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エトロが率いる、色鮮やかなテクニカラーとプリントのファッションパレード【2026年春夏 ミラノコレクション】

  • 2025.9.26

マルコ・デ・ヴィンチェンツォがエトロETRO)のクリエイティブディレクターに就任して3年。彼はこのブランドのコードに、新たな方向へと弾けることができる柔軟性があることを見事に証明している。そして2026年春夏シーズン、彼は華やかさと祝祭のムードを最大限に高め、イタリアで今勢いのあるシンガー、LA NIÑAとタッグを組んだ。デザイナーはシチリア出身で、シンガーはナポリ出身。かつては同一の王権下にあった両シチリア王国の出身という、ふたりのルーツには重なる点がある。

政治と情熱、そしてイタリア南部の女性たちの力強い歌声が織りなすコーラスをフィーチャーしたLA NIÑAによる等身大のパフォーマンスは単なるBGMではなく、彼女こそがこのコレクションを燃え上がらせる火花のように映った。彼女の魂はデ・ヴィンチェンツォの手によって解き放たれ、ランウェイには色とクラフツマンシップ、装飾、フリルやフリンジの渦巻く嵐が繰り広げられた。地中海南岸を経由し、リオのカーニバルの熱狂へと向かっていく様子をイメージしてほしい。煌めくスパンコールに揺らめくヘムライン、喜びに満ちたセンシュアルでボリューミーなシルエット。それはまるで、テクニカラーで染められたパレードのようだった。

ピュアでミニマル、そして装飾を控えたデザインが目立つ今シーズン、多くのデザイナーたちが誇張を避け、派手さを抑えるなか、デ・ヴィンチェンツォはあえて異なるムードを奏でる度胸を見せた。LA NIÑAをアンプにしたこのコレクションは大胆不敵で、何事にも恐れない強い輝きに満ちていた。彼が思い描くエトロの女性像は、部屋にそっと足を踏み入れるような存在ではない。それはスパンコールを煌めかせ、フリルを揺らめかせながら、その存在を堂々と世界に示そうとする、タフな女性像だ。

※エトロ 2026年春夏コレクションをすべて見る。

Text: Tiziana Cardini Photos: Gorunway.com Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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