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「かなり攻めてる」人気女優が“当時15歳”で挑んだ衝撃作…放送から27年、語り継がれる名ドラマ

  • 2025.10.17

ドラマの中には、年月を経てもなお多くの人の心に残り、もう一度テレビで観たいと熱望される作品があります。今回は、そんな中から“再放送を望むファンの多いドラマ”を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、ドラマ『神様、もう少しだけ』(フジテレビ系)をご紹介します。1998年の放送当時、社会的タブーを真正面から描きながら、“生きること”と“愛すること”の意味を問いかけた本作。金城武と深田恭子が紡ぐ、儚くも純粋な愛の物語とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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エランドール賞新人賞授賞の深田恭子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『神様、もう少しだけ』(フジテレビ系)
  • 放送期間:1998年7月7日~9月22日
  • 出演: 金城武(石川啓吾 役)

音楽プロデューサーの石川啓吾(金城武)は、華やかな成功を手にしながらも、心の奥に深い孤独を抱えて生きていました。恋人の死をきっかけに、生きることへの情熱を失いかけていた彼は、ある夜、一人の女子高生・叶野真生(深田恭子)と出会います。

16歳の真生は、家にも学校にも居場所がなく、夜の街を徘徊しながら、わずかな刺激にすがって生きていました。そんな彼女にとって、憧れの存在である啓吾の音楽だけが、世界を特別なものにしてくれる唯一の救い――。どうしても彼のライブに行きたい一心で、真生は援助交際に手を出してしまいます。そして、運命に導かれるように出会った二人は、一夜を共にするのでした。

その夜を境に、真生の迷いは消え、啓吾もまた、真生のまっすぐで純粋な想いに心を動かされていきます。三か月後、啓吾からの突然の電話に胸を高鳴らせる真生。しかしその直後、医師から思いもよらぬ宣告を受けます――「あなたはHIVに感染しています」と――。

突きつけられた現実に、真生は深い絶望の中に沈みます。けれども、自らの命に限りがあると知ったことで、彼女は初めて“生きること”そして“愛すること”の意味に気づき始めます。HIV感染という現実がもたらす苦悩や偏見に翻弄されながらも、愛する人の支えを胸に、真生は限られた「今」を懸命に生きようとするのでした――。

15歳の深田恭子が初主演で挑んだ“禁断の純愛”

ドラマ『神様、もう少しだけ』は、1998年にフジテレビ系で放送されたラブストーリーで、「生きること」や「愛すること」といった根源的なテーマを丁寧に描いた意欲作です。

脚本は、ドラマ『ラブジェネレーション』『大奥』『ラスト・フレンズ』や映画『NANA』『今日、恋をはじめます』『彼女がその名を知らない鳥たち』などで知られる浅野妙子さんが担当し、演出は武内英樹さんが手がけました。主題歌にはLUNA SEAの『I for You』が起用され、その切なくも力強いメロディが物語を優しく包み込んでいます。

本作は、金城武さんにとって日本の連続ドラマ初主演作です。それまで主に香港映画を中心に活躍していた金城さんが、本作で初めて日本のドラマに挑戦したことでも大きな話題を呼びました。

ヒロインを演じたのは、当時15歳の深田恭子さん。デビュー間もない彼女が、重いテーマの中で、少女のまっすぐな心と揺れる感情を体当たりで演じ切り、一躍注目を集めました。

放送時には、「かなり攻めてる」「可愛さが尋常じゃない」といった声が相次ぎ、深田さんの初々しい演技に「雰囲気が好き」「癒された」「引き込まれた」といった感想も多く寄せられました。放送から年月を経た今も、「深キョンは別格」「今でもずっと好き」と語るファンが絶えず、深田さんの人気の原点として語り継がれています。

さらに、仲間由紀恵さんが啓吾のプロデュースする歌手・カヲル役を務め、宮沢りえさんと姉妹役で共演したことも話題に。本作は、仲間さんが女優として注目を集めるきっかけにもなりました。

病気や差別、孤独といった現実を描きながらも、希望を伝えようとした本作は、社会的なメッセージ性とドラマとしての完成度を両立させた作品として高く評価されています。

70秒のキスが伝えたメッセージ

『神様、もう少しだけ』の魅力は、当時としては異例だった社会的テーマを、過激な演出に頼らず「生きること」「愛すること」という普遍的な題材として描いた点にあります。脚本を手がけた浅野妙子さんは、恋愛ドラマの枠を超え、「限られた時間の中で人はどう生きるのか」という問いを物語の軸に据えました。

啓吾(金城武)と真生(深田恭子)の関係は、年齢や立場を超えた“純愛”として描かれています。

孤独を抱える大人の男性と、HIV感染を宣告された少女。対照的な二人の出会いが互いの人生を変えていく姿は、多くの共感を呼びました。特に、感染を知った後も啓吾を想い続ける真生の姿には、「生きる意味」を静かに問いかける力があります。

作中で話題となった“70秒のキスシーン”には、「HIVはキスでは感染しない」という正しい知識を伝えたいという制作側の意図が込められていたといいます。

本作のプロデューサーが「この作品の使命」と語ったように、この場面は愛と理解を象徴する印象的なシーンとして今も語り継がれています。

人生で一番心に残ったドラマ」と語る人も多く、「深田恭子の出世作」金城武と深田恭子が圧倒的なオーラを放っていた」との声が当時の印象を象徴しています。「フジテレビの傑作」「このドラマを超える作品はない」と称える声も絶えません。

近年では再放送を望む声が増え、「もう一度観たい」「リメイク版を作ってほしい」「今こそ再放送してほしいドラマ」「若い世代にも届けてほしい」といったコメントがSNSで相次いでいます。このように、“もう一度観たい名作”として語り継がれているのは、本作が多くの人々に感動を届けてきた証でしょう。


※記事は執筆時点の情報です