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【50代のおしゃれ旅/会津若松】争奪戦必至の日本香堂×宮泉銘醸の限定日本酒を先行試飲!会津さざえ堂など必見スポットもご紹介

  • 2025.9.14

こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。日によって朝夕の空気がほんの少しだけひんやりしてきたような気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

今回は、プレスの方からのお招きで会津若松に行ってきました。今年450年を迎えた香りの老舗・日本香堂グループが、日本酒好きの間では“幻の酒”として人気の高い「冩樂(しゃらく)」などの銘酒で知られる福島県会津若松市の酒蔵・宮泉銘醸(みやいずみめいじょう)と“香り”にフォーカスした日本酒を共同開発し、発売するというのです! オンラインでも購入できるボトル商品(720mL)は9月15日(月)発売、このあとオンラインショップもご紹介しますので、気になる方はお急ぎください!

宮泉銘醸さんの酒蔵の見学に伺いつつ、試飲させていただきました! さらに、前々から「いつか絶対行きたい!」と思っていた会津さざえ堂や、モダンにアレンジした会津の伝統工芸が集まる「ヒューマンハブ天寧寺(てんねいじ)倉庫」もご紹介します。

まるでお香のようなストーリー性のある香りを楽しむ限定日本酒「暁霞 -AKIGASUMI-」

織田信長が天下を握っていた天正年間、1575年に創業した京都発の香司(こうし)「香十(こうじゅう)」の名跡を継承して今年で450年を迎えた日本香堂グループ。「青雲」などのデイリーなお香から、香道で使われる本格的なお香、さらにライフスタイルの一部として楽しめるモダンなお香やフレグランスなどを幅広く手がけています。

そんな香りのプロフェッショナルが、酒造りの匠・会津若松の宮泉銘醸とタッグを組み、純米吟醸酒「暁霞(あきがすみ)」をリリース。宮泉銘醸といえば、特約店でのみに販売、製造数に限りがあるため味わう機会の限られる銘酒「冩樂」が有名。全国の愛好家から高い人気を誇っています。

リリースのニュースを聞いただけで、お酒好きなら「どうしたら手に入るの!?」とお思いだと思うのことでしょう。実は8月から、できたての生酒が東京・銀座の名店「銀座らん月」および「唎(き)き酒処 酒の穴」で、数量限定で提供されていたのですが、こちらはすでに完売……! さすがの人気です。

そして、満を持して9月15日(月)より銀座らん月のオンラインショップと唎き酒処 酒の穴の店頭で、1回火入れ(加熱処理)をしたボトル商品(720mL)が販売されます!

香りのプロと酒の匠がタッグ! 史上初のビッグプロジェクト

この貴重なお酒をひと足早く味わうべく訪れたのは、宮泉銘醸の酒蔵。

酒蔵をご案内いただいた宮森大和さん曰く「創業は祖父の代ですが、うちのお酒が全国区になったのは、兄の代になってからのここ20年ほどのことですね」。大和さんと兄で社長の義弘さんは、いずれも前職はシステムエンジニア!

「23年前に兄が帰ってきて、2007年に〈冩樂〉のプロトタイプとなる酒を生み出し、忙しくなり始めた頃に僕も戻ってきて、今では年に20万本ほどを出荷するほどになりました。なんで、僕は兄をめちゃくちゃリスペクトしています」。酒蔵というとつい老舗のイメージがありますが、意外なパターン。

システムエンジニア出身とあって、兄弟ともに「数字が大好きで、データ化しないと気が済まないんです」と笑う大和さん。酒の味もさまざまな機器を駆使して数値で管理しています。

「蒸した米と米麹、水を使い、アルコール発酵させたものが日本酒です。発酵を起こすのが酵母ですが、酵母は生き物。徹底してデータ管理しても、必ずしも思い通りになりません。やんちゃな酵母を子守りしてるような感じですが、それが面白い」。そう捉える大和さんの感性も面白いです。

「酒造りは酵母と向き合う仕事なので、酵母にとって理想的な環境作りが大切です。酒蔵は徹底して清潔に保っています。そういう基本的なことをどれだけ手を抜かずにやるかが、味のカギを握っていると思います」と大和さんが語る通り、蔵の中はとてもキレイ。

「とくに酒母(酵母を培養した液体)のある部屋はもっともキレイにキープしています」。温度管理も重要だそうで、部屋ごと常に7℃に保たれています。特約店と契約したうえで生産することで、ボトリングしてすぐ出荷することができ、ロスもゼロ。

「保存している間に酵母によってどんどん味や香りも変わってしまうので、僕たちが作った味のままで味わっていただくためにこういう売り方に辿り着いたんです」。宮泉銘醸の酒が“幻の酒”になったのは、鮮度へのこだわりゆえだったんですね。

