まるでミュージアム！ヘルシンキのおしゃれな部屋をちょっと覗き見

幸福度NO.1 の国フィンランド。その首都、ヘルシンキの暮らしってどんな感じ？ということでお部屋を拝見。職業、家族構成、趣味趣向、間取りもばらばら、工夫もさまざま。今回の取材で見えたのは「部屋は人生」だということ。居住空間には個人の人生観が色濃く映し出されているのです。

いらっしゃい、とドアを開けて優しい笑顔で出迎えてくれたアリスと一緒に、芳ばしいパンの香りがふわっと漂ってきた。

パンづくりが趣味だという彼女は、グラフィックデザイナーであり、イラストレーターとしても活躍。

この日は不在だったパートナーのユーソとは、ブダペストのアートスクール卒業後にエストニアで働いていた頃に出会った。

フィンランド出身の彼が住むヘルシンキのこの部屋に引っ越してきたのが2 年前。

白を基調とした開放感のある空間とあたたかみあるウッドが絶妙にMIX された部屋は彼がリノベーションして家具も揃えていたが、そこにアリスが選んだ小物やデザインしたものを加えた。

なかでも1 番のお気に入りはふたりで選んだ《イサムノグチ》のランプシェードなのだとか。

「わたしたちはふたりともデザイナーなので、それぞれ強いテイストを持っているの。でも一緒に相談しながら部屋づくりをするプロセスが楽しい」。

センスが寄り添い出来上がったお部屋は彼が選んだ正統派デザイナーズ家具に、アリスの遊び心がアクセントとして生きている。また玄関前のウォールシェルフには、思い出のアイテムが並び、まるでふたりの歴史を展示した小さなミュージアムのようだった。

photograph_Yoshida Taisuke
coordination & text_Kitsune
edit_Suzuki Mikiya〈KIP Inc.〉
design_Yamamoto Katsura

FUDGE vol.264 2025年7月号より