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【大人の秋旅】4万人が新潟県・田上町に集結⁉注目のイベント「たがみバンブーブー2025」の体験レポート!

  • 2025.9.18

ようやく日中の暑さも和らぎ、ドライブや街歩きが楽しい季節になりました。旅の行き先に、秋の新潟はいかがでしょうか。
編集部が注目したのは、「たがみバンブーブー2025」 という1か月にわたり開催されるイベント。竹あかりアートをめがけて、なんと4万人がやってくる魅力をいち早くレポートします!

地元の文化を再発見して、次世代へ。 大人世代の熱い想いが詰まった渾身のイベント!

「たがみバンブーブー」の舞台となるのは、新潟県南蒲原郡田上町(みなみかんばらぐん たがみまち)。

面積は東京の板橋区よりもやや小さい31.7平方キロメートル、人口約1万人という町です。

「バイパスを車で走ると、6分で通り過ぎてしまうくらい小さいんです」と教えてくれたのは、「たがみバンブーブー」実行委員のひとり・馬場大輔さん。

「高齢化や人口減少によって地元の文化が次世代へとつながらないことって多いですよね。田上町もそうなんです」。地元に高校がないため、子どもたちは早くから町外へ進学。そのまま地元を離れてしまうケースが多い、といいます。

「生まれ育った土地の文化をよく知らないまま、関心がないまま成長する。じゃあ、地元の文化を伝えられるイベントをやろう、自分の町を誇りに思えるように町民でやっていこう、と生まれたのが、たがみバンブーブーなんです」(馬場さん)

改めて田上町の魅力はなんだろうと、考えた時に再発見したのが「竹」だったそう。町の半分が里山と竹林で、昔からの特産品はたけのこ。町民にとってはありふれた存在だった竹ですが、これがのちに大きな話題を呼ぶことになりました。

そう、「たがみバンブーブー」は次世代に田上町の文化をつなぐ、という深い思いのあるイベント。『大人のおしゃれ手帖』世代の私たちにとってもそれぞれにふるさとはあり、文化を伝えることの大切さ、尊さを感じている人も多いのではないでしょうか。イベントの回を重ねるごとに「手伝いたい!」と、町内外からイベントボランティア希望者がどんどん増えている、というのも納得です。

ー新潟市と長岡市のほぼ中央に位置する田上町。お米の収穫を間近に、黄金色に色づく美しい田畑が広がります。

ー2025年で開催4回目を迎える「たがみバンブーブー」は、田上町の未来を思う商工会のメンバーの総意で始まったイベント。実行委員を中心に、子どもたちを含む町民のみなさん、ホテル・旅館、文化施設、飲食店、信用金庫・郵便局、参加アーティストなどなど、大勢の思いと力によって開催されています。左から二人目が、今回お話をうかがった馬場大輔さん。

放棄されてしまった竹林をアートのステージに再生

では、実際にどんなイベントなのでしょうか。

まずは、メイン会場のひとつである、たがみバンブーブー竹林にお邪魔しました。

ーライトアップされて浮かびあがるメイン会場。夜風に吹かれながら、ゆっくり歩いて竹林へ。
わくわくが募ります。

ー町のあちこちにある竹林。そのほとんどが放棄地であり、手入れが行き届いていませんでした。そこを散策ができるように、きれいに整備。サッカーコート並みの約6000㎡の圧倒的な広さ!

ーいくつも重なった竹あかりのゲートをくぐり、会場へ。自由に歩き回れる複雑なルートになっていて、いったりきたりできるのが楽しい。

ー竹を使ったアートで知られるユニット「CHIKAKEN」とパートナーシップを組み、会場を演出。やわらかにしなり、編み方により自由に姿を変える竹。改めて、私たち日本人にとっては身近な存在でありながらも、アートにもなる美しさを秘めた素材だと、この会場を体験して改めて感じました。

ー美術家・髙橋匡太さんによる『まきまき竹あんどん』。竹に糸を張り巡らせ大きな行燈に見立て、音楽と光を連動させるというインスタレーション。糸は、新潟県内の企業の協力により、廃棄予定だった繊維を活用。毎年、地元の二つの小学校の4年生以上の児童たちも参加して制作するそう。

ープロジェクションディレクター・岸本智也さんによるプロジェクションマッピング。竹に投影された映像の幻想的な世界に、時間を忘れて見入ってしまいます。

ー昨年も大人気だったという、パワーアップしたロープ遊具アーティスト・はんすさんによるロープアスレチック。この空中散歩、怖いけど、楽しい! 大人も恥ずかしがらずにぜひチャレンジして。

朝ヨガ、ライブ、ナイトマーケット、サウナなど 竹林で楽しいイベントが盛り沢山!

