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25年前、一躍ヒロインへと押し上げた“演技派だけど素顔のまま輝く”デビューソング CMと共鳴した“始まりの一曲”

  • 2025.10.15

「25年前、少女の夢が未来を照らすことになるなんて、誰が想像しただろう?」

2000年。CDショップの新譜コーナーには華やかなポップスが並んでいた。そんな時代に、一人の少女がスクリーンから飛び出してきた。彼女の名は平愛梨。

平愛梨『Wish』(作詞・作曲:T2ya)――2000年5月10日発売

明治製菓「QUN」のCMソングとして流れたこの曲は、彼女の歌手デビューを飾った作品だった。

夢に手を伸ばした少女時代

安室奈美恵に憧れて芸能界を志した平愛梨は、DA PUMPのISSAが主演を務めた映画『ドリームメーカー』(1999年)で妹役オーディションに応募し、見事グランプリを勝ち取る。そこで演じたのが、主人公の妹・杉浦あい役。スクリーンデビューを果たした彼女は、透明感のある笑顔と素朴さで一躍注目を集めた。

この時代、まだ10代の少女だった平は、「芸能界に飛び込む勇気を持った普通の女の子」として多くの人の共感を呼んだ。

女優として芽吹いた才能

その後は女優としてドラマや映画に出演を重ね、活動の場を広げていった。『20世紀少年』でのカンナ役や、バラエティ番組で見せた天真爛漫なキャラクター。演技の確かさと、親しみやすい存在感の両方を持ち合わせていたことが、平愛梨の強みだった。

テレビの前の人々は、彼女が演じる役柄に自然と感情移入した。作り込まれたスター性ではなく、“素顔のまま輝ける稀有な存在”として支持されたのである。

“天然キャラ”が開いた新しい扉

一方で、タレントとしての活躍も忘れられない。天然キャラとしてバラエティ番組に出演するたびに、予想外の発言や愛らしいリアクションでスタジオを沸かせた。女優としての真剣な顔と、バラエティでの飾らない姿。そのギャップが彼女を“親しみ系ヒロイン”へと押し上げていった

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「Tokyo Wedding Collection 2012」にウエディングドレス姿で登場した平愛梨 (C)SANKEI

運命を変えた出会い、そして“ブラボー”な結婚へ

そして、もうひとつ語らずにはいられないのが、サッカー選手の長友佑都との結婚だ。国際的な舞台で活躍するアスリートと、国民的に愛された女優。その出会いは、まさにドラマのようだった。海外での生活、4男児の母となった現在も、SNSを通じて家族の温かさや日常を発信し続けている。

長友の「ブラボー!」という言葉は、彼女の人生を象徴するフレーズになった。あの時の笑顔と声は、「幸せを全力で表現することの素晴らしさ」を日本中に教えてくれた。

一歩一歩がつないだ“平愛梨という物語”

女優デビューから始まり、歌手、タレント、そして妻、母として歩んできた平愛梨。そのキャリアは決して直線的ではなかったが、だからこそ人々の記憶に残っている。

『Wish』という一枚のシングルは、単なる歌手デビューではなく、未来へと続く物語の序章だったのだ。彼女が歩んできた道は、「夢を信じて踏み出せば、思いがけない未来が開ける」ことを静かに物語っている。

そして今もなお、彼女の人生は“ブラボー”という言葉のように、明るく、温かく、誰かの心を照らし続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。