「転売ヤーは滅んでほしい」定価2万円が…日本シリーズチケット、7倍高騰の“異常事態”にNPBが警鐘

毎年秋になると、プロ野球ファンの注目はシーズン最高の一戦に集まります。今年も阪神タイガースと福岡ソフトバンクホークスが日本一の座をかけて激突する「SMBC日本シリーズ2025」が開催されています。

10月25日から始まった今シリーズは、早ければ10月30日にも優勝チームが決まる可能性があり、多くのファンが球場での観戦を希望しています。しかし、その熱狂の裏側では、チケットの高額転売が問題となっているのです。

一部の転売サイトでは、正規価格の数倍もの値段でチケットが取引されており、NPB（日本野球機構）は公式サイトで転売禁止の注意喚起を行い、警察との連携を強化する姿勢を示しています。

転売サイトでの価格高騰の実態

日本シリーズは、セントラル・リーグとパシフィック・リーグの覇者が「日本一」の称号をかけて戦う、プロ野球界最高峰の頂上決戦です。

試合は最大7戦で行われ、先に4勝したチームが日本一となります。今年は阪神タイガースがセ・リーグを、福岡ソフトバンクホークスがパ・リーグを制し、激突が実現しました。

チケットは抽選販売や先着販売が行われますが、毎年争奪戦となることで知られています。

公式販売サイトの正規価格では、最も高値の中央フィールドプレミアムシート・グリーンプレミアムシート（バックネット裏）は、1枚2万円、フィールドシート（1塁・3塁）は1万3千円、外野指定席は3,900円での販売でした。現在は完売しています。

しかし、ある転売サイトを確認すると、阪神甲子園球場で開催される試合のチケットが、現時点（10月29日13時）で、バックネット裏が15万円、3塁側が10万円、外野指定席が1万6千円など、正規価格を大きく上回る金額で出品されていました。

正規価格の7倍以上にもなる高額で取引されている状況は、本当にチケットを必要としているファンにとって大きな問題となっています。

NPBは公式サイトに「チケット購入時の注意事項」を掲載し、転売禁止を明確に打ち出しています。

2019年6月に施行された「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」により、興行主の同意なく定価を超える価格でチケットを業として転売する行為は、明確に違法とされています。同法に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

NPBの観戦約款でも、営利目的の転売は禁止されています。転売されたチケットで来場した場合、入場を断られる可能性もあると注意喚起されています。

さらにNPBは、「警察と連携して暴力団等排除活動に取り組みを継続しており、チケットに関連する事件が発生した場合には、警察の捜査に全面的に協力してまいります」「転売に関与された方に対する措置を検討しております」と強い姿勢を示しています。

こうした転売問題について、SNS上ではさまざまな意見が寄せられています。

「日本シリーズのチケット落選した。転売ヤーは滅んでほしい」「転売ヤーしっかり逮捕してほしい」という声や、「正規価格以上での出品を認めるべきではない」といった転売そのものへの批判が多く見られます。

また、「転売があまりにもひどいので、1つずつ通報してる」と、実際に行動を起こしているユーザーもいます。

一方で、「転売サイトではなくX（旧Twitter）でチケット詐欺にあったことある」など、転売サイトだけでなくSNSを通じたチケット譲渡も危険だと指摘する声もありました。

熱戦が繰り広げられる日本シリーズですが、その裏側では深刻なチケット転売問題が存在しています。

NPBの公式サイトにも「転売等の目的で購入されたチケット、または転売等により購入されたチケットは、入場をお断りする場合があります」と書かれています。

安全に観戦するためには、公式販売サイトや公式リセールサービス以外ではチケットを購入しないことが大切です。

公式リセールサービスとしては、ローソンチケットのリセール、チケットぴあのリセール、チケプラTradeが用意されています。やむを得ない事情で観戦できなくなった場合は、こうした公式のシステムを利用することで、適正な価格での譲渡が可能です。

転売に関わることなく、正規の方法でチケットを入手し、公正な形で日本一決定の瞬間を楽しみたいものです。