夜間の竹林でのアート鑑賞のほかにも朝ヨガ、ライブ、ナイトマーケット、サウナなど、時間帯と会場を変えてのイベントがめじろ押しです。

特に、地元の人たちが楽しみにしているというのが、町内の中学校に通う3年生がプロデュースする「バンブーナイト」〈10月11日(土)午後5時から9時まで 会場:道の駅たがみ〉。

中学生の視点で「田上の魅力は?」を考え、授業の一環として半年間もかけて、この日のためにプロの力を借りながら準備をするそう。最初にうかがった通り、卒業後はほとんどの生徒が町外に進学するため、子どもも大人もこのイベントが大きな思い出になるといいます。今年は、音楽ライブの予定だとか。

竹あかりでライトアップされた「道の駅たがみ」を会場に、どんなライブになるのでしょう。その背景を思うと、どんなかたちであれ、感動して泣いてしまう予感しかありません。

「道の駅たがみ」も会場のひとつ。会期中は営業時間を延長して、イベントや食事を楽しめる場になります。
関連イベントの詳細・予約は写真をクリック!

アートイベントとともに温泉も楽しめる! 歴史ある「湯田上温泉」で旅の疲れも癒やして

「たがみバンブーブー」は、9月13日から10月13日まで1か月にわたり開催される長いイベントです。

そこで、じっくりと田上町の魅力を感じるためにも、おすすめしたいのは宿泊すること。特に、田上町が擁する「湯田上温泉」は、280年もの歴史ある湯治の街。開湯は1738年と古く、町のランドマークである護摩堂山を訪れた修行僧が湯治をしたりと、「薬師の湯」として今も愛されている湯でもあります。ナトリウム・塩化物泉で、疲労回復や婦人病に効果があるとか。

そんな田上町内には4つの温泉旅館・ホテルがあり、いずれも素敵な雰囲気。

「たがみバンブーブー」会期中は、協力会場として4館すべてにバンブーアートが設置されています。日帰り温泉利用もできるそうです。

ー大正元年創業「湯田上温泉 ホテル小柳」の自慢は、越後平野を見下ろす露天風呂。温泉は飲泉もできるそうで、肌がきれいになるとか。


ーファミリーでも女子会でも夫婦ふたり旅でも、ゆっくり広々と過ごせそうな客室。露天風呂・サウナ・ミニキッチン付きのスペシャルなお部屋もあります。

ー「湯田上温泉 ホテル小柳」は、町民から愛される山・護摩堂山(ごまどうやま)の登山口まで5分。きれいに整備された登山道が続き、徒歩約40分で景色のいい山頂に。初夏には、約3万株の紫陽花が咲き誇るとか。秋は、紅葉がきれいです。


ー近隣には、苔がきれいな寺や、親鸞上人のいわれがある寺など、歴史ある寺社、街道の雰囲気が残されています。

ーイベントの情報を知りたい場合は、「やさしい道の駅たがみ」へ。さまざまなまちづくり活動にも取り組んでおり、その活動自体が2024年の「GOOD DESIGN賞」を受賞するなど、地方の新しい発信基地のお手本的存在。

ー「やさしい道の駅たがみ」の駐車場一角に特設されたのは、竹を組み合わせた巨大ブランコ。背中をおしてもらいながら風を切り乗るブランコの心地よさは、大きな旅の思い出のひとつになるはず。

ー地元の魅力を伝えるべく全力投球の「やさしい道の駅たがみ」は、オリジナルパッケージのデザインも含め、商品がとても魅力的。田上町特産物であるたけのこを加工した缶詰は、お土産にぜひ。

ー田上町の名産「梅」や日本海ならではの「のどぐろ」を加えたしょうゆや、雪室で熟成させたというしょうゆなど、調味料もおいしい。

「たがみバンブーブー2025」開催中、隣接する燕三条でも4日間にわたり「工場の祭典2025」が開催されます(10月2日(木)−5日(日))。

刃物やキッチンツールなどで知られる燕三条地域の企業の工場がいっせい開放され、普段は見られないものづくりの現場を見学・体験できる貴重なイベント。ぜひ、たがみバンブーブーとあわせて、足を運んでみてください。

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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