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「なかなか観れない…」“視聴困難”な神アニメ…なのに「間違いなく人生で1番観た」“数年に1度”のリバイバル上映に巻き起こる熱狂

  • 2025.10.18

傑作と語り継がれながらも、今では観ることが極めて困難になってしまった邦画が存在します。権利問題やフィルムの散逸といったさまざまな理由から、その姿をなかなか現さない名作たち。今回は、そんな“幻の名作邦画”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2012年公開の映画『花の詩女 ゴティックメード』(角川映画)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“幻の名作邦画”『花の詩女 ゴティックメード』

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(配給):映画『花の詩女 ゴティックメード』(角川映画)
  • 公開日:2012年11月1日

あらすじ

自然豊かな惑星・カーマイン・プラネットでは、人々を導く預言者「詩女(うため)」が心の支えとなっていました。新たな詩女の役目を担うことになった少女・ベリン(声・川村万梨阿)は、任地である聖都ハ・リを目指して旅をしています。

しかし、その道中、ベリンの命を狙う者がいるという不穏な噂が広がり、ドナウ帝国の皇子・トリハロン(声・佐々木望)が護衛の任に就くことになりました。そんな彼らの行く手には、大きな試練が待ち受けているのでした―。

映画『花の詩女 ゴティックメード』の見どころ※ネタバレあり

漫画『ファイブスター物語』の作者として知られる永野護さんが、原作・脚本・監督・デザイン・作画まで、その制作工程のほとんどを手掛けたアニメ映画『花の詩女 ゴティックメード』。商業的なセオリーを度外視し、たった3名ほどの少数精鋭の作画スタッフと共に、自らの理想とする映像を徹底的に追求して作り上げられています。永野さんが持つ、唯一無二の作家性を放った作品と言えるでしょう。

そんな徹底したこだわりのもとで生み出された12Kの映像と音響体験は、観る者を圧倒しました。優雅で美麗なキャラクターデザイン、常識を覆すデザインの巨大ロボット「ゴティックメード」、そしてスクリーンを埋め尽くす緻密な描き込みとサウンドは、他の作品では味わえない衝撃を与えてくれます。SNSでは「圧倒されっぱなし」「鳥肌が立った」「間違いなく人生で1番観た」といった称賛の声が相次ぎました。

監督「映画は映画館で見ろ」映像ソフト化・配信されない神アニメ

圧倒的な映像美と世界観で、多くのファンを魅了した映画『花の詩女 ゴティックメード』。2012年の公開以降、度々リバイバル上映されて話題を呼びました。しかし、本作はDVD化・ブルーレイ化がされておらず、配信サイトでの配信もありません。そのため、ファンの間では「円盤化・配信されない幻の作品」と呼ばれ、「なかなか観れない…」と嘆く声も。

映像ソフト化・配信がないことに対し、ファンの間では12Kの映像データが膨大でソフト化できないのではないかという噂が広がりました。しかし、永野監督は2019年5月8日に自身のX(旧Twitter)で「『古くさいメカなんて飽きた』『映画は映画館で見ろ』それだけです」とコメント。これは、「最高の環境で作品を体験してほしい」という、監督からファンへのメッセージのようにも感じます。そのため、本作の上映は単なる映画鑑賞ではなく、ファンにとっては数年に一度の“お祭り”であり、特別な“体験”となっているのです。

映画『花の詩女 ゴティックメード』がソフト化・配信されることは、無いと言っても過言ではないでしょう。そのため、視聴するにはリバイバル上映の機会を狙うほかありません。本作を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、ぜひ復活の動向を伺ってみてください。


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です