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「ほんとに残念」重要キャスト“突然の降板”にNHK激震…だけど「すでにただ者ではない」当時18歳の名女優が魅せた傑作ドラマ

  • 2025.10.18

観終わった後、強烈に心に刻まれる作品の数々。それは、何度も観たくなるような面白く感動するものもあれば、胸をえぐるような切なさや価値観を根底から揺さぶるような衝撃的なものもあります。今回は、そんな“忘れられない名作ドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第4弾として、1991年放送のドラマ『太平記』(NHK)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“忘れられない名作ドラマ”『太平記』

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宮沢りえ(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『太平記』(NHK)
  • 放送期間:1991年1月6日~12月8日

あらすじ

吉川英治さんの小説『私本太平記』を原作に、NHKで放送された大河ドラマ第29作目。

鎌倉幕府の名門に生まれた足利尊氏(真田広之)は、執権・北条高時(片岡鶴太郎)らがもたらす幕府の腐敗に失望していました。やがて、かねてより敬愛していた後醍醐天皇(片岡孝夫※)の挙兵を知ると、尊氏は幕府に反旗を翻すことを決意します。

尊氏は新田義貞(故・萩原健一/故・根津甚八)らと共に北条軍を打ち破り、倒幕の英雄となります。しかし、後醍醐天皇による「建武の新政」は武家を軽んじる尊氏の理想とは反したものでした。武士の世を創るという理想との間で苦悩した尊氏は、ついに後醍醐天皇との全面対決へと踏み切ります―。

※現在は、十五代目・片岡仁左衛門を襲名

ドラマ『太平記』の見どころ※ネタバレあり

1991年に放送された大河ドラマ『太平記』は、今なお多くの時代劇ファンから「神ドラマ」「NHK大河の最高傑作」と評される不朽の名作です。その魅力は、歴史上の逆賊として描かれがちな足利尊氏を苦悩と愛に生きた人間味あふれる主人公として描き切った点にあります。南北朝の動乱という複雑な時代を背景に、忠義と裏切り、愛と憎しみが交錯する骨太な人間ドラマが、多くの視聴者を魅了しました。

そんな本作で尊氏を演じた主演の真田広之さんの演技も見事でしたが、それ以上に大きな話題を呼んだのが、当時18歳だった宮沢りえさんの演技です。尊氏の側室・藤夜叉を演じた彼女の瑞々しくも妖艶な魅力と圧倒的な存在感は、多くの視聴者に衝撃を与えました。SNSでは「すでにただ者ではない」「まだ18歳とは思えないほど周りを圧倒していた」と絶賛され、若き日の宮沢さんの才能を証明する作品となりました。

重要キャストが持病の悪化で途中降板した背景

大河ドラマ史に残る傑作として名高い1991年放送の『太平記』。豪華キャストが織りなす重厚な人間ドラマが魅力ですが、その裏側では、作品の方向性を揺るがしかねない大きなキャスト変更劇がありました。主人公・足利尊氏の盟友であり、ライバルでもある重要人物、新田義貞役。当初この役は、カリスマ的な存在感を放つ俳優・萩原健一さんが演じていました。しかし、萩原さんの持病が悪化したことで、途中で降板を余儀なくされたのです。

萩原さんの降板という緊急事態を受け、急遽代役として白羽の矢が立ったのが根津甚八さんでした。準備期間もほとんどないなかでの大役でしたが、根津さんは見事にその重圧を跳ねのけます。根津さんは、萩原さんが作り上げた新田義貞に沿いながらも、また違った魅力を放つ存在として役を熱演。視聴者からは「替えはきかない」「ほんとに残念」という意見が多かったにもかかわらず、根津さんの圧巻の演技に対し「根津さんにしたのは大英断」「最高だった」と称賛の声が多く寄せられました。

ドラマ『太平記』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“日本の大分裂時代を描いた壮大な歴史物語”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です