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25年前、アニメソングの枠を超えた“キッズ向けなのに大人もハマる”愛されソング クラブソングへ昇華した“国民的名曲”

  • 2025.10.14

「25年前、テレビから流れてきた“あの声”を覚えてる?」

2000年。学校から帰ってランドセルを置くと、自然とテレビの前に集まっていた子どもたち。ポップで軽快なリズムに合わせて、小さなハムスターたちが画面いっぱいに駆け回る。その姿と共に流れていた曲が時代を超えて愛され続けている。

ハムちゃんず『ハム太郎とっとこうた』(作詞・作曲:河井リツ子)――2000年9月30日発売

テレビ東京系で放送されたアニメ『とっとこハム太郎』のオープニングテーマとして誕生したこの楽曲は、瞬く間に子どもたちの心をつかみ、家庭や学校で口ずさまれる存在になり、予想もしていなかった形で定番アンセムとして今もなお愛され続けている。

小さな仲間たちの大きなうた

『ハム太郎とっとこうた』を歌うのは、アニメに登場するキャラクターたちを総称した“ハムちゃんず”。その名の通り、ハム太郎をはじめとした仲間たちのにぎやかさをそのまま音楽にしたようなグループ名だ。原作者である河井リツ子自身が作詞・作曲を手がけたことで、キャラクターの世界観が濃厚に反映されている。

イントロから弾むようなテンポが耳に飛び込み、すぐにリズムに合わせて体を揺らしたくなる。子ども向けのアニメソングでありながら、そのキャッチーさは大人の耳にも心地よく残る。世代を越えて記憶に刻まれるほどの“聴きやすさ”が、この曲の最大の魅力だった。

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2001年、東宝正月映画『ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃』と『劇場板とっとこハム太郎ハムハムランド大冒険』2本立て公開の会見に出席した(左から)ゴジラ、河井リツ子、新山千春、ハム太郎

当時のテレビに広がった“遊び心”

2000年前後のアニメ主題歌といえば、J-POPアーティストの書き下ろしが増えていた時期でもある。そんな中で、『ハム太郎とっとこうた』は徹底して“子ども目線”に寄り添ったテーマソングだった。歌詞に散りばめられた言葉の響きやリズムは、耳に残るフレーズとして日常の遊びの中にも自然に浸透していった。

当時の子どもたちにとっては、アニメを観ることが日課であり、この曲を口ずさむことが“みんなで同じ時間を過ごしている証”でもあったのだ。

世界に広がった“とっとこ現象”

驚くべきは、この楽曲がやがて日本の外にも広がっていったことだ。2000年代後半以降、アニメソングをかけるDJイベントが国内外で増えると、『ハム太郎とっとこうた』はフロアを盛り上げる“定番曲”となった。流れるだけで会場全体が一体となり、まるでハムスターのようにぐるぐる回る。アニメソングの枠を越えて、クラブカルチャーにまで浸透していったのである。

変わらない無邪気さが残したもの

『ハム太郎とっとこうた』は、特定の世代にとっては“幼少期の象徴”であり、アニメソング文化にとっては“イベントを沸かせる鉄板”として残り続けている。

リリースから25年が経った今でも、流れた瞬間に笑顔になれる力を持っているのは、この曲が最初から最後まで“無邪気さ”を失わなかったからだろう。テレビの前で夢中になったあの時間も、クラブで体を揺らす今の瞬間も、同じ音楽で繋がっている。

時を越えて駆け抜ける、小さな仲間たちの歌。それが『ハム太郎とっとこうた』なのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。