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「無双」「存在感すごかった」“日曜劇場から大注目”の若手女優、透明感と説得力の芝居で演じきる【日曜ドラマ最終話】

  • 2025.9.20

読売テレビ・日本テレビ系の医療サスペンスドラマ『DOCTOR PRICE』がついに最終話。主人公・鳴木金成を演じたのは岩田剛典。そして彼を支えるバディ・夜長亜季を演じたのは蒔田彩珠。ふたりが織りなす異色のコンビが挑むのは、医療の世界に潜む巨悪の告発だった。最終話は、網野(ユースケ・サンタマリア)との最終対決が描かれ、“命の値段”をテーマにした本作の問いが集約された回でもある。

岩田剛典が見せた“ダークヒーロー”像

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(C)ytv (C)逆津ツカサ・有柚まさき/双葉社

岩田剛典といえば、映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』などで知られるように、爽やかで誠実な好青年像が強く印象づけられてきた。しかし『DOCTOR PRICE』で彼が演じた鳴木金成は、そのイメージを覆すキャラクターだった。

生涯年収が多いという打算的な理由で医師になり、さらに「もっと儲かる仕事を見つけた」として医師専門の転職エージェントに転身する鳴木。人間味よりも、わかりやすく金を重んじる冷徹な姿勢は、従来の岩田の役柄とは一線を画す。

最終話で彼が見せたのは、追い詰められながらも不敵さを失わないダークヒーロー像だった。父の医療過誤という過去に縛られながらも、巨悪を暴く過程で“命の値段”という矛盾に挑む姿は、視聴者にとって衝撃的であり、かつ同時に岩田自身の新しい代表作となったと言える。

蒔田彩珠のバランス感覚と存在感

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(C)ytv (C)逆津ツカサ・有柚まさき/双葉社

鳴木を支えたのが、蒔田彩珠演じる夜長亜季だ。彼女はリサーチ能力に長け、毒舌を隠さない一方で、好奇心旺盛な性格から潜入調査まで引き受けてしまう。まさに鳴木にとって不可欠なバディだった。SNS上でも夜長を演じた蒔田について「蒔田彩珠、無双」「御上先生の時から気になってたけど、存在感すごかった」と好評の声が多い。

蒔田彩珠といえば、映画『朝が来る』で見せた影のある役柄や、NHKドラマ『わたしの一番最悪なともだち』でのアンニュイな存在感が印象深い。しかし今作では、それらとは一線を画す演技を披露した。軽やかな可愛さと、飄々としたクレバーさ。その両立は難しいものだが、彼女は透明感と説得力を兼ね備えた芝居で見事に体現してみせた。

最終話では清掃会社・誠浄クリーンへの潜入という大役を担い、網野の不正を暴く決定的な証拠を掴む。そこでの冷静な立ち居振る舞いと、鳴木への信頼をにじませる眼差しが、ドラマ全体を支える大きな柱となった。

最終話の山場:巨悪との対決と“価格”の逆転

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(C)ytv (C)逆津ツカサ・有柚まさき/双葉社

最終話は、鳴木や夜長の調査と並行して、厚労省の特別監査チームが動き出すなかで展開した。網野と大企業スティファー社の癒着、誠浄クリーンを介した不正な資金の流れ。それらを夜長の潜入調査と仲間の連携で暴き出す流れは、まさに痛快だった。

注目すべきは、医師の価格を操ってきた鳴木自身が、最後には真実を暴く行為で勝利を収めた点だ。医師を商品に見立て、金に執着してきたように見える彼が、不正を告発する“正義”を手にしたことは皮肉でありながら、本作のテーマの結実でもある。

『DOCTOR PRICE』が単なる医療サスペンスを超え得たのは、鳴木と夜長のコンビネーションにある。シビアな題材を扱うなかで、ふたりの軽妙なやり取りが物語の呼吸を整え、視聴者の感情の受け皿となっていた。岩田剛典の新境地を支え、蒔田彩珠の演技力を引き出したのは、ふたりが築いた信頼関係の賜物だったと言える。

『DOCTOR PRICE』最終話は、岩田剛典の新しい役者像を強烈に刻みつけ、蒔田彩珠のバランス感覚あふれる演技を証明する回となった。命の値段という普遍的で重たいテーマを、サスペンスとエンタメの枠を超えて提示したこの作品は、単なる娯楽にとどまらず、現代社会に鋭い問いを投げかけた。

最終話を見届けた後、視聴者の心に残るのは、巨悪を暴いた達成感だけではない。命を金で測る世界で、正義をどう守るのか。その問いは、ドラマが終わったいまもなお、我々に突きつけられている。


読売テレビ・日本テレビ系『DOCTOR PRICE』毎週日曜よる10時30分〜

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_