奇跡の共同開発ともいうべき今回のプロジェクトは、構想数年、使用する米の選定などの具体的な作業に2年前から入り、今年完成したもの。

宮泉銘醸ではこれまでひとつの酒に1種の米と酵母を使用してきましたが、今回のテーマである“香りの複雑性”を追求し、2種の米と3種の酵母をかけ合わせることに初トライ。その結果「香りがめちゃくちゃキレイ」(大和さん)なお酒ができあがりました。

私は飲み道楽ではないので素人の感想ですが、実際にいただいてみて日本酒では感じたことのない軽やかな香りだと思いました。コメコメしていないと言いますか……。

口に含んでからも表情豊かに香りが変化していき、心地よい余韻がやや長く残ります。甘すぎずキリッとしていて、しつこくなくさわやか、それいでいて最後に米の渋みが残り、食が進みそうです。

日本香堂ホールディングスの小仲社長は「フレグランスがトップ、ミドル、ラストノートと香りがうつろうように、日本酒にも注いだ瞬間に立ち上る“立ち香(か)”、口に含んだときに感じる“含み香”、飲んだあとの余韻として広がる“戻り香”という香りの変化があります。ふくいくたる香りと味わいが幾層にも重なるこの酒を、春山に朝もやががかかり幻想的な色あいを見せる美しい光景に見立てて、5月に発売したお香〈羅國(らこく)暁霞〉とおなじく〈暁霞〉と名づけました。宮泉さんだからこそ実現した仕上がりです」と自信の表情。唎酒師・坂本さんによると「冷やでもぬる燗でも美味しいと思います」とのこと。

最後に宮泉銘醸の社長、宮森義弘さんに「弟さんの兄愛をどう思ってます?」と気になっていたことを聞いてみると「めちゃめちゃプレッシャーですね」と照れ笑い。隣で聞いていた弟の大和さんは「ウチは日本で一番仲の良い酒蔵かもしれないです」と、結構真顔。そのチームワークこそが、多くの方に愛される酒造りのカギかもしれないな、と思いました。

ぐるぐる上り、ぐるぐる下る 唯一無二の不思議な建物「会津さざえ堂」

何かで見かけてからというもの、いつか絶対に行ってみたいと思っていた会津さざえ堂。もともとは会津若松市の飯盛山(いいもりやま)にあった正宗寺(しょうそうじ)というお寺に建立されたもので、上がって降りてくるだけで西国三十三観音をまとめてお参りできるというお堂でした。六角形の三層構造をしています。

正面の入り口の上の方を見ると、龍がぐるんぐるん巻きついています。寛政8年(1796)築だそうですが、江戸時代の建物にはこうしたデフォルメ表現が好まれたようです。

なかに入ると、左手にスロープが。もちろん全て木製です。中心部分には作りつけの厨子があり、33体の観音さまがお祀りされていました。なお、現在は観音像ではなく、会津藩の道徳の教科書「皇朝二十四孝」の絵額が掲げられています。

厨子下部の入れ物にお賽銭を入れると樋(とい)を伝って一箇所に集まるように設計されているそう。会津さざえ堂を考案したのは、創建当時の住職・郁堂(いくどう)さん(写真右手のお像の方)だそうですが、お坊さんならではの効率化アイデアです。

スロープなのでどれぐらい上がったのか感覚が掴みづらいのですが、チラッと外を見ると結構な高さ。建物全体では16.5mほどの高さがあるそう。

こちらがてっぺん。お太鼓橋のように盛り上がった部分を乗り越えると、下りのスロープに続いていきます。つまり、時計回りの上りのスロープと、反時計回りの下りのスロープが別ルートでひとつの建物のなかで同居する、二重の螺旋構造になっているんです。

“さざえ堂”と呼ばれる建物はほかにも例がありますが、螺旋構造なのは会津さざえ堂だけ。世界でも唯一の構造であることから、重要文化財にも指定されています。写真では本当に伝わりづらいので、ぜひ訪れていただきたい……!

人生のウィッシュリストのひとつを叶えて大興奮の私は、さざえ堂グッズを買い求めにいそいそと「山主飯盛本店」へ。

ステッカーやキーホルダー、バッグに巾着ポーチなど充実のラインナップ。私はステッカーを買いました。

赤べこなど、会津伝統の民芸品も。起き上がりこぼしをゲット!

この日、ニュースになるぐらいのゲリラ豪雨が降ったのですが、なんとかかわして取材して回っていた私。帰りがけに飯盛山から見下ろすと、天使の階段(中島みゆきさんの影響で、雲の切れ目から太陽の光が線のように降りることを私はこう呼んでいます)が! ギフトのような風景でした。

昔と今、人と人とをつなぐ“ハブ” ヒューマンハブ天寧寺倉庫

人づてに、会津若松に暮らしている方からおすすめいただいて伺った「ヒューマンハブ天寧寺倉庫」。外観はまさに倉庫。

古来、茶会など屋外でも漆器が使われてきたことから着想を得たという、アウトドア会津漆器ブランド「NODATE(ノダテ)」は、「拭き漆」という技法を採用した木目の個性も楽しめるユニークなデザイン。

