した「アパレル店員は見た目重視」の是非

アパレル店員の「見た目重視採用」は是か非か? ※画像はイメージです
アパレル店員の「見た目重視採用」は是か非か? ※画像はイメージです

2025年9月末に明らかになった、SHIBUYA109などに店舗を構えるアパレルブランド「pium(ピウム)」にまつわる“接客トラブル”が、思わぬ方向へと発展しています。1ブランドの接客問題への批判から始まった騒動は、「アパレルスタッフはスタイルがいい方がいいのか?」という業界全体の採用基準を問う議論へと広がり、SNS上で大きな注目を集めています。見た目と接客スキル、現場で求められるのは果たしてどちらなのでしょうか。

騒動の発端は同28日、piumのX(旧ツイッター)公式アカウントが投稿した「お願い」の文書でした。スタッフに対し、一部の利用客から過度な要求を受けることがあるとした上で「これらの行為は『カスタマーハラスメント』に該当」すると指摘。(1)度重なる要求や威嚇行為、(2)過度なサービスの要求、(3)スタッフに対する暴言・屈辱的な発言……などについて「固くお断りいたします」「取引の停止に加え、悪質な場合は警察・弁護士らと連携し厳正に対処いたします」としました。

しかし、この投稿をきっかけにユーザー側から「このブランドは店員の態度が悪く、高圧的で客を選ぶ」といった不満の声が相次ぎました。特に注目を集めたのは、「試着中に“これ細い人が着る服なのにねw よく足出せるねw”と(店員同士の)話し声が聞こえてきました」とつらい体験を明かす内容の投稿。これには18万件もの“いいね”が寄せられ、同ブランドへの批判はさらに苛烈なものに。

これを受けpiumは9月30日、「お客さまにご不快な思いをお掛けしましたこと、深くおわび申し上げます」とするおわび文を自身のアカウントで発信する事態となりました。

炎上の中で浮上したのが、piumのスタッフの採用基準に対する疑問でした。あるユーザーが「pium大好きだけど対応(接客)でいつも落ち込むから、そういう子が減るといいなーと思ってバイト応募したけど、やはり顔とスタイル、インスタ小規模(※フォロワー数が少ない)のせいで書類すら通りませんでした。ビジュアルも大事だけど丁寧な接客が一番だよ」と吐露したのです。

この投稿は、見た目重視の採用への不満を代弁する声として多くの反響を呼びました。別のユーザーも「私はガリ(極端に痩せたスタイル)じゃないし顔も良くないけど、本当にpiumが大好きでpium好きな人に楽しくお買い物してほしいから接客頑張りたいって思ってたんだけど、面接すらしてもらえないのツラい。ちなみに2回落ちてます」と悲しい胸中を明かしています。

果たして、アパレル店員に最も求められるのは「見た目」の美しさなのか。Xでは、見た目よりも接客の“質”が重要だという意見も多く寄せられています。中でも大勢の共感を呼んだのは、「私、すっごくデブだけど、アパレルでバイトしてた。古き良き婦人靴ブランドで『私でも履けます!』『歩きやすいですよ!』ってニコニコして販売してて、2~3万円の靴、たくさんお買い上げいただいたよ。悩みとか、スタイル良く見せるとか、いろいろ考えてる子の方が接客は向いてるよ」という経験談です。

この投稿に対する「デブ関係ないよ。あなたがニコニコしながら丁寧な接客した成果が出ただけよ」という声と併せて、「見た目より人間性が大事」という考え方が大きな共感を呼びました。

しかし、スタイル重視のスタッフを求める声にも共感するユーザーが少なくなりません。賛成派は「アパレルは商品のイメージを体現するから、スタイルいい方がいい」と主張し、「痩せててかわいい店員だと購買意欲が上がる」という補足意見もありました。

特にpiumのターゲット層である10~20代女性が「自分を投影できるスタッフ」を求める傾向があることも指摘されており、マーケティング的な視点からの擁護論も展開されています。

この論争は、単なるアパレル採用基準の問題を超えて、ジェンダーや体型差別といった社会問題にまで及んでいるようにみられます。「痩せている女性しか採用しないのは差別」という批判に対し、「スタイルのいいスタッフはブランド価値を高める」という擁護論が交錯するなど、極めて多様な意見や主張が引き続きX上で交わされています。

年齢や性別、体形などによらない採用が社会全体で進む中、戦略によっては「見た目重視」を堅守するブランドもあることが明らかになった今回の騒動。アパレル業界の採用文化と顧客期待のギャップを浮き彫りにしたとも言えます。piumの採用基準見直しを含め、業界全体での議論が今後どのような方向に向かうのか、消費者をも巻き込み注目が集まっています。

あなたは、アパレルブランドスタッフの「見た目重視採用」に賛成ですか? 反対ですか――?

(LASISA編集部)

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