ハン・ヒョジュが『トンイ』を語った記者会見で強烈な印象だった言葉は何か

時代劇『トンイ』において、主人公トンイの明るく誠実なキャラクターを見事に演じ切ったハン・ヒョジュ。彼女の記者会見に今まで4回出席したことがあるが、常に印象深かったのは率直で知的な受け答えだった。

彼女は記者からどんな質問を受けても、質問の主旨をよく理解して、言葉を選びながら誠実に一生懸命答えていた。そういう姿を見せてくれたので、記者の間で評判がとても良かった。

そんなハン・ヒョジュが、『トンイ』でチョンスを演じているペ・スビンと一緒に東京で記者会見を開いたのは、2011年10月12日のことだった。そのときに忘れられなかったのが、ハン・ヒョジュの次の発言だった。

「私はトンイを演じている間、1つ疑問に思ったことがあります。こんなに明るくて正しい考え方を持っている女性が本当にいるのかな、ということです。けれど、すべての撮影が終わった時点で実感したのは、“こういう女性が1人くらい存在してくれたらいいなあ”ということでした」

この言葉は本当に意味が深かった。ハン・ヒョジュが言いたかったことは「トンイというのは誰にとっても模範になるような素晴らしい女性」ということ。さらに、ハン・ヒョジュは言葉をこうつなげている。

「トンイはとても素敵な人だと思います。私はまだトンイのようにはなれていませんが、こういう方向に進みたい、正しい道をめざししたいと思う気持ちは、似ていたのではないかと思います」

このように、ハン・ヒョジュはトンイのような女性になれるように努力していきたい、という気持ちを伝えてくれた。さらに、記者会見でハン・ヒョジュは『トンイ』の撮影中のエピソードについて触れてくれた。

「『トンイ』のときは、きれいな衣装を着て髪も結って1年くらい撮影をしていました。たまたま撮影がないときに髪を下ろして普段着でいると誰にも気づかれないのです。そこで、あえて誰かに挨拶をするときは髪を縛って頭を下げてから“トンイ役のハン・ヒョジュです”と言うようにしていました」

このように愉快に語って、ハン・ヒョジュは最高の笑顔を見せていた。

文＝康熙奉（カン・ヒボン）