リュックなどにそのまま下げられる鹿革のループ付きで、抹茶椀やマグ、おちょこなどがラインナップしていました。

カラフルな縞柄が特徴的な会津木綿の雑貨なども。手ごろなので、おみやげにもぴったり。

会津木綿のウェアも素敵。トップス、スカートにパンツ、ワンピース、サロペットにエプロンとフルラインナップ揃っています。生地のざっくりとした風合いも味があります。

カラフルなボックスは、今や市場に1〜2%しか流通していない“国産漆”を使用しているという会津漆器ブランド「urushiol(ウルシオール)」のもの。最近は、色漆のカラーバリエーションもこんなに多いんですね。

こちらも会津漆器のブランドで「BITOWA(ビトワ)FROM AIZU」のテーブルウェアと一輪挿し。上段の「choshi tea & sake pot」、シャレの効いたネーミングも素敵。

会津のフードも取り揃えられていました。ちなみに、1階にはカフェもあります。

実は、当日伺ってからゲリラ的に取材をお願いしたのですが、こちらを運営されている関美工堂(せきびこうどう)の代表・関 昌邦(まさくに)さんがたまたまおられたので、2階のシェア&コワーキングオフィスでお話を伺いました。

「関美工堂のルーツは、これなんです」と、表彰される際などにお目にかかる楯を見せていただきました。なんと、表彰楯を日本で最初に作ったのは、関さんのお祖父ちゃん!「楯を作るのに、会津漆器の技術が使われていたんです。逆に今は表彰楯の需要が減ったこともあり、会津漆器に原点回帰しました」

東京で宇宙産業に従事し、思いがけなく家業を継ぐことになったという関さんですが、だからこそ思考は柔軟、行動はアグレッシブ。会津漆の伝統を守りながらも、東京の有名施設のインテリアを漆で仕上げるなど、幅広いお仕事をされています。

「これからの時代に求められるローカルハブとして機能し、次世代に繋がるモノづくり/コトづくりを国内外に発信する場」として2022年にオープンしたヒューマンハブ天寧寺倉庫は、関さんの発想とパッションの賜物。ワクワクできる会津のモノに出合えるので、ぜひ足を運んでみてください!

会津には美味しいものもいろいろ。日帰りだったのでランチだけですが、田季野さんで元祖・輪箱飯(わっぱめし)をいただきました。

最後はタイムアタックのように時間がなく、カフェに寄る時間もなかったので、会津若松駅で会津の銘菓などを購入して、なんとか間に合った帰りの電車のなかでホッとひと息。甘いものが染みる〜!

会津若松駅でも乗り換えの郡山駅でもお土産ものの売店を覗いたのですが、どちらでも売り切れていて気になったのが「会津山塩」。海の塩でも岩塩でもなく、会津の大塩裏磐梯温泉の塩分を含む源泉が結晶化したお塩だそうです。

どうしても味わってみたくて、帰りながらオンラインで購入。通常1か月は待つそうですが、思ったより早く届いたのでご紹介します!

家にあった海のお塩、ヒマラヤ岩塩と食べ比べてみると、まろやかな塩っぱさで、とくに海の塩に感じるかすかな苦味のようなものが口に残りません。繊細なお料理の味付けにも良さそうです。

【番外編】日本香堂のルーツ「香司 香十」 京都・二寧坂店

後日、別件の取材で京都・東山を訪れた際、せっかくなので香十 二寧坂店へ。創業は京都で、太閤豊臣秀吉公や徳川家康公に召されたと伝えられているそう!

なかでも第八代十右衛門は香りの天才とされ、多くの銘香を創り、以後の当主は十右衛門の名を襲名するように。現在は本店を東京・銀座に構えていますが、半世紀を経て平成28年に創業地の京都にカムバックし、オープンしたのがこちらのショップです。

写真のお香は、十右衛門さんの名を冠したシリーズ。

場所柄、修学旅行生やインバウンド観光客など幅広いお客さまが来店されるそう。好きな香りと袋、紐を選んでカスタムできる香り袋「珠衣(たまい)」が人気。香りと袋はスムーズに選べるのに、意外と紐で悩む人が多いのだとか。

1袋5本という少量からお香を選べる「京いろは」も、お香初心者におすすめ。学生さんが「おばあちゃんへのおみやげに」と買っていくこともあるそうです。ほっこり。

モダンなパッケージとポエミックなネーミングの「香十いろは」には、季節限定の香り「赤く輝く 柘榴(ざくろ)の実」が仲間入りしたばかり。小さな香立てがセットになっているのも嬉しい。

店頭でたかれていたのは「特撰 花の花」のすみれの香り。白檀(びゃくだん)をベースにさまざまな花の香りを表現したシリーズのひとつで、インテリアのように楽しめるお香です。

一日のサイクルをテーマに、和精油を使ったボタニカルな香りをお香やルームスプレーなどで楽しめる「Yohaku」シリーズ。火を使わずに和の香りを暮らしに取り入れられるのは良いですね!

この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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