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25年前、活動休止前に放った“静かに燃える”ラストソング 『人気ドキュメンタリー』のエンディングテーマ

  • 2025.11.11

「25年前の秋、あなたはどんな夜を過ごしていた?」

2000年の東京。街のネオンがいつになく穏やかに瞬き、誰もが“ミレニアムの静けさ”に少し戸惑っていた頃。そんな季節に、THE YELLOW MONKEYが放った1曲が、時代の終わりと始まりの狭間をやさしく照らしていた。

THE YELLOW MONKEY『BRILLIANT WORLD』(作詞・作曲:吉井和哉)――2000年11月1日発売

23枚目のシングルにして、TBS系『世界ウルルン滞在記』エンディングテーマ。活動休止前、テレビで最後に披露されたこの曲は、“終幕”を予感させながらも、不思議と温かい光を放っていた。

夜明け前のような“静かな強さ”

イントロのギターが鳴った瞬間、そこにあるのは激情ではなく静けさ。これまでのTHE YELLOW MONKEYが見せてきた華やかなロックとは対照的に、『BRILLIANT WORLD』は、内側へと向かうエネルギーを宿したバラードナンバーだった。

淡く揺らめくクリーンギターに寄り添うように、吉井和哉のボーカルが伸びていく。力強くも儚いその声は、まるで夜明け前の空気を震わせるように、聴く者の胸に静かに沁みていく。

吉井和哉が見つめた“輝ける世界”

作詞・作曲を手がけた吉井和哉が描いたのは、ただの別れではなかった。“輝く世界”というタイトルが示す通り、この曲には希望と再生のまなざしが宿っている。

音数を絞り、余白を大切にしたアレンジは、まるで「言葉よりも音で想いを伝える」ような潔さを持っている。それは、バンドとして積み上げてきた時間を一度手放し、新しい景色へと歩み出そうとする決意のようでもあった。

テレビの画面に残った“最後の姿”

『世界ウルルン滞在記』のエンディングで流れるたび、旅人が異国で見た光景と、この曲の“終わらない余韻”が重なった。そして同年末、テレビでこの曲を披露した彼らの姿は、静かに燃えるロックの美学そのものだった。

それが「活動休止前の最後のテレビ出演」となったこともあり、ファンにとって『BRILLIANT WORLD』は“ひとつの時代の締めくくり”として記憶されている。だが、その幕は完全に降りたわけではなかった。

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2001年1月、活動休止コンサートでのTHE YELLOW MONKEY(C)SANKEI

25年後の今も、消えない光

翌2001年にバンドは活動休止、活動休止中にもシングル『プライマル。』をリリースしたが、2004年に解散。しかし時を経て2016年に再びステージへ戻ってくる。今思えば『BRILLIANT WORLD』は、休息へと向かう“橋渡しのような曲”だったのかもしれない。

年月が経っても、この曲が放つ“静かな輝き”は色あせない。それは、ロックバンドの“強さ”が必ずしも音量の大きさではないことを教えてくれる。

激情ではなく、静寂の中で燃えるロック――その姿こそTHE YELLOW MONKEYの真髄だ。

あの夜に鳴った“輝ける世界”は、今も私たちの記憶の奥で、静かに光り続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。