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「さすがNHK」「滅多にない名作」“圧巻のクオリティ”に視聴者驚嘆…「絶対に観たほうがいい」“異色の脚本”で魅せた神ドラマ

  • 2025.9.20

大きな話題にはならなくとも、観た人の心に静かに深く残り続けるドラマがあります。視聴率や話題性だけでは測れない、脚本の緻密さや俳優陣の熱演が光る作品たち。今回は、そんな“隠れた名作ドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第1弾として、2024年放送のドラマ『母の待つ里』(NHK)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“隠れた名作ドラマ”『母の待つ里』

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完成披露試写会に出席した松嶋菜々子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『母の待つ里』(NHK)
  • 放送期間:2024年8月16日、8月23日(NHK BSプレミアム)/2025年8月30日~9月20日(NHK総合)

あらすじ

浅田次郎さんの同名小説を原作に、NHKで全4回にわたり放送された作品。

仕事一筋で生きてきた松永徹(中井貴一)は、40年ぶりに故郷の実家へと帰ってきました。母・藤原ちよ(宮本信子)は満面の笑みで徹を迎え入れ、彼は懐かしい料理や我が家に心からの安らぎを感じます。しかし、なぜか徹は、あれほど慕っていた母の名前だけを思い出せずにいました。

その一方で、もう一人、古賀夏生(松嶋菜々子)もまた、久しぶりの里帰りをしようとしていました。そして、夏生が向かう先もまた、徹と同じ母が待つ家だったのです。さらに、定年退職後に突然妻に離婚を言い渡された室田精一(佐々木蔵之介)もまた、「母」の待つふるさとへと向かいます―。

ドラマ『母の待つ里』の見どころ※ネタバレあり

浅田次郎さん原作のドラマ『母の待つ里』は、都会で孤独を抱える人々が架空の「ふるさと」を訪れ、擬似的な母と過ごすという斬新な設定が最大の見どころです。岩手県遠野市の美しい原風景を舞台に、失われた心の拠り所を探す現代人の姿を描いています 。こうしたファンタジーともいえる物語にリアリティと深い感動を与えているのは、NHKならではの重厚な作品力です。丁寧な人間描写とドラマのスケールを超えた映像美が、視聴者を物語の世界へ引き込みます。  

そんな本作の見どころが、母役を演じる宮本信子さんの圧巻の演技です。彼女は、訪れる「子供」たちに合わせて理想の母親を演じ分けるという難しい役柄を完璧に体現。本当の母のように慈愛に満ちた姿は、登場人物たちだけでなく、視聴者の乾いた心も潤し、温かさと安らぎをもたらしました。

異色の脚本に対し、SNSでは「不思議なドラマ」といった声もあったようですが、物語が進むにつれて、この一見奇抜な設定が、現代社会が抱える孤独や『ふるさと』の喪失という根源的なテーマを鋭く描き出すためのものであったことが明らかになります。その圧巻の作品クオリティに作品を視聴した方からは、「滅多にない名作」「神ドラマ」「さすがNHK」「絶対に観たほうがいい」といった絶賛の声が多く寄せられ、多くの視聴者に深い感動を与えました。

ロケ地巡りする視聴者続出…多くの視聴者を魅了した岩手県遠野市の風景

ドラマ『母の待つ里』は、中井貴一さんをはじめ、松嶋菜々子さん、佐々木蔵之介さん、宮本信子さんといった豪華キャストが織りなす心温まる物語。そんな本作ですが、感動をより一層深めていたのが、物語の舞台となった美しい岩手県遠野市の原風景でした。画面いっぱいに映し出される美しい景色に魅了され、「初めて行ったけれど素敵でした」「九州から岩手県のロケ地へ行って来た」「ロケ地巡りしてきました」など、ロケ地を訪れる視聴者が多くいたようです。

岩手県遠野市の美しい風景は、視聴者だけでなく出演した松嶋さんの心にも深く響いていたようです。NHK公式サイトで掲載されたコメントにて、ロケ地の遠野市について松嶋さんは次のように振り返りました。

岩手県の遠野は、時間をかけながら流れ、まるで本当の故郷のように感じられる場所でした
出典:『土曜ドラマ「母の待つ里」総合テレビでの放送決定のお知らせ』NHK 2025年5月7日配信

まだドラマ『母の待つ里』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“美しい風景と切なくも心温まるストーリー”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です