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「人生史上最も胸糞悪い」「二度は観れない」“迎えた結末”に視聴者絶句…だけど「本当観て良かった」“心に残る”衝撃映画

  • 2025.9.20

映画の中で、衝撃的なシーンや結末、名言などがあると、ずっと心に残り続けます。今回は“忘れられない邦画作品”5選をセレクトしました。本記事では、第5弾として映画『それでもボクはやってない』(東宝)をご紹介します。この映画は、2007年公開の社会派物語です。

ある日、自分や自分の家族が冤罪をかけられてしまったら…。決して他人事ではないストーリーに、思わず感情移入してしまう映画。観ながら背筋が寒くなってくるかも。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

映画『それでもボクはやってない』どんな作品?

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「ゴディバムースラウンジ」の発表会に出席した瀬戸朝香(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『それでもボクはやってない(東宝)
  • 公開日:2007年1月20日

あらすじ

就職活動をしていた金子徹平(加瀬亮)は、いつものように通勤ラッシュに巻き込まれていました。しかしある日、面接に向かう電車の中で、痴漢に間違えられてしまいます。女子高生から痴漢行為を問いただされ、警察へ連行されることに。

警察や検察は執拗な取り調べを繰り返し、刑事には自白を迫られ、留置所に勾留。孤独感と焦りだけが募る徹平は、それでも「ボクはやってない」と答え続けます。しかし、無実は認められず、ついに起訴されることに…。

監督自ら冤罪事件を徹底リサーチ!圧倒的なリアリティで魅せた一作

映画『それでもボクはやってない』は、痴漢冤罪を題材にした社会派ストーリー。冤罪の難しさが描かれており、視聴者も頭を抱えている様子。SNSではたくさんの反響があったようです。

「痴漢冤罪という悪夢を描ききった名作」「未だに忘れられない」など、憤りを感じ、胸が詰まる思いをしている人が多い様子。

しかし一方で「主人公への感情移入が止まない見事なる傑作」「多くの人に希望と勇気をくれた名作」という声もあり、賛否両論ありながらも名作であることは誰もが認めています。

この映画の監督は、映画『Shall We ダンス?』、『シコふんじゃった。』などを作った周防正行監督。周防監督はこの映画を撮影するにあたり、専門家に話をきいたりと3年という年月をかけて徹底的にリサーチしていたようです。

監督はこの映画を作るにあたって考えていたことを、CINEMATOPICSのインタビューで次のように話しています。

今回ただひたすらに考えていたことは“嘘をついちゃいけない”。“どうやったら僕が観た裁判をありのままに伝えられるのか”。それだけなんです。
出典:『日本映画を変える、歴史的名作『それでもボクはやってない』周防正行監督インタビュー』CINEMATOPICS 2007年8月1日配信

そんな監督の想いが作品にリアリティを生み出し、観客は主人公と共にその理不尽さに胸を締め付けらるのでしょう。

また、女性弁護士を演じている瀬戸朝香さんが、役作りのために事前に痴漢裁判の傍聴をするなど、ストイックな姿勢で役作りに臨まれています。監督やキャストの徹底した準備と真摯な姿勢は、スクリーンに映し出される一つひとつの場面に説得力を与え、単なるフィクションにとどまらない社会性のある作品へと昇華させています。そのためSNSでも「本当観て良かった」「本当に心に響いた」など称賛の声が相次いでいました。

結末が劇的にショック!※ネタバレあり

監督やキャストの真摯な準備が作品に説得力を与えている本作ですが、迎えた結末に「人生史上最も胸糞悪い作品」「二度は観れない」などショックを受けている声がSNSで多く見られました。

この映画の結末は、徹平が有罪判決を受け、立ち尽くしながら判決理由を聞き、「控訴する!」という意志を表して終わります。「無罪」とはならず、残酷な結末ですが、控訴というかすかな希望を残しました。しかし、控訴の後どうなったのかは、まったく触れられていません。

ただ、もし「無罪」となって、すっきりしたように感じても、嫌疑をかけられた事実は変わらないため、日常生活や人間関係に支障は出てくるのでしょう。そう思うと、どういう判決でもスッキリしないのかもしれません。

結末の内容について、周防監督はCINEMATOPICSのインタビューで次のように語っています。

(前略)完結しないで、とにかく現実の生活にひきずっていってほしい。だからああいうエンディングしか考えてなかったですね。劇場出たらオシマイじゃない。実は劇場出た後のほうが、この映画には重要なんだっていう想いがありました。
出典:『日本映画を変える、歴史的名作『それでもボクはやってない』周防正行監督インタビュー』CINEMATOPICS 2007年8月1日配信

まさに監督の思惑通り、上映後の質疑応答のイベントでも、映画の内容などは聞かれず、「なんで裁判官がこういう判断をするのか?」「勾留はこんなに長く続くの?」など、法律の質問が多くあったそうです。

他人事ではなく、感情移入させられる名作映画『それでもボクはやってない、ぜひご覧になってみてください。


※記事は執筆時点の情報です