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25年前、日本中が震えた“無敵の3人” 流行に迎合せず25万枚ヒットしたワケ

  • 2025.11.14

「25年前、あの轟音に心が震えた夜を覚えてる?」

2000年、世紀が変わる目前。街のネオンはどこか未来的で、“新しい時代の空気”が確かに漂っていた。音楽シーンもまた、ポップス、ヒップホップ、ロックが混ざり合い、まだ誰も名前をつけられないジャンルが生まれつつあった。そんな中で、3人組バンドが放った一撃がある。

RIZE『Why I’m Me』(作詞:JESSE・作曲:JESSE、金子統昭、TOKIE)――2000年11月1日発売

これは、単なるロックの延長ではなかった。日本語と英語が交錯し、ビートと叫びがぶつかり合う。“俺は俺だ”というシンプルな叫びが、時代の不安と自由の狭間に刺さった。

熱と静けさのあいだで

この曲を聴いた瞬間、まず感じるのは“圧”だ。ドラムの一打、ギターのリフ、ベースのうねり。そのすべてが、まるで「存在の証明」を叩きつけるように鳴っている。

ボーカルのJESSEは、ラップとシャウトの境界を自由に行き来しながら、若さゆえのまっすぐな衝動をそのまま声にしていた。

TOKIEのベースラインが生み出す低音のグルーヴ、そして金子統昭(現・金子ノブアキ)のドラムが刻むスピード感。それらが混ざり合うことで、怒りでも悲しみでもなく、“生きている音”そのものが鳴り響く。

2000年という節目の年に、この3人が鳴らした音は、時代の息遣いをまるごと封じ込めたようでもあった。

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ボーカルのJesse-2005年撮影(C)SANKEI

ミクスチャーの未来を照らした3人

『Why I’m Me』は、SONYの「Red Hot 2000キャンペーン」CMソングとしても注目を集め最終的にクォーターミリオン(25万枚)を達成した。テレビから流れるそのサウンドは、どこか挑発的で、でも耳に残るキャッチーさを持っていた。

この時期のRIZEは、JESSE、金子統昭、そしてTOKIEの3人編成。いずれも確かな演奏力と独自の個性を持つアーティストで構成されていた。TOKIEはすでに多くのセッションを経験しており、その存在感はバンドのサウンドに重みを与えていた。

金子統昭は、父・ジョニー吉長の血を受け継ぐ圧倒的なドラマーとして頭角を現しつつあり、JESSEの鋭い感性とぶつかり合うことで、RIZE独自のエネルギーが生まれた。

この3人による“Why I’m Me”期のRIZEは、まさに「何かが始まる予感」を体現していたのだ。

今も残る“初期衝動”の輝き

タイトルの“Why I’m Me”――直訳すれば「なぜ俺は俺なのか」。この問いは、RIZEというバンド名そのものと同じくらい象徴的だった。

彼らの音は、「答え」を探すのではなく、「存在すること」そのものを肯定していた。誰かの真似でも、流行への迎合でもない。自分が信じる音を鳴らすという覚悟。それは2000年当時、混沌とした時代において最も“リアル”なメッセージだった。“Why I’m Me”は、叫びであり、祈りであり、そして宣言だった。

25年が経った今、RIZEはメンバーチェンジを経て、サウンドはさらに洗練され、彼らの活動も多岐にわたっている。しかし、この『Why I’m Me』を聴き返すと、どんな進化よりも先にあった“原点の衝動”が鮮明に蘇る。

「なぜ俺は俺なのか」と叫ぶこと――その瞬間こそが、音楽の自由そのものだった。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。