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メロンって「痛い」の?!おいしい見分け方は?プロに弟子入りして知った高級フルーツ「夕張メロン」の魅力

  • 2025.8.27

夕張メロン農家に弟子入り!

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

今回の舞台は、空知地方南部に位置する「夕張市」です。

Sitakke

今年の初競りで2玉100万円の値がついた高級フルーツ・夕張メロンを作るプロ!
「工藤 凌司」さんです。

Sitakke

祖父の代から60年以上続く、夕張でも指折りの大規模農園を運営する、まさにメロン王子です!

およそ60棟のハウスを所有し、1シーズンなんと6万玉のメロンを出荷しているんです。

そんな工藤さんの午前のスケジュールはというと…始まりはなんと午前5時前の収穫作業から!
そのワケは…?

「温度が低いうちに収穫するため。温まってしまうと、もいでから追熟が進んでしまう」のだそう。

冷たい温度のまま集荷・流通できるように早い時間に収穫するんです。

では、私は何をするかというと、収穫したメロンを運ぶ作業から始めます!

メロンって「痛い」の…?

Sitakke

全長100メートルのハウスで効率的に運搬を行うため、一輪車を使って一度に多くのメロンを運びます。

作業スタート!…と言いたいところですがさっそくストップ!

実はメロンって「とげ」があるって知っていましたか…?
細かいとげが無数にあって、触ると皮膚がささくれのようになるほどなんです。

Sitakke
この茎の部分…毛のように見えるのは無数のとげなんです!

なので手に刺さっては危ない!ということで、収穫のときには手袋をするのだそう!
師匠に農作業用のものをお借りしました。
ですが、自分ではめると、なんと裏返し…。

これには師匠も苦笑い…。

「ここから始めましょう!」ということで、本当に1から教えてもらうことになりました。

夕張メロンの価値は「ヘタ」にあり

Sitakke

この日収穫するのはおよそ200玉。
全て手作業で収穫を行います。
高級メロンなので扱いはとてもデリケートです。

一番に教えてもらったのは「できるだけヘタを持たない!」ということ。

ヘタは夕張メロンにとってとても大事な商品価値なのだそう。
例え中身が同じ品質だとしても、ヘタがないだけで商品価値はかなり下がってしまうんです。

できるだけヘタを傷付けないように、折らないように…メロンの球を持って慎重に持ち上げます。

こうして一度に一輪車に積むメロンの総重量は約30キロ!
運ぶのにバランスを保つのが非常に難しい!

Sitakke

手にも負担がかかって、まさに力仕事…!
次の日は腕が上がらないほどの筋肉痛になりました(涙)

収穫した200玉のメロンを運んではトラックに乗せる地味な運搬作業…。
この重労働が夕張メロン農家の一日の始まりなんですね。

やること山積み!

Sitakke

開始から1時間半。全てのメロンをトラックに積み込みました

ただ、午前10時半の集荷に向けてやることはまだまだ山積み。

収穫したすべてのメロンのトゲや粉を取り除く「洗い」。
測りを使って行うサイズ分け。
「箱詰め」・「整頓」。

集荷に至るまで複数の工程をこなさなければいけないんです。

私はその中でメロンのサイズ分けをお手伝いしました。

ひとつひとつ重さを計る機械を使いながら、サイズを分けていくのですが…
なんと、メロンを置くだけで音声でサイズを教えてくれる便利な機械があるのです!!
この機械の指示に従いながらサイズごとに仕分けをしていきます。

誇らしくなって…メロン農家を継ぐきっかけ

Sitakke

師匠はどうしてメロン農家になったのか…その理由を聞いてみました。

きっかけは、学校行事で訪れた東京で地元・夕張メロンの販売体験をしたことでした。

「あまりの人気に誇らしくなり、自分でメロンを作りたいとそのとき決心したんです」

小さいころからずっとメロン農家を目指していたわけではなく、この販売体験がきっかけでお父さんのメロン農家を継ぐことを決めました。

ところで、メロンのサイズ分けの作業中に、師匠のお兄さんにおいしいメロンの見分け方を教わりましたよ!

