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アボリジナル・アートにアレックス・カッツの最新シリーズまで、見逃せない4つの展覧会を紹介。

  • 2025.9.13

01. 女性作家が牽引する、土地に根差す芸術表現。

『彼女たちのアボリジナル・アートオーストラリア現代美術』

国際的に存在感が高まるアボリジナル・アートの女性作家に焦点を定めた本展。バティック、ジュエリー、編み物などそれまで芸術作品として受け容れられなかった創作を芸術に昇華させた彼女たちは、手法やテーマ、素材の多様性と表現力の拡がりに大きく貢献し、いまやオーストラリア現代美術の方向性を握る。なかでもイワニ・スケースのウランガラスの作品は鮮烈。祖先が経験した植民地時代や冷戦期の核実験に利用された故郷の姿を洗練された表現で伝えている。

『彼女たちのアボリジナル・アートオーストラリア現代美術』

会期:開催中~9/21

会場:アーティゾン美術館

050-5541-8600

開)10:00~17:30最終入場(火~木、土、日)、10:00~19:30最終入場(金)

休)月、9/16※9/15は開館

料)一般¥2,000

https://www.artizon.museum/

02. 世界の現象を観察し、身体で解析する研究室。

『笹本晃ラボラトリー』

ニューヨークを拠点に、造形表現とパフォーマンスアートを往還する活動を重ねる笹本晃の仕事を紹介し、テーマや手法の変遷を辿る初のミッドキャリア個展。初期の代表作からキネティックな要素が強まる最新作まで、独自の活動を続けてきた笹本の異才を動的に検証する。研究室を意味する本展タイトルは、鑑賞者が笹本とその作品の生態を観察し検証するという意味とともに、この世界の大小さまざまな現象について注意深く観察し分析しようと試みる彼女の視点を示す。

『笹本晃ラボラトリー』

会期:開催中~11/24

会場:東京都現代美術館

03-5245-4111

開)10:00~17:30最終入場

休)月、9/16、10/14、11/4※9/15、10/13、11/3、24は開館

料)一般¥1,500

https://mot-art-museum.jp/

03. 宇宙まで繋がる、時空間の層を可視化。

『髙田安規子・政子Perspectivesこの世界の捉え方』

髙田姉妹は一卵性双子のユニットで活動するアーティスト。空間や時間の「スケール(尺度)」をテーマに、身近なものや環境を変容させる作品は我々の認識を揺さぶり、異なる視点で世界を捉えるきっかけをもたらす。約500冊の本を重ねて地層に見立てた新作を中心に、時間や空間の拡がりを表現するインスタレーションを展開する本展。生命の成り立ち、進化の歴史を時間の層として描き出し、自然の法則で宇宙まで繋がる時空間を巨視的・微視的に捉えて可視化する。

『髙田安規子・政子Perspectivesこの世界の捉え方』

会期:開催中~12/7

会場:資生堂ギャラリー

03-3572-3901

開)11:00~18:30最終入場(火~土)、11:00~17:30最終入場(日、祝)

休)月

入場無料

https://gallery.shiseido.com/jp/

04. 刹那を永遠に変える、ビジュアル俳句。

『アレックス・カッツ「Four Seasons」』

具象と抽象の間を軽快に行き来する画家として約80年にわたり第一線で活躍するブルックリン出身のアレックス・カッツ。日常の情景を永遠の瞬間に昇華させ、観客に直接的で親密な体験を与えてきた。最新シリーズ『Seasons』では、四季の移ろいを即興的な手法で捉え、iPhoneで撮影したスナップショットと簡単なスケッチを広いキャンバスへと変換する。彼のキャンバスは、簡潔でリズミカルな瞑想を通じて、視覚的な俳句となり、その一瞬を普遍の美として定着させる。

『アレックス・カッツ「Four Seasons」』

会期:開催中~10/18

会場:SCAI PIRAMIDE

03-6447-4817

開)12:00~17:00最終入場

休)日、月~水、祝

入場無料

https://www.yamasa.com/musee/

*「フィガロジャポン」2025年10月号より抜粋

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