Sitakke

見分けるポイントは、ネット=表面にできる網目模様だといいます。

「基本的にネットがびっしり張って形がきれいなものは、おいしい可能性が高い。じわじわ中身が詰まって、肌がひび割れてネットができてくるので、ネットがびっしり入ったものはジワジワ育ったおいしいメロン」

ただ、師匠たちが作るメロンはどれを採っても美味しくできているとのこと!
ひとつひとつ丁寧に愛情を込めて作っています。

どこを食べても、おいしいんです!

Sitakke

集荷まではとにかく時間勝負。
黙々と全ての作業を行います。

終了したのは、午前10時!
このあと、メロンは検査場に運ばれて一つ一つ生産農家も担う検査員の手作業でチェック。

糖度やツヤ、身の締まりなどを再度確認した後に、合格したものだけがシールを貼られて「夕張メロン」となるんです。

この検査に合格しないと正式に「夕張メロン」とは言えないため、検査場から結果が来るまではドキドキするのだそうです。

つかの間の休憩中、師匠が採れたてのメロンを食べさせてくれました。

Sitakke

師匠の作る夕張メロンはとにかく甘くておいしい!!
私がこれまで食べてきたものは、真ん中の部分だけ甘いという印象だったのですが、このメロンは全然違います。
皮に近いところまでどこを食べても同じくらい甘くて驚きました!

一番大変な作業は…

Sitakke
大事に育てられるメロンの赤ちゃん 「お布団」のようにマットを敷きます

毎日続く大変な作業の中で、師匠が一番大変だと思うものは「手入れ」作業だと教えてくれました。

工藤さんの農園では3か月近くにわたって安定的に出荷できるように、メロンを複数回に分けて育てています。

そのため、毎日集荷作業の後は60棟で管理している生育中のメロンの手入れをしているんです。
続いてはそんな実を付けたばかりのメロンの手入れをお手伝い!

メロンマットを一個一個メロンの下に敷いていきます。

Sitakke

生育途中のメロンは土の上に敷かれたビニールの上にあります。
このビニール、ハウスの中で熱せられてとっても熱い!

ビニールに触れているメロンの玉がこの熱にさらされると、跡が残ったり、水がついて病気になってしまったりする危険があるんです。

メロンマットはそんな危険を防ぐためのもの。大事に大事にメロンは育てられているんですね。

さっそく、赤ちゃんメロンにマットを敷いていきますが…これが想像以上に大変だった…!

熱い、痛い、しんどい…

Sitakke

6月でも日中のビニールハウスの中は30度超え!
しかも葉っぱに隠れたメロンを見つけるのは想像以上に難しく作業は難航します。

暑いし、熱い…。
葉っぱが腕に刺さって痛い。
そしてメロンがなかなか見つけられない。
…しんどい。

赤ちゃんメロンの「手入れ」に悪戦苦闘しながら黙々と取り組みます。

そんな姿を見て師匠がこんな言葉をくれました。

「めちゃめちゃ一生懸命だと思います。メロンの取り扱いもすごく丁寧で大事にしてくれてる感じが伝わります。負けないように仕事しないと」

その後は束の間の昼食をはさんで午後3時までみっちり弟子として作業!

夕張メロン作りの大変さを身を持って体験した一日でした。

師匠!ありがとうございました!

Sitakke

夕張メロンはブランドがついているだけに、収穫から選別、出荷まで一つもミスは許されない慎重な作業が求められました。

選果場に出されてしまうため、直接食べた人からの感想をもらえることは少ないのだそうです。

だからこそ、師匠はお子さんたちの「メロンおいしい!!」という言葉が一番の生きがいだとお話してくれました。

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年6月)の情報に基づきます。

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